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奇跡の理由

 今年は女子サッカーのW杯がある。先日、日本対デンマークの親善試合を観たのだが、ランク18位のデンマークに対してチャンスらしいチャンスもつくれないのだから情けない。0-1の負け。

 とはいっても、日本のランクも11位だからそんなものか。去年の秋から、カナダとポルトガルに勝っただけだな。カナダは格上だが、ポルトガルは21位だ。こりゃ本番はもっと厳しいか。ああいう試合ぶりを観ていると、女子サッカーの人気が減衰したのもいたしかたないと思える。

現状は打つ手なしのようだ。

 一方、女子ゴルフはあいかわらず日本人選手が活躍。去年までどうにもヘンテコなスウィングを取り入れ、それに固執していた渋野日向子だが、最近コーチを変えて、やっと当たり前のスウィングになってきた。今日のハワイでの試合初日では、首位と1打差のスタートである。よかったよかった。やっと新興宗教から脱会できたなという感じである。

 スポーツでは日本から海外に移るといろいろと「壁」のようなものがある。典型的なのは身体の強さ、パワーの違いを見せつけられることだ。このときに衝撃を受けすぎると、渋野のように自分を見失ってしまうこともある。そうなると自分を変えなきゃと思ってしまうのである。その決断が拙速だったのと、間違ったコーチを選んだのがこの数年の悲劇だった。

 一方で、身長150センチほどの古江などは、アメリカで圧倒的な飛距離の差を見せつけられてもなお、私には私のゴルフがあると開き直り、その結果去年のルーキーイヤーに堂々たる初勝利。渋野にこれくらいのメンタリティがあれば、アメリカでもとうに3勝はしていると僕は思っている。それくらいポテンシャルはすごいのだ。

 そもそも「自分を変えなきゃ」と思う時点で、それはすでに敗者のメンタリティなのかもしれない。そう思うならそこは自分の住む世界ではないのだから、もとの世界にいればいいだけのことである。WBCで大谷が「憧れを捨てましょう」という檄を飛ばしたことの意味もここにある。

 もちろん、それでも人は変わる。しかし、それは変わらなければならないから変わるのであって、ごく自然の習わしなのである。強制的な、あるいは人工的な変革だからこそ、渋野のスウィングはグロテスクだったとも言えよう。

 とにかく自分に合うことをしなければいけないよな。僕なんかは、去年評判のドラーバーを買ったのだが、一年近くなって、ようやくちょっと打てるようになった。僕は、どんなクラブも何とか打ちこなす器用な奴なんだけどね。これには参った。評判最高だろうが、値段が高かろうが、自分に合わないものはダメなんだよね。

 で、渋野は岡山県出身なのだが、岡山県北東部には「奇跡のまち」と呼ばれるところがある。それが奈義町。少子化社会にあって出生率が急上昇した町である。2019年、全国平均1.36のところ奈義町は2.95という驚異的な数字を示した。海外の視察多数、先日は岸田首相も視察に訪れている。

 国の少子化対策はもう30年以上になるわけだがいっこうに実を結ばない。つまりは愚策しか打てなかったか、本気ではなかったということだろうか。当然どちらもであろうがね。

 奈義町では2005年の出生率は1.41。人口6000人、高齢化が進む町にあって、当時の試算ではこのままでは町がなくなるという危機感があったという。つまり真剣に少子化対策、子育て支援をやらないといけないと。きっと国とは危機感が違うよね。リアルだ。奈義町の場合、出生率2.30をキープすれば、30年後の人口は5000人という試算があるらしい。

 どの行政でも支援のやり方、施策は同じようなものだと思うのだが、たぶんコミュニティ全体の雰囲気,意識までもつくれるかどうかが鍵じゃないのかね。前にもここで書いたが、高齢者や障害者にとって駅にエレベーターがあるのは便利だが、一方で、そうした弱者を周りの人がサポートするような意識は弱化するんではないか。つまりお金をかけるだけでは足りないということだ。奈義町の子どもを預ける施設では、老人もボランティアとして子どもの面倒をみるというシステムもあると聞いた。こういうのがいいよね。

 とはいえ、奈義町では、議行政行政職員の数を減らすなどして財源を確保したということを知ると、この施策には反対意見もけっこうあったのではないかと僕は思った。てなことを心配していたら、現在の町長にはパワハラ疑惑が持ち上がっているらしいし。いろいろあるんだな。

 ま、小さな町のことが国の参考になるかどうかは何とも言えない。規模が違うだけで、施策は誰でも思いつくものだし。それよりもコミュニティの意識をひとつの方向に持っていけるかどうかは、当然大きな組織のほうが難しいよね。たとえば、シンガポールには”コミュニティキャット”という言葉、概念があって、野良猫をみなで世話をするという暗黙の了解があるらしい。日本でも子どもは社会の宝というような意識がより高まればいいのかなとも思う。かつてはそういう意識があったと思うよ。

 さて、桜花賞はハラハラの展開だったが、やはりリバティアイランドの勝利。お見事。いちおう3連単などを薄く取った。今週は皐月賞。まだあまり真剣に検討してないんだよねえ。危機感がない?

本命は⑦ファントムシーフ。相手は①ソールオリエンス⑤フリームファクシ⑧トップナイフ⑭タスティエーラ⑮ベラジオオペラの5頭。

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