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それ以前の問題

 ジャニーズ事務所の会見を観てみると、井ノ原快彦の応答に若干救われるものがあるけれども、全体的には何とも嫌な感じが残った。そもそも「ジャニーズ事務所」の名をそのまま残すところがねえ、世間を舐めてるというか、問題意識の低さを感じさせる。会社株も喜多川家の100%持ち株だし、東山紀之を傀儡として今後も運営しようという意思があるのだろう。しかし、東山は、明らかに「よく知らない」と誤魔化している感じであり、自身のセクハラも疑われておりで、決して適切な人選ではなかったようだ。

 これに対して、イノッチはやはりなかなかである。かつて、ワイドショーのMCをやっていた頃、番組中に、有働由美子に対するモラハラを取り上げて、彼女の名誉を守ろうとしたことがあった。あの頃からこいつは他のジャニーズ,そこらの芸能人とは違うなと感心していたのだった。今回のような危機にあって彼のような人材を頼るのはよくわかるが、彼のリベラルさを他の役員は快く思わないだろう。たとえば、彼は今後できる限りの賠償責任を果たすべきだと考えるだろうが、会社経営を優先する人間はそれを疎ましく思うだろう。結局、対マスコミ、対世間への緩衝材として利用されるだけではないかと懸念している。

 

 しかし、国連が動かなければこのような実態も明らかにはされなかったのではないかと思うと、空恐ろしくもある。同族企業とか、ごく少数の人間が権力を握っているような組織は、自浄されないような仕組みになっているとも言える。こうした組織が変わるためには外圧しかないのだ。たとえば、日本がそうであったように、戦争で負けることは最大の外圧となり、国の根本が変わる。

 今現在はジャニーズ事務所にライトが当てられているが、ビッグモーター、日大も同じような組織であることがわかる。Ⅰヶ月ほど前、日大は「ひとりの部員の犯罪」として事件を処理しようとしてアメフト部の禁止処分を解除したが、その翌日に関東アメフト連盟は日大に大会出場停止処分を下している。その理由を「連帯責任とかいう以前の問題。事件に対する日大の解明努力に不信を覚える」と述べている。はたして、そのすぐ後に、複数の関与者がいたことが判明している。まあ、僕は、林真理子が理事長に就任したときから、何の期待もしていなかったんだけどね。あれから、1ミリも変わっていないようだ。

 ビッグモーターについては、昨日損保ジャパンの社長が辞職したが、互いに甘い汁を吸っていた事実から逃げられないと観念したんだろう。あまりに見え見えなんでさすがに金融庁も見過ごせないと。

 それにしても、日本の経済が不況となって長いけれども、さまざまな経済政策を打つ以前の問題として、こういう企業が存在すること、そしてまたその利権を吸う他の上位組織があるという構造が根本の問題なんじゃないかと、そっちを考えないとね。TCCを始めてから、ずっと言い続けてきたことなんだけど。

 処理水の問題にしても、中国の言ってることはほんとにメチャクチャなんだが、そもそも地震がこうも多発する日本に原発を置くことがこうも面倒な事態をも引き寄せるということだよね。すべては「それ以前の」問題ではないかということを考えないといけないのではないか。

 しかし、事はどのようなエネルギーがいいかというだけではない。風力発電の会社からの受託収賄容疑で国会議員が逮捕された。6000万。こいつはその金で競争馬を買ったようだ。原発だろうが風力だろうが、すべてに利権、利欲が絡んでくるわけで、人間社会においてはこうしたことは決してなくならないのかと軽く絶望もするが、たぶんわれわれはまだ知恵が足りないのかもしれない。

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