ご予約専用フリーダイヤル
0120-556-240

衝撃の事実

 今週は、奄美からのタンカンが届いた。そのオレンジ色を見てはたと思い出した。

 先月ゴルフに行ったときに、最近はまっているYouTubeの話をしたら、友人夫妻は京都橘高校のマーチングの動画にはまっていると言っていたのだ。そういえばずいぶん前にテレビで紹介されていたなあと思ったが、その後ずっと忘れていたのだ。京都橘高校吹奏楽部、愛称「オレンジの悪魔」。

 さっそく観てみると、これが凄いのなんの。海外での人気もすさまじく、アトランタオリンピック、アメリカのディズニー50周年のパレードとか、観客何十万人のローズパレード、去年の10月には台湾の建国祭に招待される。どこでも大観衆を熱狂させるパフォーマンスだ。

 近年、日本の高校生パフォーマンスではダンスが取り上げられることが多いから、そっちに人気が行っているけど、これはもう、世界に並ぶものがない、誇るべきものだなという感じ。それはサッカーと同じく、団体の力だ。

 で、顧問だった先生の本「教えずに育てる」を買ったのだが、これはもうひとつだなあ。ま、自分の教育法を自画自賛しているんだけど、京都橘の栄光はこの人の力によるものではなさそうだなと。

 では、何がこの学校をここまでにしているのか? そのヒントになりそうなものもあるぞ。

 ドイツ、スペインに勝つという奇跡的なことをやってのけたサッカー日本代表。その骨組みも筋肉もほぼ川崎フロンターレでできていることは前にも書いた。そのフロンターレのプロモーション部長天野春果氏の書いた本がかなり面白い。チームの強化などにはかかわらない。フロンターレという企業全体の中での、宣伝とか広報とかの部分だね。

 この人がなかなかだなと思ったのは、本の最初に、「観客」ではなく「来場者」と呼んでいることだ。ここからしてこの人の視点がどこにあるのかがわかる。

 天野氏は突飛とも言えるアイデアを次々と実現していくのであるが、その中でも、宇宙飛行士とのライブ交信をJリーグの舞台となるスタジアム(等々力競技場)で行うというイベントは困難を極めた。JAXAとの交渉とか大変みたいで。その前には南極とのライブ交信を実現しているのだが、はるかに困難な企画だったようだ。

 宇宙飛行士と言えば、今週は2名の日本人が選出されて話題となったな。1人は女性で最年少、1人は男性で最年長。とくに男性は46歳、フルマラソンを2時間45分で走るというので驚かされる。でも、天野氏の本を読んで知った宇宙飛行士のある「事実」への驚きとは比べようもない。

 イベント実現に向け紆余曲折、やっとの思いで交渉成立なるかと思ったとき、JAXA側が天野氏に言う。

「イベントの予定は土曜日か日曜日ですよね。でも、ISS(宇宙ステーション)で活動している飛行士は週休2日なんで、活動していませんけど・・・」

このときのことを天野氏はこう表現している。

「山の頂上に手をかけたと思ったら,いきなり崖崩れに巻き込まれた」

 これはショックだったろうな。まさかね。衝撃の事実とはまさにこのこと。週休二日制が宇宙にまで及んでいるとはね。宇宙飛行士にも適用されているとはね。でも、落ち着いて考えると当然かな。われわれはあまりにも特別な仕事と位置づけているのかもしれない。うーん、それにしても、思いも寄らないよな。

読んでいる僕も、この衝撃に思わず本を閉じてしまったほどだ。この続きを読んだのは2日後である。

 まあ、何だかんだと障害はありつつ、イベントは成功するんだけどね。

 こうした企画ものは当然面白いのだが、僕としては、震災後の陸前高田市との交流支援がいいと思うね。川崎と陸前高田、「何で陸前高田まで?」との疑問に「フロンターレのホームは川崎だが、Jリーグのホームは日本だ」と彼は考える。つねにより広い視野で物事を考えてるということだな。そして、人とのつながり、縁をものすごく大切にしているのがわかる。

 この人がサッカー協会の会長にでもなれば、日本のサッカーの今後も期待できるね。なでしこの川澄がこの間行われた国際試合を何で放映しないのかと文句を言ったのだが、たぶん協会は金にならないと踏んだんだろうね。なでしこはもう見捨てようと。せっかくブラジル、アメリカに善戦し、五輪優勝のカナダを粉砕したっていうのに。ちょっと気の毒。

最初に戻る