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敗戦の弁

 擬似的な面接の練習をしてみると、自分で予想していたよりもできるなとは思う。嬉しい誤算というか。

 一方ではこれも予想さえしていなかったことだが、そのダメージみたいなものが大きい。それくらいのことで何でと思われるかもしれないが、そこが長い間のブランクというものだろう。それと、前から言っているが、ただ声を出すことと相手がいての対話は、質的に大きな隔たりがあるということだ。

 先週の木曜、時間にしたら20分くらいの疑似面接を3回やってみたところ、けっこう上出来だったので、予想以上にリハビリも早く終わるのではないかと思ったが、次の日の朝にはこれまでにない量の痰が発生し、新しく開通させたほうのチューブを詰まらせていた。こちらが詰まっても呼吸には影響ないのだが、ひどく詰まると声はまったく出なくなる。ただ、この日は手術後初めて、それ以前と同じように夜遅くまで職場に残ることにしたので、その影響もあったのかもしれない。

 7月の手術以降、朝はだいたい詰まっているので、これを専用のブラシで掃除するのが日課なのだが、1日の中で一番声が出しやすいのが、朝の掃除の後だ。当初医者は「1日3回くらい」の掃除と言っていたが、僕のような仕事の場合では、会話の強度ともいうべきものが一般とはだいぶ違う。ただ家で過ごす分には1日3回でかまわないけど、面接をするとなるとそのたびに必須だろうし、現時点では間隔を空けないといけないなと。

 まあしかし、慣れれば事態は改善するだろう、練習あるのみと火曜にもまた3回の疑似面接。今度もうまくできたかなと。そしてやはり遅くまで職場に残った。それもリハビリの一環。でも、その帰り、痰がかなり発生し、最初の気管孔のほうも詰まり呼吸が苦しくなった。こんなふうに呼吸が苦しくなったのは最初の手術後の数ヶ月以来で、ちょっとびっくり。ただ、この日は、そんなに暑くもない日で、しかし、電車内の冷房がかわらずきつい日だった。ある程度予想して長袖を着ていたがそれでも閉口する寒さだった。

 練習で喉がへたったのと、この寒さが重なったのか、次の日は微熱が出て一日中寝ていた。時節柄コロナかと心配したがそうでもなさそうでよかったが。僕の場合、エアロゾル感染にかんしてはほぼ心配がないけど、万が一感染するとウィルスが肺に直接行ってしまうのでひじょうに危険なのだ。

 とにかく、無声の生活が1年半ということが、現状にどう影響するものなのかがまるでわからない。コロナのこともあり、リハビリは慎重にやってきたつもりだが、ここに至ってもあまり調子に乗ってはいけないようだ。どこかに出かける、ゴルフをする、バイクを漕ぐ、声を出すとかも大事だが、それらと実際の仕事や生活に即していくこととは質的に違うのだなと思い知らされたね。

 で、今週は(早くも)一敗地にまみれたと。でも、来週はまたがんばらないと。前よりもずっと話せるようになっていることは確かだし。

 あとこの時期は、電車の乗るときには上着を用意しておくことも大事だね。

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