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落とし物の行方

 最近ちょっと困っているのは痰の量が多いことだ。起きているときは、30分に1回くらいのペースで喉にたまった痰の排出をしなければならない。それをやらないと自然現象としての咳が出て、喉から痰が噴出することになり、目の前にあるPCなどががその犠牲になったりする。

 30分というのは、通勤の電車に乗っている時間に相当する。つまり、電車に乗っていると、咳が出る危険時間に入っていくので、気を払わなければならない。かといって、車内で変な音を出して、自分で痰を排出するわけにもいかない。もちろん、咳をしてしまうと、同じく近くにいる人を脅かすことになる。だから防衛策としては、混んでいる電車には乗らないことを前提として、乗る直前にホームで排出しておき、降りたホームでまた排出するという面倒がある。

 まあ、そういう作業については慣れているので特段な苦労とも感じないのだが、実は、時間の経過とともに痰の量は減るものだと思っていたから少々がっかりしている。昨日などは、朝起きるとかなり痰がたまってしまったようで、いくらチューブの掃除をやっても声がよく出ない。で、その後連休になるし、確か主治医が翌週は不在なこともあって、病院に行くことにした。

 鼻からカメラで見て「別に異状はない」と言われ、吸入器で痰の掃除をしてもらったらかなり声が出るようになった。今後は人と話さない日であっても、シャント孔の掃除を真面目にやっておいたほうがいいという結論に至ったが、何とも釈然としない。自分の状態はいいほうに進んでいるのか?

 苦労と言えば、僕の痰のことなんぞ、誰が悪いわけでもなく、しかたのないことだと思えるからいいよね。

 最近話題の安芸高田市の市長の苦労を思えば、何てことはないように思える。この市長については、こんな馬鹿馬鹿しい行政体を捨てて、国政に乗り出したほうがいいという声も多いようだ。僕個人としては、とりあえず広島の県知事がいいんじゃないかと思うが。

 県知事と言えば、馳浩だな。万博予算を計上した理由が「維新の顧問だから」「古い友人だから」というものだからちょっと呆れる。何十日も現場に赴かなかったというし、災害に遭った(遭わなかった人も)県民がかわいそうだ。ほんの数時間で行けるんだから、避難所を慰問するくらいできるだろうに。

 ああ、そうか、僕はよく言っていたが、災害というものは、現場に行って自分の目で見ないと理解できないんだよね。映像や人の話から得るものは違うものなんだよね。ちょっとでも視察をしてれば、やっぱり万博どころじゃないなと、あの馳浩でも思ったかもしれないのだが。いや、やっぱりそれでもダメか。政治家というのはそういう感性に欠ける人がなる職業だからな。

 そうえいば、職業別の犯罪率というのを是非どこかで発表してもらいたいと思うのだ。間違いなく政治家が圧倒的に1位だろうが、それを数字で示してもらいたい。

 ただし、現状最大の殺人者であろう、ロシアにイスラエル、北朝鮮のトップなどはそもそも罪にも問われない。あるいは、トランプはいくら罪に問われても、大統領候補ナンバーワンだし。スケールは小さいが、安倍派の幹部など、日本の政治家もそうだし。

 とくに、再選に向けて露骨に政敵を葬っていくプーチンを見ると、権力者のメンタリティの一端が理解される。何もそこまでしなくてもと、普通は思うわけだが、普通じゃなく怖れているんだろうね。もし再選されなかったら、自分は粛正されると思っているのだ。

 なんで、そう考えるのか? 自分だったらそうするからだ。

 北朝鮮や中国も同じくだが、韓国の政争なんかもそうだね。

 たとえば、外国人が日本の治安などに驚く。彼らは、財布を落としたら絶対に帰ってこないと考える。自分は届けるが他の人はそうしないという、他者への不信が強いということもあろうが、より根強いのは、「拾ったらもうそれは自分のもの」、物の所有権は拾った者に移るという考え方ではないだろうか。

 これは考え方としてはある。でも大きな欠陥があるのではないか。自分の過失によって失くした物であっても、それが他人のものになっているという状況を前にして、人は納得できるのだろうか? 落とした物は絶対に帰ってこないと考える多くの外国人であっても、納得はできないのではないか。つまり、自分が拾って自分のものになるのはいいけど、拾われて他人のものになるのは嫌だ。ということになってはいまいか。

 こうした屁理屈はおいても、結局自分本位、自分中心というパースペクティブしか持ち合わせていないということが論点だ。そこにいない他者への想像力というものが欠けているということである。それが多くの政治家の本質であり、幼児性ということなのだが。だから犯罪率も高くなると。

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