大谷の結婚話で大事なニュースの影が薄くなってしまった感があるなあ。お相手がどんな人とか、みんな関心があるんだろうけど、僕の場合は、そういう人のプライベートにはほんとに関心が向かないことを自覚せざるを得ないね。いいじゃないの、誰だってと思ってしまうのだ。
それよりも、被災地の仮設住宅の設置がすごく遅れているのはどういう事情なんだろうか? 土地柄、平地が少ないということもあるのだろうが、建設業界の構造の問題も取り沙汰されているようなのだが。とにかく、もっと早くお湯の出る生活に戻ってほしい。
それから、首相が思いきった策を打った政倫審の様子ももっとクローズアップしてほしいものだ。まあしかし、肉を切らして骨を切るということか、安倍派に対する首相の怨念はなかなかすごいものだな。ただし、派閥からのキックバック限定の感がある。あらかじめ中抜きしてるケースはどこにも記載がないんだろうか。
以前、派閥のパーティに取材のカメラが入った映像を観たことがあるが、出席者が一様に「食べるものがほとんどない!」と文句を言っていた。僕も昔は学会の懇親会やらで主催の経験も多々あるのだが、たとえば、300人参加で料理は250人分だったりするのは普通のことだ。そうしないと赤字になる。でもそのときの映像を観て経験者の僕が直感したのは、こりゃよくて150人分だなということ、悪くすると100人。つまり1人2万で600万の会費を集めて、経費は300万くらいであろうと推測した。で、ノルマ分は派閥に献上して残りは自分の財布に入れると。規模が大きいほど当然額も大きくなる。たとえば西村経済産業相などはキックバックは微少だが、他のやり方で溜め込んでいるんじゃないかと僕は意地悪に思う。実際、実態のないパーティをやってたりしてたしね。中抜き専門だとバレにくいし。であるから、西村「軽罪」大臣に任命。ほんとは軽くないけど。
さて僕個人の最大のトピックは、なでしこジャパンの五輪出場決定。水曜夜、その現場に立ち会えたのは至上の喜びと言えよう。上空にはドローンの編隊が飛び、パリ五輪に行こうとのメッセージが浮かび上がった。そりゃあ、行って欲しいよなあ。
でもねえ、やる前は負けをだいぶ覚悟していた。24日のサウジでの試合はどう見てもラッキーな引き分け。内容は0-3くらいで負けてたもんな。北朝鮮は寒いのも平気だし。正直勝てる要素を見つけるのが難しかった。で、先発に熊谷がいるのでまたガックリ。あとは長谷川の獅子奮迅の活躍に頼るしかないのかと。
試合前の練習を観てもねえ、北朝鮮のほうがキビキビしてるし、上手い感じなんだよねえ。実際、このチームはすごい、平均年齢が21歳台、U-17の頃から世界レベルで強かったチームなんだよね。
でも試合が始まると日本がけっこう良い。ほぼ互角の展開。意外、意外。いやあどうしたことかと思ったが、よく見ると、熊谷が最近の位置(ボランチ、アンカー)にいなくて、スリーバックの真ん中にいるようなのである。そうなると、両サイド(高橋、南)が熊谷のスペースをカバーできる。つまり、24日と違ってまずは守備を重視した布陣に変えているようなのだ。後で知ったことには、これは長谷川などが監督に進言し、監督がそれを採用したらしい。選手は分かってるんだよねえ、でもキャプテンでありレジェンドの熊谷さんをベンチに置けとは言えない。だからせめてスリーバックにとなったのではないか。
この件についてはネットでも池田監督の柔軟さを評価する声が多く、返す刀で男子代表監督森保の無策を訴えている。僕もそう思う。でも、キャプテンを動かすというのはできにくいんだろうね。男子の場合も、急激に強くなったのは、CB吉田が代表からいなくなったからだと僕は思ってる。危なっかしいだけの存在だった吉田だが、まずいことにキャプテンだったんだよね。吉田がいなくなって、富安がDFの中心になったら、途端に強くなったもんな。
とまあ、守備がそこそこ安定すれば攻撃陣も思いきって動ける。しかし、北朝鮮も強いのでね、あの長谷川がデュエルで負けたシーンもあったりして、ちょっとびっくり。宮澤(骨折で欠場)みたいな速い選手がいないとなかなか突破できない。そんな中、どちらがとってもおかしくなかったが、先制点は日本に転がり込んだ。高橋のおこぼれゴールだったが、そこまで田中がヘッドでよくつないだ。スタンドは盛り上がったよねえ。僕もだけど。
2点目はもっと盛り上がったかな。僕の席からは遠かったが、良いゴールだったもんな。見事なヘッドで決めた藤野は前半から積極的な姿勢が目立っていた。あれは右サイドバックの清水の突破とクロスから生まれたゴールだったが、清水がチャンスをつくれたのはあの1回だけだったので、やっぱりちょっとラッキーかなとも思う。そもそも内容的に日本が勝っていたとは言えない試合だったのでね。
だからと言っては何だが、日本の得点はどちらもいい時間帯で、もうこれで勝ったも同然と思いきや、すぐに失点。ゲームは分からなくなった。少なくともスタンドは危機感いっぱい。1点目を入れた高橋だったが、足が遅すぎる。熊谷クラス。もう3,4キロ減量してくれればいいのだがねえ。まあ、国内リーグの選手だからな。しかたないか。一方の左サイドの南萌華(ASローマ)のデフェンスはなかなか素晴らしい。北朝鮮の右サイドからの攻撃はことごとく南が弾き返してくれた。試合を通して、長谷川は別格だが、MVPを選ぶとしたら南かなあと僕は思う。
終了の笛は嬉しかったねえ。もちろん、スタンドは総立ち。この日総立ちは3回、2回の得点と終了の笛。周辺の知らない客同士でもハイタッチ。いやあ、ほんとに興奮して思わず立っちゃうんだよね。こういうことは人生でほとんどないかなと後々考えた。おお、ストーンズが初来日して、東京ドームで観たときくらいじゃないか。ステージの始まり、キースのギターが鳴り響いたときかな、と。
でも、ビックリしたことには、しばらくして北朝鮮応援団の席を観ると、全員が日本の勝利に拍手をしているではないか。動員されているのは朝鮮総連、在日朝鮮人であるから、日本に親しみを込めるのはわかるが、それ以上に政治の匂い、将軍様の意向がビッタリと反映されているのがよくわかる。あちらの監督も韓国メディアの取材は拒否したというし。そういう背景があるから北朝鮮はまあまあクリーンなプレイだった。それも日本の勝利を後押しするものではなかったろうか。
そして、拉致被害者についてはもはやどうにもならないような気はするけど、巷間言われる「北の脅威」は今はないんだなと思える。そういうことをサッカー観戦の国立競技場で思うのも、何とも妙な感じだがね。
とにかく、オリンピックが決定してよかった。女子サッカーの場合は、オリンピックもW杯と同じ価値を持つんでね。あとは怪我してる宮澤と遠藤が復帰できるか、それとかつての長谷川の盟友、レスターの籾木を招集してもいいかなと思う。もしも長谷川が怪我でもしたら代役は他にいないでしょ。とにかく、海外組で揃えないとここから先は戦えない。昨シーズン、スウェーデンリーグで籾木は無双状態だったし。インテリで英会話も完璧、必ず戦力になると思うよ。