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10年の計

 コロナによってガクッと落ち込んでいた外国人観光客数が、最盛期の7割に戻っているらしい。残りの3割は中国から団体旅行がない分だろうが、それが戻る頃には、たぶん過去最高のインバウンドになるだろうな。そういうこともあって、またぞろIR誘致の話が盛り上がりつつあるようだ。とくに大阪で。

 でもやめといたほうがいいと思うぞ。たとえば、JRAが超優良なギャンブル組織であるのは、ネット購入もできるからであって、だから長い間の無人開催でも売り上げはさほどダウンしなかった。カジノはわざわざ中心部から離れた場所まで行かなければならない。前時代的なコンテンツだよね。

 しかも、IRが構想されたときっていうのは、日本の売りがどこにあるのか、よくはわかっていない頃ではないのか。今現在、日本は世界で一番人気ある国なんだし、ギャンブルの魅力を追加する必要は全くない。外国人にウケているのは、テクノロジーに包まれてなお消えない日本独自の歴史、文化、食、そして人の心である。YouTube観てるとよくわかるんだ、これが。

 つまりカジノは必要ないのである。それでもやろうというのは、そこに巨大な利権が絡んでいるからに他ならないわけで、このアベ政権時代の負債を何とかしないとね。

 岸田首相は何もしない人というレッテルを貼られているわけだが、何もしないことが怨嗟の対象となることも学習しただろうか。

 他にもいろいろあるのだが、喫緊の問題としては、このIR計画を中止したらどうか。

 国際的には、日韓関係を正常化しようと試みているユン大統領の支持率を上げるよう、日本としての戦略を実行すべきだろう。これも喫緊だ。だって大統領が替われば、すべては水の泡になる。約束はすべて破棄され、前に戻る。それが韓国という国だということは十分分かっているだろうに。

 何事もそうだが、すぐにやったほうがいい問題と、時間がかかる問題とがある。たとえば首相は「異次元の」という形容詞をつけて少子化を論じるが、そのような言い回しには、即効性への期待が込められているはずだ。しかし、岡山県奈義町の例が示すように、こうした問題は10年、20年の大計が求められるのだ。

 以前、ここでも書いたが、1980年代、世界に大きく後れをとった日本の体操が、後々に内村航平などのメダリストを輩出し復権した背景には、10年、20年後を想定して練られた改革案、強化策があった。2004年、日本は五輪でメダルを獲ったわけだが、体操種目でのメダルはまさに20年ぶりだった。そのときに、その背景を知り、あえて雌伏していた体操協会のスタッフに感動を覚えたものだ。

 で、子どもたちに何を教えるかについて、体操協会が指針を出す。それは高度な技、技術の習得ではなく、「つま先までまっすぐ伸びた美しい姿勢」をつねに保つことだというのである。技術、アクロバティックさでは、たとえば中国にはかなわない。高難度な技が席巻する世界で日本が戦うには、何よりもまずは「美しい体操」を習得することだと。それは言い方を変えれば、基本を徹底的にやり、それを極めるということだ。正しいと思うなあ。僕も自分の本の中で強調していることだ。このとき即効性を求めるならば、高難度な技(つまり異次元)を習得することだろう。しかし、協会はあくまで10年後、20年後の大計を考えた。それが20年ぶりのメダルとして結実し、その数年後には内村航平という不世出の選手を生んだのである。

 元日銀総裁もそうだったが、「異次元」なんて言葉で飾ってもダメだよね。即効性を追求していると、愚策が循環するばかりということがある。今必要なのは、政権が変わろうとも不変であるような、挙党一致ででつくる対策ではないのか。そういう政策なら協力できるでしょ。少子化の問題で協力しなけりゃ国民から反感を買うよね。 何が大事で大事じゃないのかはそういうところからも判断できるんじゃないのか。たとえば、防衛にかんしては与野党で協力なんかできそうにないものね。大事だけど、少子化のような大事さとは違う。

 自分にかんしては、何というか、最近連載がすべて終了してしまったので、楽しみがなくなった感が強いね。そうしたら、昨日久しぶりに原稿依頼があったのでちょっと嬉しい。まだ内容のイメージがわかないんだけど、やっぱり承諾の返事を送ってみるか。それにしても、今後は、こうした単発の原稿依頼しかなくなるんだなあ。

 もはや楽しみはゴルフくらいだな。ゴルフを一緒にやってくれる友人たちに感謝。ほんとにありがたい。というわけで、春先に付き合ってくれた友人たちにはお礼の品を贈った。中身はジュース。リンゴジュースがほとんどだが、タンカンジュースもある。リンゴジュースの探索はまだ続いていて、最近、ブレンドではあるが紅玉が30%というのを見つけた。そのうちコーヒー豆みたいに、自分でブレンドしてみようかな。それで究極のブレンドジュースをつくると。こんなこと暇じゃないと考えないし、できないね。

 さて、先週の皐月賞も3連単を的中。桜花賞、皐月賞と連続というのは珍しいかも。大儲けというわけではないのだがね。

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