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赤信号は渡らない

 先週はこのコラムを書き忘れましたね。このところ坐骨神経痛が出てしまって、そっちに気を取られていたのかなあと思うのだが、申し訳ない。

 と軽く謝罪をするものの、こんなコラムが一週くらい抜けたところで影響はほとんどないとないと思うのだが、ときどき「楽しみにしています」という奇特な人もいるので、そういうマイノリティの皆さんのためにがんばろうかと思うのである。

 坐骨神経痛というのは、ほとんどの人は経験ないと思うので理解されにくいだろうが、一口で言うと大変につらい。僕の場合は、腰から下、下半身、身体の裏側が痛む。お尻、大腿部の裏、ふくらはぎの裏にチクチクとした痛みが出てくるのである。ひどいときは居ても立ってもいられない感じで、座るのも大変、夜もまったく眠れない。近所の整形外科に行って薬をもらうと嘘のように痛みが引くが、これは麻薬のようなものなので医者も頓服でしか出さない。だから僕も余程の痛みじゃないとクリニックにはいかない。いままで服薬したのは2回だけだ。

 今回はそこまでひどくはないのだが、それでも常時チクチクするので身体も気持ちも休まらない感じ。睡眠にも影響が大きいようで、起きたときにはものすごく身体の調子が悪い。昨日は最悪だったが、今朝はかなりマシになったので仕事場に来ているというわけである。

 さて、世間では広末涼子のダブル不倫というゴシップで盛り上がっているようだが、その夫が、相手側の謝罪を要求しているようだ。前回触れたように、日本では謝罪と責任というのはあまり関係がないので、こうしたことを要求しても虚しいだけという面があるのだが、道義的な面と被害者側の心情を慮ればわからなくはない。でも、謝罪をすれば、法的責任は問わない(慰謝料は要らない)という約定をするわけでもないだろうから、相手側もこの呼びかけには乗ってこないのではないか。もちろん記者会見でもすれば、印象操作のために謝罪をするだろうけれども。

 被害者はいつも謝罪を要求する。けれども、やっぱりそれは虚しいことだという例が先週あった。元女性自衛官がセクハラで上官5人を訴えた事件。裁判の過程で上官たちは彼女に謝罪をしている。自衛隊は内部調査で、加害者とされる5人を懲戒免職にしている。しかしながら、5人のうち1人は加害事実を認めて和解を申し出たが、残りの4人は裁判で争う姿勢を見せた。そして、女性元自衛官は「あの謝罪はいったい何だったのか?」と憤っているのである。

 うーん、だから日本では謝罪というのがあまり意味をなさないんだって。文字通りの「罪を謝る」わけじゃなくて、たとえば世間を騒がせたことに対して謝るとか、職場とか他の人に迷惑をかけたことに対して謝るっていうことだからね。

 謝罪にかんする日本的なあり方の逆を行ったのがジョージアの駐日大使。電車内のスナップ写真をインスタに上げたのはいいが、それが優先席だったのでツッコまれた。しかし、さすが外国人。「優先」席だから、空いているときに座っても何の問題もないと突っぱねた。僕なんかは、そこは別に正論をかまさなくてもいいから、軽く謝っとけばいいじゃんと思ったが、あにはからんや、世間の声はこれにひじょうに好意的。そうだそうだと、別に空いてれば座ってもかまわないじゃねえかとの意見が多数を占めているようである。まあ確かにルール的には問題ないからね。

 しかしまあ、それでもあえて言おう。

 僕はあまり座らないほうがいいんじゃないかと思ってる。別に堅苦しい気持ちからルールを守ろうということではない。

 たとえば日本人は交通ルールをかたくなに守ることで、外国人からは奇異に見られることがある。車もまったく来ないのに赤信号を渡らないとかである。これは昔、大阪の友人も言っていた。東京の人は融通が利かないと、青になるまで待ってるのはどうかしてると。このときはさすがに関西人だなあと苦笑いした覚えがある。

 初めて大阪に行ったときに僕が驚いたのは、無法地帯のような道路状況だった。車の駐車の仕方がとくにひどかったね。皆、縦列ではなく、斜めに止めておくのだ。すると3車線の道路は、その半分が使えなくなっている。もちろん駐車禁止の場所である。横断歩道でも、みな信号が赤でもどんどん渡っていく。かつてビートたけしは「赤信号みんなで渡れば怖くない」と言ったが、たけしが関西人であったならばあのギャグは生まれなかったに違いない。大阪ではそれは当たり前だからギャグにはならない。

 そんな大阪人に東京的なルール感覚を説明するのは難しい。あのとき、僕は苦笑いしながらも、関西に比べて、東京がルールについては融通が利かないことを素直に認めた。でも、それでいいんだとも。当時、僕の中ではなぜ自分はかたくなに信号を遵守するかについては明確な答えがあったからだ。

 それは、そうした大人の行動を子どもが見ているという理由である。ああ、ああやって車が来なければ渡っていいんだと小さな子どもが学習したら、事故が相当増えると思うんだよね。自分個人と社会のルールだけの問題なら、もっと柔軟であっていいと僕も思うけど、そういうことも考えたほうがいいと思うわけよ。ちなみに僕は、(ひとりの場合は)信号が点滅したら渡らないようにしている。

 ま、交通ルールと優先席とではちょっと違うのだが、それでも「空いてるときには別にいいんじゃないの」という心理の面では同じではないでしょうかね。駐日大使の言うことはまことに正論で,その正論を皆が支持する。でも、それはちょっと枠の小さな議論だと思うんだよね。

 今週は宝塚記念。上半期ラストのGⅠで、これが終わればしばらくない。そういえば、先々週の安田記念も本命ソングラインが1着でまたもやゲット。メインレースだけならほんとによく当たってるなあ。他のレースにも手を出すから結局負けちゃうのだが。

 本命は世界のレーティング第Ⅰ位の⑤イクイノックス。3連複が基本だが、3連単では1着固定だな。相手は⑨ジャスティンパレス⑩ディープボンド⑪ジェラルディーナ、次に⑬ジオグリフ、④ボッケリーニ⑤ダノンザキッド。

 

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