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寄ってたかって守れ

 チューブをきれいに掃除できれば、声が出しやすくなる。それはわかっているのだが、食道から気道につながったこのチューブは、気管孔内の出口で角度的に下を向いている。しかも、決して太くはないので、掃除用のブラシを挿入するのがとても難しい。診察のときには医師が吸引器でやってくれるので、簡単。すぐに声が出やすくなる。

 しかし、退院したらこの貧弱な道具を使って自力でやらねばならない。だから掃除も大事な練習の一環である。で、これをうまくやるために売店で手鏡を買ったが、今度は部屋の明るさが足りない。結局トイレの大鏡の前でやるほうがうまくいく。でも、ネットでペン型のライトを調べたので、退院したらライトと手鏡の合わせ技を試してみようと思っている。

 いまはしかたないので、人のいない廊下の端や踊り場でこそこそと発声練習をするのだが、さっきの手応えでは、手術後の2日目の午前のレベルに達したかなという感じだ。それでも今日の午前や昨日よりもマシだな。ちょっとでも進歩したり、声が出たりするのは楽しい。そんなふうにちょっとは思えるようになってよかった。道は遠く、険しそうだけどね。やはり何もないところから尺八を学ぶような難事に思える。

 今日のニュースで、山手線の駅員と線路に財布を落としたと言う乗客の動画がある。鉄道の駅員があれほど激昂するのは珍しいなあと思ったが、僕が思うにはこれはユーチューバーの所業だろうなということだ。たぶんだが、財布も自分で落とした可能性がある。ほぼそう推測できたから、駅員もああいう態度になったのではないか。・

 で、一般の声はどうかというと、ほとんどが乗客批判だ。お客様に対してあれほど罵っているにもかかわらず、である。ほう、こうした情報に対するリテラシーがちゃんとしてるなと好感が持てる。

 この背景には、日本の鉄道に対する深いリスペクト、信頼ががあるよね。それは外国、とりわけ南半球、ラテンの国に行けばよくわかることだ。そうした信頼は大事だな。今回もあれだけ激昂するんだからよほどのことをあいつがしたんだろうという解釈が多い。いいねえ、ちょっとした罰は受けるのかもしれないが、一番大事なのは彼らの尊厳を守ることだ。上司たちの仕事でもあるが。

 そうした信頼がないと自分に非がなくても非があると思われる。僕なんかイメージ悪いからね。菅野ならそういうことするんじゃないかとか思われる。ほんとに気をつけないといけないところだが、まあ今は言葉を取り戻すことが喫緊であって、他のことは二の次だな。明日も練習がんばる。

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