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菅野所長のエッセイ;W杯観戦記(その① 予選)

 日曜のコートジボワール戦。本田の美しかったゴール以外に何も語ることはない。アリンコが巨像に踏みつぶされたということだった。

 しかし、アルゼンチン対ボスニアの試合を観て、日本戦がさらに憂うつな感じのものになった。サッカー通から「ボスニアは強い。アルゼンチンも危ない」と聞いていたが、実際に観るまでは半信半疑。何しろ、出場国の中で唯一の初出場。相手はあのアルゼンチンである。
 でも、それはそれは立派な戦いぶりだった。不運なオウンゴールで早々にハンデを背負ったのだが、試合そのものは互角。前半などシュート数ではやや上回ったか。メッシ擁するアルゼンチンだが、W杯での戦い方はもうひとつなこともあり、ヨーロッパの試合では観られないほどにメッシは潰されていた。それでも後半、前線とのワンツーからさすがなゴールを決めたが、ボスニアも1点を返し(これがW杯初ゴール)最後まで意地を見せた。

 日本と違い、讃えられるべき敗北である。よくよく考えれば、民族の争いからナショナルチームの結成さえうまくいかない国なのである。そこをまとめたのがあのオシムさん。ようやく出場を決めたときには涙を流したという。初出場ながら、実力はアルゼンチンと互角とみた。予選を勝ち抜けば相当面白い。ただし、詰めが甘い。一人、遠藤のようなパサーさえいればいいのだが。でも、日本以外で応援するチームは決まったな。

 ということで、ギリシャ戦。ま、負けなかっただけよしということだな。川島のファインセーブがなかったら負けていたね。いくら優勢に見えても、決定的な場面は日本にはひとつもなかったし。
 しかも、引き分けになったことで、ほんの少し決勝進出に望みが高まった。なぜなら、勝っていたら、それで予選敗退決定のギリシャがコートジボワールに勝つ要素が消滅するからである。最終戦で、日本とギリシャがともに1-0で勝てば、得失点差で日本が決勝進出となるはずだ。
 ギリシャは、自国マスコミのたたき方がけっこうすごい。敗退が決まっていたら、選手たちの心理はサッカーどころではないだろう。昔のコロンビアみたいに。でも、まだ、日本と同じで最終戦に勝てば望みはあるし。

 うーむ、しかし、いくらやる気のないコロンビアでも、日本が勝てるのか? 残り10分を切って、ラッキーな決勝点を取る。こういう展開でないと無理かな。それ以上に、ギリシャが勝つのも難しいのだが。

 何だかんだ言って、FIFAランク46位。そう簡単ではない。終わってみれば、すべては初戦だったなあと、振り返られるのではないだろうか。

 ブラジル対クロアチアの開幕戦での西村主審。擁護する声もあるが、世界レベルの審判の95%はあれをPKにしないだろう。逆にブラジルのスレッジに注意か警告を与える可能性も高い。その証拠に、「これで今大会の基準ができた」とバカなことを言う解説者がいたが、その後の試合を観てもそんなことはまるでない。

 スイス対エクアドルの試合では、同点でもう残り1,2分のところ、中盤でボールを奪いカウンターをしかけたスイス選手にエクアドルがカード覚悟のスライディング。激しく削られたスイス選手は前のめりに飛び、これはファールの笛が鳴ると思いきや、そのまま前方一回転をして立ち上がり、再びドリブルを始めたのを見て、主審はこれを流した。そして数秒後、見事な決勝ゴールが生まれた。あまりに激しいファールだったので、あそこで試合が止まって決しておかしくはなかったが、世界レベルの判断とはああいうものなんだなあと感じ入った。

 まあしかし、誤審は誰にでもある。西村クンも、これを糧にしてもっとよい審判になればいいのだ。そのためにはまず誤審したことを受け入れないとな。
 幸い、クロアチアはまだ突破の可能性を残し、有力である。そもそも強いチームなんだよね。DFバックラインのボールテクニックなどは最高峰と言えるんじゃないのか。

 予選を見る限り、大本命はドイツだな。他は一枚落ちる。注目選手は、コロンビアのハメス・ロドリゲス。今期は、ビッグクラブの争奪戦が予想される。

 

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