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声が軽い

 先週は、関西のほうにいっていろんな人と話をしたおかげで一気に会話力が伸びてしまった。朝から晩まで人といたので、強制的なトレーニングになったなあ。でも喋りすぎではあるので、翌朝は全く声が出ないので焦る。チューブの掃除を何度もやることで少しずつ声が出るようになり、時間の経過とともに調子が良くなると。

 で、調子に乗って、さっさと帰ればいいのに、飲み会にギリギリまで参加しようと、最終の新幹線に乗ることにした。新神戸から。そしたら、「あとグリーンの一席しか残ってません」ですと。台風の影響で大変なことになっていたのだ。次の日には帰れそうもないので、それをゲットできてよかった。東京に着いたのは0時過ぎ。さすがに疲れたけど。

 台風の影響でいろんなライブも中止になる中、矢沢のライブは強行された。これがけっこう非難囂々のようだが、いいんじゃないのかねえ。それくらい。来ない人には返金すると言うし。そりゃ帰れなくなるとか、暴風雨に遭ったら危険だとか、理由はあるんだろうが。その理屈で言うと、岸和田のだんじりは危険だからやめましょう、諏訪の御柱祭りもそうですねとなってしまう。ああいう祭りって言うのは、昔から死人が出るくらいだから非日常的な神事たりえるわけで、音楽ライブだってほんのちょっとはそういうところはあるわけよ。ま、僕はそういうのは行きませんがね。

 で、チューブが劣化すると声が出にくくなるし、ときに飲み物が気道に漏れてくることもある。今日はこのシリコンチューブの交換となった。初めての交換なので、医師もちょっと苦戦。出血も見たが、何とか成功。交換後に声を出してみると、「声が軽い」。ピッチャーなら「肩が軽い」、ランナーなら「足が軽い」というように、「声が軽い」のである。歌手だと今日は「声の調子がいい」となるだろうがね。

 シャント発声というのは、気管孔を塞いで、肺からの空気をシリコンチューブと弁を通して食道に送り、喉孔を震動させるという仕組みではないかと思う。だから、このチューブが詰まっていると声が出なくなるわけだ。当然、新品のときがいちばん良い。初めて装着したときはまだ声の出し方がわかってなかったからな。今はだいぶ上達したので、チューブの状態次第という感じになっている。

 病院では、診察後の受付で「名前と生年月日をお願いします」と毎回言われる。僕はいつもジェスチャーでダメダメポーズをして受付を恐縮させていたのだが、今日は自力で答えることができた。通院するようになって初めて。すごい。画期的。

 この調子なら、電話で連絡なんてこともできるんじゃないかと、高望みなことを考えてしまうのだった。まあ、知り合いじゃないと無理かな。そういえば、今回、そろそろ集合の時間だと同宿の友人に電話をかけた。もちろん、電話をしたのは術後初めてのことだ。

 

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