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怖さの理由

 台湾で大きな地震があった。台湾は、正月に能登地震があったときもすぐさまに義援を表明してくれた国である。国としても国民としても援助していかないとね。とはいっても、時間の経過とともに忘れがちになるが、能登のほうでもあいかわらず仮設住宅の設置がままならないということで、こちらもまだ全然終わってないことをしっかり認識しないといけないな。幸いなのは、多少気候が春めいてきたことだけど。

 ほんとに今年は桜が遅い。家の前の公園の桜もまだ満開ではない。東京は今週の末か。ここ数日に日本にやって来た観光客はかなりラッキーだな。僕自身も近々「天下第一」とされる高遠の桜を観に行く予定なのだが、この調子だと満開前の5分から7分咲きかもしれない。それでもラッキーだ。何しろ去年は北海道で日高の桜を観るつもりだったが、すでに散ってたからね。

 アメリカではハリウッド製の「ゴジラ対コング」の映画が封切られ、すごい人気だそうだが、一方で「ゴジラー1.0」の動員数もなかなか落ちないのだそうだ。もう半年経っているんだからすごいものである。僕自身は映画の面白さという点では「シン・ゴジラ」のほうが上ではないかと言ったが、どちらのゴジラが怖いかと言ったら、それは「ゴジラ-1.0」のほうが断然怖い。世間の評価も、ゴジラ映画史上最も怖いとされている。

 なんで怖いのか? 

 ゴジラ映画の快楽とは、ゴジラが東京などの都市を無慈悲に破壊していくところにある。しかし、今回の東京は、敗戦後で、大空襲の後も生々しい。銀座などにビルは残るものの、人々はボロボロの小屋で貧しさに耐え必死に生きている状況である。そこをゴジラが蹂躙する。日本人としては、もうこれ以上は壊さないでくれと思うのが人情ではあるまいか。しかも、この映画では、かつてなく登場人物たちの生き様や感情にフォーカスが当たっているのである。映画の観客もまたかつてなく登場人物たちに感情移入しているわけである。

 だからこのゴジラは怖いのだ。ゴジラが壊そうとしているものが、自分にとってとても大切なものであること、ゴジラが上陸する前に、観客の心にその大切さが根を下ろしているわけである。

 これまでのゴジラはこうした怖さを持っていなかった。「また熱海城が壊されるぜ」「また東京タワーが」「新宿高層ビル街が」と、それらは、ただのランドマーク、ただの象徴でしかなく、その中で生きている人間は描かれてこなかった。しかし、時代的に「-1,0」にはそうしたシンボル的な建築物も一切ないのである。

 これは第一作の「ゴジラ」(1954)に程近い。山崎監督が過去の作品を見直し、最も評価したのは第一作ではないだろうか。そのオマージュでもあるから、「-1.0」もモノクロバージョンを上映しようと考えたのではないだろうか。

 ということで、斬新さという点で「シン・ゴジラ」が面白いと評した僕であるが、何だかんだ言って「-1.0」についてこれだけ語ってるんだから、こっちの方が心を動かされていることは間違いないようである。

 

 で、ゴジラやジブリだけでなく、世界にまたまた日本ブームを呼び起こしそうなのがドラマ「SHOGUN 将軍」(ディズニー+)であろう。真田広之主演&プロデュース、全10回のドラマは世界で話題沸騰。僕はまだちゃんと観てないけど、ダイジェストだけでも十分そのすごさが伝わる。これについてはまた話したいことがあるのだが、とりあえず今週はここまでとして、アメリカで大変な苦労を重ねてきたであろう真田広之の大成功を讃えたいと思う。

 今週の競馬。いよいよクラシック第一弾桜花賞。本命は⑨アスコリピチェーノ、相手は⑫ステレンボッシュを筆頭に、②クィーンズウオーク⑦スウィーブフィート⑱チェルヴィニアの4頭。⑨からの三連単マルチ。

 そういえば昔「ショーグン」という馬がいたなあ。

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