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北の桜、映画、そして馬

 今日の東京は最高33度という予想だ。確かに暑いけれども、電車の中の冷えが怖いので長袖にジャケットを着ている。それに湿気がないからまあ大丈夫。昔、スペインに行ったとき、街中の気温計(マドリッドには各所にあった)は40度を指したが、日陰に入れば涼しかった。日本の暑さは湿度の問題だからな。

 しかし、当たり前のことだが北海道に比べれば暑い。先週は北海道に行ってて、日中も風が吹くと寒いし、夜は相当寒かった。五月の北海道はこれまでにも何回か行っているが、すばらしく爽やかである。今回はその爽やかさはちょっと越えてたかな。

 今回なんで北海道に行ったのかの理由は半年前くらいに遡る。BSの番組「新日本風土記」で日高地方の特集をやっていた。日高地方の海岸線は、苫小牧から襟裳岬に至る。以前は襟裳岬の手前の様似駅まで日高本線が通っていた。しかし、2015年の暴風雪による高波で甚大な被害を受け、日高本線は営業停止となってしまった。そして復旧を果たせないまま廃線となったのである。そもそも利用者はほとんど高校生という赤字路線でもあり、JR北海道には復旧費とその後の維持費を捻出するだけの余力も根拠もなかった。路線が残るのは苫小牧から鵡川(ししゃもで有名)までの30キロのみ。ここから先の街々にとって廃線は大きな痛手となった。

 そういう背景がありつつ、番組では浦河(駅)にある旧い映画館をフィーチャーしていた。「浦河大黒座」。大正7年創業、北海道にある最古の映画館、客席数48席、映画館の前は芝居小屋であったようだ。これが何とも風情のあってぜひこの映画館に行ってみたいと思ったのである。

 しかも、このあたりはサラブレッドのふるさとと言われるくらい牧場だらけである。牧場の見学もできる。まあしかし、これは自分だけの趣味に過ぎない。ということであれこれ調べると、浦河のちょっと手前の静内(駅)には、北海道でも一番の桜の名所があった。見頃は5月上旬とある。

 こうしたことを絡めれば、ゴルフ好きの友人も1日くらいは付き合ってくれるのではないかと考えた。そこで、連休は大混みするから避けて、連休後はどうかとプレゼンしたら、大いに賛成してくれた。リタイア組なので日程は問題ない。

 で、行くことになったのだが、ご承知のように今年は桜がものすごく早い。北海道も例外ではなく、われわれの日程の1週間前には散ってしまった。そして、これは僕のミスなのだが、映画館の休館日がこちらの予定とちょうど重なってしまった。せっかく日高まで行っても、映画はダメ、桜もダメ、残るは牧場しかない。すでに行く前からこれが分かってしまい、企画者の僕としては少し気が重い旅行となった。

 まあしかし、行ってしまえば楽しいもので、初日の夜に有名なスープカレーの店が苫小牧にもあり、ひじょうに美味かったのが嬉しかった。みなはスープカレーが初めてで疑心暗鬼のようだったがね。次の日は静内で寿司屋を見つけだが、これもなかなかだったし。失敗は翌日また苫小牧に戻ってジンギスカン屋に行ったのだが、これは最悪だったね。やっぱり自分が好きでもないところに行くのはよくない。

 今回もっとも印象に残ったのは静内の街だ。かつて賑わっていたであろうスナックやバーが立ち並ぶ一帯はまるでゴーストタウンのようで、ゾンビ映画に出てくるような感じだった。廃線になる前はきっと毎晩賑やかだったのだろうなと思うと切なかった。

 一方で、静内の駅は未だ綺麗で、ロータリーはバスの発着場になっているからか、バス待ちとおぼしき人も舎内にいて、多分そういう人のためにそば屋まで営業している。そして、このあたりは牧場を訪れる観光客が年々増えていたのだ。静内町ではそれを見越して立派な駅舎に建て替えたばかり。それがすぐに廃線となってしまったのだから虚しい。

 静内を離れ、苫小牧方面に戻る途中、すぐに新冠という街に入る。ここには「サラブレッド銀座」と呼ばれる道がある。約1キロの道の両側は延々と牧場ばかりなのである。僕からしたら夢のような道である。さっそくこの道を走るが、ほんとうに両サイドがずっと牧場である。牧場に放たれているのは母馬、雌馬がほとんど、そしてほとんどは親子である。中には生後Ⅰ週間くらいの子馬もいる。5月でこれだから、3月くらいに行けば、牧場中がお馬の親子であふれかえっているのではないか。

 その途中、優駿スタリオンというメジャーな牧場があって、そこに立ち寄ると、オグリキャップの像があり、墓もある。現役引退後はここに繋養されていたのである。オグリキャップはいまなおファンがいるので、お墓には花が手向けられていた。オグリキャップ以外にも何頭か有名な馬の墓もあり、ナリタブライアン、キングヘイロー、パシフィカス・・・それらを見て回るのは僕にとっては至福の時間でしたね。その様子を見て「菅野さんがあんなに速く歩くのを見たことがない」と言われたが、確かにあんなに心躍りながら歩いたことはないかもしれない。

 これで桜も見れて、映画も見れたらと思うが、それはまたいつか実現することにしよう。

 馬と言えば、今週はオークスだ。春のGⅠは桜花賞、皐月賞、ヴィクトリアマイルと3連単ゲット。天皇賞はタイトルホルダーがまさかの競走中止だし、NHKマイルは豪雨の中での競馬だったし、3レースで当ててるのはなかなかでは?全部いちおう万馬券だし。

 オークスは中心はリバティアイランドで不動だが、それ以外はドングリだな。桜花賞のリバティアイランドの勝ちっぷりは海外でも話題になったらしい。で、いちおう、ハーパーとゴールデンハインドを相手として、あとは幅広く3連複。穴はラヴェルかな。

 ああそうだ。苫小牧に「イコロの森」という植物庭園がある。僕らはカフェ休憩で立ち寄ったのだが、ここはなかなかいいところです。

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