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菅野所長のエッセイ:消えゆく人々

 今週も寒かったが、東京では週末の雪予報は外れたようだった。
木、金と出張したせいで、あまり仕事をした気にならないのだが、外の会社に触れて何だかいろんなことを考えた。そういうところからまたアイデアも湧いてくるのがいい。

 今夜はサッカーアジア予選の決勝、日韓戦があるので楽しみがある。それにしても、あのチームがよくオリンピック出場を決めたわけだが、これは一にも二にも手倉森監督の手腕であろう。私の友人に言わせると「弱者の戦い方」、まさにそれである。準決勝でのイラクは明らかに日本よりも強かったが、とにかく守備を固めて少ないチャンスを生かす、シュートなんて合計でも4,5本しか撃ってなかったんじゃないの? 
 かつてベガルタ仙台をJ1に上げ、あまつさえその後優勝にまで導いた手倉森、弱いチームがどうすれば勝てるのかをよく知っている。何でも、今や世界的にも手倉森の手腕は注目されているらしい。
 まあ、サッカーとしての面白みはないのだがね。それでもこのチームは見ていて好感が持てるから不思議だ。僕にいわせると、これもまたいいサッカーなのである。GKを除くが、招集したフィールドプレイヤーの全員を起用することといい、日本のあらゆる組織の上層部は手倉森に学ぶほうがいい。日本がもともと持っていた「弱者の戦い方」がここにあるのだ。
 でも韓国には勝てるかどうか微妙だ。何しろ、力からいったら、今回上から5番目くらいだからな。でも、南野と一緒に韓国の強力FWもザルツブルグに戻るので韓国は戦力ダウンだ。南野を欠く日本よりも向こうの方が痛い。
 ところで、U-23を熱心に見る目的はもうひとつあって、それはFWの鈴木武蔵なのだ。将来彼がA代表に入ることはちょっと無理だと思うのだが、もしセンターバックに転向するのなら大ありと考えているからである。吉田、槙野じゃどうにもならないからな、武蔵君、そういうことを考えてはくれまいかとひそかに思っているのである。

 プレミアでやや苦戦しているレスターの岡崎だが、先日観ていたら、僕が見始めて5分の間に、2回相手をつぶしてマイボールとしていた。あいかわらずディフェンスもがんばる。しかし、しばらくたって右足負傷による交代である。このとき、ホームのサポーターたちの多くがスタンディング、そして惜しみない拍手なのである。この日点を取ってるわけでもなく、そもそも出場機会も少ないのに、ひじょうに評価されているんだなあと感じた。決して岡崎に向いているリーグとは思えないが、そんな中で立派に戦っているなあと感銘を受けたのだった。

 ひるがえって国内を見ると、やはり逃げようもなかった甘利が辞任。未練タラタラという感じだったがね。しかし、あきれるね。お前みたいなのが「矜持」なんて言葉を使うんじゃないよ。大臣辞任だけで済むと思っているからかな、検察はもう踏み込む気がないのか?
 罠にはめられた、などと言っていた高村とか山東とかも、あれくらいのことは自分もしてるからと告白しているようなものだな。マスコミの追求も手ぬるい感じもするし、どうも世間全般もそんな感じ。一昔前なら「ああいうことは絶対に許せん!」となってたような気がする。近年どうも人心が汚れているのではないか、「白川の清き流れ」とまではいかなくても、みんなもう少しほんとうの「矜持」というものがあったんじゃないか。
 ま、しかし、一方では甘利の小物感というものが手伝っているのかもしれないとも思った。もっと大物だったらみんな厳しいのかもね。そこから類推するに、ベッキーがすっかり表舞台から消え去ったのと共通しているのかも。消えてみるとわかるが、ベッキーが消えたところで何ら影響があるわけでもない。料理に添えられたパセリのようなものだったことがよくわかる。安倍政権にはちょっと痛いのかもしれないが、世の中一般では甘利とベッキーはほぼ同じウェイトといったところか。

 「矜持」ということでは、フランスの法相が政府の政策に反対して自ら辞任した。同じ辞任でもこうも違うのだ。
あいかわらずこういうことには口うるさいなあ。自分でも少し嫌になるのだが。

 

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