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菅野所長のエッセイ:ゆがんだ関係

 今週末は出かけるので、これでお終い。

 先日、唐突に日韓の話し合いが行われたが、南沙諸島へのアメリカ海軍のパフォーマンス、米中の対立が強くなって韓国もこれはまずいとすり寄った感である。つまりどちらもポチであることがよくわかる。
 そういう意味では、両国のいがみ合いなどしょせんコップの中の嵐なのだ。韓国による慰安婦像の設置、世界遺産への申請など、気にしないで放っておくのがいい。過去に侵略したのは事実であるのだから、こうやって不快な思いをするのもしょうがないと。

 たとえば、原爆ドームや長崎の平和像、沖縄のひめゆりの塔など、それを見たアメリカ人は世界中の誰よりも心を痛め、目を背けたくなることだろう。こうしたモニュメントは、表向き平和を願う象徴でありながら、一方でわれわれは被害者なのだというアピールなのである。韓国が日本に対してそういうものを持っていてもいいじゃないの。慰安婦問題などそりゃ事実の曲解だよと言いたいところだろうが、アメリカだって「あれは戦争を終わらすために使ったんだ」という名分もあるわけよ。でも、アメリカは「原爆ドームをなくせ」とか言わないでしょ。

 それぞれの国の立場でそれぞれの大義や正義がある。そういう意味では結局つまらないことでいがみ合ってるわけで、少なくとも日韓はいがみ合うほどのことはないよね。今頃になって色々言い出すのは、それは民族性と歴史の違いからくるもので、大国の思惑によって民族を分断されてしまった人々の気持ち、怨嗟は、北方領土を取られたくらいで済んだ日本人にはわかりにくいことなのである。

 ちょっとしたこと、つまらない違いにこだわっているから、私たちは分かり合えない。たとえば、同じ日本人にしたって、大阪人の東京へのひがみとしか思えないライバル意識は東京人には理解できない。そもそも東京の人間は大阪のことをまったく意識しておらず、それがまた彼らの怒りに油を注ぐことになることもわからない。日頃の人間関係も同じで、相手に対する想像力、それを支える知識も大事だよな。

 大阪では、関ヶ原で勝っていれば大阪が日本の中心だったとかという話がいまだに出てくるわけで、そういうのって日本に対する韓国の感情と似ているのではないか。大阪は不思議だ。あれだけメチャクチャばかりやっている橋下市長のことでも、大阪人はどう思っているのかを関西の友人に聞いてみたら、「まったく気にしていない」「久しぶりに前のような元気が出てきたな」というくらいにしか思っていないらしく、その人気はさして揺るがないらしいのだ。こういうのは東京人には理解できないのではないか。少なくとも僕はそうだが。

 近く、大阪では府知事選と市長選があるが、やはり大阪維新が強いようだ。どんなメチャクチャな奴であろうが、東京への対抗意識をあおってくれる人間であればそれでいいというのが大阪人の気持ちなんだろう。タレント好きだし。維新はしょせん橋下になびいたほうが得だと考えているだけの烏合の衆だが、それでも来年は自民との選挙協力がありそうで、そうなるとまたトンデモ教育路線、報道への圧力が強固になっていきそうなのが恐い。

 さて、先週の天皇賞は僕の推したショウナンパンドラがハナ差届かずの4着。中継では差したように見えたが残念な結果となった。再来週のエリザベス女王杯に期待しよう。

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