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夢の続き

 ブライトン三苫薫の進撃が止まらない。先週美しいミドルシュートを決めたと思ったら、今週は空中でのダブルタッチからのゴール。世界が熱狂、驚愕だ。

 この三苫、高校卒業時、川崎のU-18からトップチームに昇格も約束されていたのだが、筑波大学に進学。サッカー部で活躍。そしてフロンターレに戻る。

 卒論タイトルは「1対1場面における攻撃側の情報処理」。超一流選手には珍しいインテリジェンスである。たぶん、選手生活後、指導者になること、日本サッカーを背負っていくことなどを視野に入れているのだろうと推測している。日本のサッカーの中枢を担うためには、筑波か早稲田じゃないとダメなんでね。この日本的な学閥政治はいかんともしがたく、例の利権も絡んでいるために、いくら世界的な選手になろうとも、日本のサッカーに貢献していようとも、そこには入り込めない。古くは、金田、木村がそうだった。そして中田ヒデしかり、あるいは55歳にしてなお現役にこだわり、ポルトガル2部に移籍するキング・カズもしかりだ。カズが引退しないのは、花道がないことも多少は影響してると僕は思うね。

 それはさておき三苫である。この選手がW杯では試合の半分しか出られなかったのだから、監督の眼力のなさに改めて呆れるしかない。もう留任が決まったのでしかたないが、なおもウジウジと言っておきたい。

 今回のカタールW杯では、元も含め、計8人のフロンターレ川崎の選手が招集された。三苫、田中碧、守田、谷口、川島、板倉、山根、そして本番ではなぜか外れたが、スコットランドで大活躍の旗手だ。ちなみにシュミット・ダニエルもちょっと在籍、久保もジュニア時代は川崎だ。

 つまり、今回の代表はフロンターレ・ジャパンと言っても差し支えないのであった。お互いをよく知っている選手が多かったことが、強さの要因であったことは間違いない。これは世界的に珍しいことではなく、ドイツ代表はバイエルン、スペインはバルサ、クロアチアはザグレブと、自国のレベルが高い国では、そこの強豪が中心メンバーとなるのは常識だ。

 日本ではJリーグ創生期にヴェルディ読売中心というのがあったが、それ以降はまったくない。つまり、ずっと戦国時代という感じではある。そんな中、三苫たちがほぼ全員川崎に在籍していた数年前、川崎は無敵も無敵だった。そんなすごいチームを作り上げたのが風間前監督、それを継いだ鬼木現監督である。だから、代表監督も、日本人で選ぶなら当然風間か鬼木がなるべきであろうと僕は思った。何しろフロンターレ・ジャパンなんだから。とくに風間は筑波出身なので可能性があると思ったけど、同窓である会長の田嶋とはソリが合わないのだろうか。まあおそらく協会側からすればイエスマンではないのだろうなとは思う。それよりは、W杯で勝てるかよりも、忠犬森保のほうが自分たちにはメリットが大きいという判断があったのだろう。

 まあこういう利権の構造はどこの世界でもあることだけど、三苫たちの活躍によって、意識が変わっていくことを祈るばかりだ。だってこんな選手が4,5人もいれば、ベスト8どころか、世界を制することだって夢ではなくなるんだからね。

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