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芸術の初夏

 何だか最近活動的になっているような気がする。あまり自分らしくないのだが、あれから2年以上過ぎて、転移の懸念がだいぶ弱まったことが大きいのかも。しかも、人と一緒じゃないと美味いものや酒が飲めないので、そのためにはゴルフや旅行、遊びに出るしかないということもある。

 月曜は箱根に行った。目的は岡田美術館。若冲と田中一村展をやっているので、絶対に行かなきゃと思っていたのだが、寒い間は箱根には行きたくなかったのだ。でも、6月4日にこの企画は終わるのでこの辺を逃すとまずいと。で、若冲好きの友人を誘い、ロマンスカーで小田原へ行き、そこからレンタカーで箱根に向かう。

 ロマンスカーに乗ったのはたぶん40年以上前のことである。あのときは、大学の卒業記念旅行だったと思うのだが、車内サービスで酒があったので(もちろん有料)、ウィスキーをがぶがぶ飲み、箱根湯本に着いたときにはまだ朝だったのにけっこうベロベロだったな。今はあのサービスがないようである。

 友人は岡田美術館に入っているがポーラ美術館がないということで、そのふたつにいくことに。僕はポーラは20年ぶりくらいか。辺鄙なところにあるのに駐車場代を取ることにちょっと憤慨して、いい絵はあるけど以来行っていない。で、久しぶりに行ってみると、展示物がずいぶん違う感じ。覚えているのはルノワールの少女の絵、モネの睡蓮など、印象派の部屋だったが。一番インパクトのあったゴッホの線画がなかった。帰り際に聞くと、どうも今は倉庫にしまってあるようだった。残念。あれだけは観たかったのに。それから駐車場代は同じだった。

 次に岡田美術館。今度は僕は初めてで、友人は2回目。こちらは駐車場は無料だった。でも入館料が高いぞ。2800円だと。企画展は3階で、1階から順次観ていくのだが、ここは陶磁器。どうもこの美術館は陶磁器が主たる売りらしかった。

 で、もう度肝を抜かれる。入ってすぐに唐三彩の駱駝。割れや欠けや大きな傷もないでかい奴だ。陶磁器はあまりよく分からないけど、これくらいは僕にも分かる。こんなのが日本にあるのか? で、古墳時代から、7,8世紀の逸品がズラリ。みなどうしてこんなに欠陥がないの?と思うものばかり。

 伊万里,九谷など日本のもすごくて、何ていうか、ほとんどが国宝級みたいな感じである。

 でもねえ、あらかた見終わってから思ったのだが、これは本物なのだろうか?という疑念がわいた。と言うのも、古墳時代のものの中には、ときどき「どこそこの出土」と書いてあるのがある。しかし、そうやって出所を明記しているものは極めて少ないからである。うーん、あまりに見事すぎるものなあ。

 でも、ネットを調べると、この品々の真贋が問われた様子はない。うーん、でも腑に落ちんなあ。本物ならば、もっと出所が書かれていてもいいんじゃないの? 

 と思いながら、若冲と一村の企画フロアに。一村は奄美の美術館で初めて知り、すっかりファンになった。その画風は、時代も環境もまるで違うが、当然若冲を想起させる。だから、こういう企画は当然の成り行きである。

 しかし、点数がまるで少ない。これでは「詐欺」と思う人も多いのではないか。まあ、美術展ではよくあることだが、この内容で半年興行をうつなんてねえ。やっぱり、値段は高いし,この美術館は怪しいような気がする。

 ここの目玉として、ものすごいでかい「風神雷神」を足湯しながら眺めるというのがあるのだが、この足湯もただではないらしく、そこに足をつけるべく座ると、たちまち係員が来て何か飲み物を頼まなければいけないシステムとなっている。

 まあ、僕としては、本物だとしたらだが、渡辺崋山の絵と詩作が2点あったのが一番良かったかな。崋山は幕末期のほんとの知識人だなあと思っているからだ。で、帰りは小田原で、小田原と言えばアジのたたきとフライで一杯やり、ロマンスカーで帰った。天気は良かったし、まあ楽しかったなあ。

