先週書き散らした中のひとつ、映画「ゴジラ-1.0」がオスカー受賞となった。ジブリ作品「君たちはどう生きるか」も受賞するしで、日本映画の健闘が光る。2年前の「ドライブマイカー」といい、邦画もようやくまともになってきたのか。
でも、アカデミーなんかよりはるかに感銘を受けたのが、鳥山明の訃報に対する全世界からの追悼である。かつてここまでその死を悲しまれた日本人はいただろうか。何というか、ただのカルチャーを越えてるんだね。ここまでのことだとは僕も思っていなかったなあ。
とくに驚いたのは、スペインでの評価である。鳥山明のアニメ放送によって、カタルーニャ語やバスク語を消滅から救ったとのことである。かつてのフランコ政権では自治州の公用語であったそれらの言葉は厳しく弾圧され、消滅の危機にあった。しかし、「ドラゴンボール」の放映でそれらの言葉が使われ、多くの子どもたちが学習し、再び公用語として広まったという。スペイン人が苦しんでいた自国の難題を日本の漫画家が見事に解決してくれたわけである。その記事では鳥山明を「偉人」と讃え、深い感謝を表している。昔、和歌山沖でトルコ船の救助に当たった出来事のように、今後鳥山明はスペインの歴史教科書に載るようになるのかもしれない。
しかし、こんなことにまで影響を与えているとは思わなかったなあ。とくに鳥山作品というのは徹底的に娯楽作品だし。メッセージ性などほぼ皆無だ。そこが「ワンピース」の尾田栄一郎とはかなり違う。
それにしても、スペインではいまだにフランコ政権の負の影があるんだなあと感じる。スペイン映画などを観るとそれは少し分かるのだが。それだけこの国は民族事情が難しいんだね。それはサッカーでもわかるんだけど。
日本のアニメ、漫画はほんとにすごいな。鳥山明、宮崎駿、尾田栄一郎、この3人だけでもどれほどの国益を生み、日本の評判を上げているだろうか。この3人は栄誉賞、国葬ものでは?
要するに政治家以外、日本人はほんとにがんばってるということだ。訪日外国人に対するおもてなしや親切は外交の大きな一助となっていることだろう。この何十年かの日本の停滞の因を求めるとすれば、政治以外にあるのだろうか。だって赤字は確定、負の遺産づくりをするであろう万博を強行する知事、政府とか、被災者を放ってそれに金を出す知事、県議会とかねえ。
北陸といえば、今週か、北陸新幹線の延伸で敦賀が終着駅になるな。最近僕が好きなのが「居酒屋新幹線」という番組である。たぶんテレ東の深夜にやってるんじゃないかと思うが、僕はケーブルで知った。
出張で出かけたサラリーマンが帰りの新幹線の中で、一杯やるという話。JR東日本とタイアップしているらしく、東北新幹線や北陸、関越に限られるが、各地方の名産のつまみ、酒、食べ物を楽しむというものである。以前から「孤独のグルメ」は人気だけど、酒飲みとしては「居酒屋」のほうが好きである。実際にはああいう真似は、新幹線車内ではできないと思うが。
で、番組中に出てくるつまみや食べ物で、気になるものがあるとネットで購入してみる。これも楽しみなのだが、残念なことにこれの当たりが来ない。「安保柿のミルフィーユ」とかすごく期待したんだけどねえ。でも先日の「富山編」では僕たちが行った場所が映ったりしてそれもすごく楽しかった。ぜひ、JR東海や西日本、そして九州ともタイアップしてもらいたいものである。
ああ、テレビの番組でいえばBSの「トロットガールズジャパン」はすごく面白い。「アメリカンアイドル」亡き後、韓国などでもできたパクリ版ではあるけど、日本でもこれだけの才能を集められるんだと感心。確か今月中に決勝があるはずだ。