菅野所長のエッセイ:20年前の追憶

 ゴルフの松山英樹がやってくれた。メモリアルトーナメントは、競馬で言えばGⅡのような大会であって、2週後の全米オープンを見据えた有力選手が本気で戦うものだ。そこで優勝はすごい。

 日曜日、熊本のホテルで朝早く目を覚ましたら、中継をやっていて、最終ホールでバーディをとり、3日目を終わって2打差の単独3位。これは面白くなったと思ったが、正直勝てるまではいかないと予想していた。最終日、一時、抜け出して優勝間違いないというところから崩れ、首位に一打差で18番を迎える。ここで見事にバーディを取って奇跡的なプレーオフ。ところが、このときドライバーを折ってしまい、換えもなく、このプレーオフはひじょうに不利な状況だった。しかし、相手のミスに助けられもしたが、何とかパーを取って優勝。もうダメかと思われたところからの逆転だから価値がある。

 それはサッカーでもどうだ。コスタリカ戦、生で観られなかったが、前半0-1から最後には3-1にしたのだから価値がある。最初の失点は、なぜか左サイドバックになっていた今野のボーンヘッドだったが、ここは本来なら長友だから心配ない。前半は選手を試していたようだったが、後半、レギュラーの岡崎、長友、柿谷などを投入して形勢はかなりよくなったのではないか。思っているよりもこのチームは強いのかもしれないのだが、まあ、真剣勝負の本戦になるとどうなるか。

 強豪コロンビアはエースのファルカオが出られないとなって、これを各紙朗報と伝えているが、ぼくはまったくそう思わない。コロンビアとは最終戦に当たるわけで、それまでコロンビアが2勝0敗でいってもらわないと困るのだ。予選突破を決めたコロンビアが負けてもいいや、ケガだけはしないようにやろうねと思ってくれれば日本にも勝機があるわけでね。コートジボワール、ギリシャ戦を通して、2引き分けか1勝1敗以上なら、それで予選突破。僕の青写真はこういったところなので、ファルカオには出て欲しかった。こうなったら、1勝1引き分け以上にはしないとな。

 しかし、先週の熊本は暑かった。日本全国どこも暑かったのだろうが、個人的には体調が著しく悪くなってしまってちょっと大変だった。ま、夜になると復活して飲んでたのだが。みんなが言うには疲れが蓄積してたんだろうということだが、それは認めざるを得ないな。でも、地元の若い心理士たちががんばっているを見てすがすがしい気分にはなり、魚がすごく美味しかったし、どこでも大好きな辛子レンコンはあるしで、全体的には満足な行程だったな。学会の本大会は8月末だが、このときには体調を万全にしておきたいものである。 

 ダービーも観られなかった。本命ワンアンドオンリーが1着に来たのはいいが、3着マイネルフロストには脱力である。やっぱりダービーはダメだ。次は安田記念。ほとんどの馬が58㎏、3歳馬ミッキーアイルの54㎏はすごく有利に思える。ここに賭けるかどうかがポイントだ。

 と、週の中程まではこんな感じだったのだが、木曜に訃報があった。TCCの親会社の、法研の佐藤会長がご逝去。この数年、ずいぶんと衰えておられたからなあ。

 TCCがスタートしたのは、18年前のこと。その前1,2年前に、無料カウンセリングの全国的なシステムをつくるという、妄想とバカにされた僕のアイデアに乗ってくださったのが当時は社長だった会長である。ただし、カウンセリングは効率が悪い仕事であって、決して儲かりはしない。もし儲けるつもりでやるのならこの話はなかったことにしましょうと言う僕に、「プラマイゼロでいいです」と言ってくださった。それなら何とかなるかなと、決心したのがちょうど20年前だ。
 
 その後、雨後のタケノコよろしく同業他社が「儲けること」を目指して参入してきたが、「儲けなくていい」から始まったのはTCCだけであることは間違いないし、そうしたカウンセラーとしての私の、企業的には非常識なわがままを通しているのもTCCだけである。当初は赤字続きだったが、今は何とかわずかな黒字でがんばれている。それもこれもすべては佐藤会長の厚情のおかげという他はない。こうした昔気質の企業人が少なくなっている昨今である。現在日本にカウンセリングというものが根づいているのも、実は佐藤会長の存在があってのことであることをお伝えし、深くご冥福を祈るものである。

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