 帰宅して調べると、岡田美術館のオーナーはけっこう怪しい人物であることがわかった。パチスロなどの開発で巨額の財をなし、「日本のカジノ王」の異名あり、1999年度長者番付Ⅰ位、海外では逮捕歴もあるとのこと。まあ、湯水のごとく骨董品を買いあさったのだろうが、この人に真贋の区別がつくのかはやっぱり疑問だな。

 でも、展示物には「本物です」とも書いてないし、たとえ偽物でも詐欺とは言えないのかもしれない。「タイの刺身」を注文して、出てきたものが黒鯛の刺身であっても詐欺とはいえないのと同じではないか。などと、友人と話しあった。陶器系に見る目があればこんなに混迷することもないのかな。しかし、あの美術館にも2度と行かないかな。

 火曜の夜は、ブルーノート東京へ。何と急きょの話だがPUSHIMが出るというので、昨日箱根で一日中あったばかりの友人(音友)が予約を入れてくれたのだ。PUSHIMもブルーノート東京は初めてなんですと。まあ、あまり似合わないもんね。

 で、僕もブルーノート東京もずいぶん久しぶりだ。いつの間にか前とはちょっと離れた場所に引っ越しをしていて、広さも雰囲気も前とは違う。「コットンクラブに似ている」と言ったら、実は同系列なんですと。

 友人は、随分前にウェインショーターのライブに一緒に来たと言うので、それ以来だとわかった。そのときのエピソードがあって、その前週には、当時人気絶頂だったデビッド・サンボーンのライブに僕が付き合ったらしい。たしかにここで聴いたなあと思い出したが、僕はあまりサンボーンが好きではなかったのだった。

 しかし、チラシを見ると、次週にウェインショーターのライブがあり、ベースがジョン・パディドウッチだったので、僕は狂喜乱舞して友人に「来週も来よう!」と言ったらしい。思い返すと、そんなこともあったかなあという感じだが、当時世界一だと思ってたジョン・パディドゥッチを是非とも観たいと思ったのは間違いない。で、実際すごかったね。ウェインショーターにはもはやウェザーリポート時代の輝きはなく、ひたすらパディドゥッチのステージだった。後にも先にもこれ一回のことなのだが、演奏後に通路で待ち受け、パディドウッチに握手してもらった。”God hand”の称賛つきで。いったい、いつのことだったろうか?

 ああ、PUSHIMのほうはと言うと、急きょの出演だったせいか、バックコーラス以外はいつものバンドではなく、演奏的には精彩を欠いたな。ギターバンドだったのに,ギターがダメだった。曲目ももう一つだし、ビルボードライブにはかなり及ばない。まあしかし、本人はブルーノート東京への足がかりができたためか、わりとご機嫌だった。ブルーノート大阪ではトリ中のトリという存在らしいが、東京ではそうでもないからね。しかし、この日は急きょの出演にもかかわらず満席。本人はもちろん、ブルーノート東京側も「これならいける」と思ったことだろう。もう48歳になたらしいが、東京での人気はうなぎ登りのようだ。で、これからは、東京で年に2回は観られることになるかもしれない。でも、いつものバンドがいいなあ。

 というふうに遊んでいるが、これでもしばらくイベントはない。何とかしたいが。ああ、行く前に昔よくいった焼き鳥屋に行ったのだが、味は落ち,値段は上がっていた。残念。

 競馬のオークスはまたもや的中。リバティアイランドからハーパー相手で、人気薄のドゥーラが3着に入り、3連複でも万馬券。TVでパドックを観たら、体型的に2400Mに向いているのは断然ドゥーラだったので、これを買い足し、大成功。

 今週はダービー。オークスと違って苦手なレース。一応の本命は⑤ソールオリエンスだが、②スキルヴィング⑭ファントムシーフとの差はあまりないのでは? ⑱サトノグランツ⑫タスティエーラまで入れた3連複。馬場が悪くなると⑩シャザーンが面白い。⑤-⑭の2頭軸が本線。⑤から②⑫⑭⑱への3連複。この5頭のボックスも。 

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