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菅野所長のエッセイ:7万の祝福と千の歓声

 少し前に雑誌の原稿依頼を受けていて、さあやっと取りかかろうと書いていたのだが、枚数を勘違い。1750字と思っていたが、執筆要項をよく見ると7000字だった。さあたいへん。時間はまだまだあるのでそれはいいのだが、よし終わった、これで次の仕事だなと思ったのでちょっとがっくり。でも早いとこ片づけないといけない。文章の骨組みはできているが、肉をつけるはどうも苦手だ。自分の身体に贅肉をつけるのは得意だがなあ。まあ、しかし、数日中には終わらせないといけない。

 先週土曜日に大阪へ仕事に行き、次の日は予定通り菊花賞を観戦すべく京都競馬場に出陣した。競馬場の混み合いが嫌いなので、GⅠレースはほとんど行ったことがない。いつ以来だ? ヤマニンゼファーが勝ち、馬連600倍をつけた安田記念以来か? そもそも京都競馬場は初めてだ。札幌競馬場を一回り大きくした感じ。東京競馬場に慣れ親しんでいると他の競馬場はみな小さく見える。でも雰囲気はなかなかよくて、新潟競馬場に大きさも景色も似ている。

 ディープインパクト以来の三冠馬誕生か、ということで観客が多い。6万8千の入場者数と言うからこの競馬場としては満員なのだろう。まあしかし、菊花賞というのは馬場を約2周するので面白いのなんの。最後の直線に入ったところで本命オルフェーブルが堂々の先頭。そのまま脚色衰えずに勝った。その瞬間の観衆の歓声どよめきと言ったら、これはもうすごい。オルフェーブルの馬券を買っている人も勝っていない人もみな勝ちどきを挙げ、人馬を祝福する。やがてそれが静まっていくのだが、祝福の空気はいつまでも場内を満たす。6万8千人がなんと言えない幸せな空気に包まれるのである。ああいうのは初めての体験だな。

 こういうのはその場にいないとわからない。野球でもサッカーでも、点が入りそうな予感、これは打ちそうだなという空気が流れる。あれはいったい何なのかなあと思うが。ま、そういう中でも最大、6万8千の想いが一つになるというのはすごい。たぶんディープインパクトのときもナリタブライアンのときもそうだったのだろう。
 考えてみると、関東の人間はダービーとかのビッグレースは関西の人よりも数多く観られるが、三冠がかかるという特別なレースにかんしてはそうはいかない。今回はだから東京の人間としてはほんとに貴重な体験だったなと思う。その場にいられたことが幸福だ。

 昔、アイネスフウジンという馬がダービーを勝ったときに、騎手の中野栄に対して、自然発生的に「ナカノ」コールがわき起こるという、日本競馬史の中でも画期的な”事件”があった。
 これは若いときには嘱望されていた中野が、スランプからアルコール依存となり、そうしたどん底からまた再起し、40も過ぎてアイネスフウジンという馬と出会ってこれに賭けているということをファンが知っていたからである。先週の「池添」コールもそうだが、引退レースを飾った「オグリ」コールなど多々あり、今や当たり前の風習だが、実はその起源はこの「ナカノ」コールだったのである。スターホースとも言えず、スター騎手でもないのに、このようなことが起こるのは奇跡のようだった。
 当時これをテレビで観て、その場にいない自分を呪ったものだったが、オルフェーブルのおかげで何十年の呪いも解けたかな。次にまた三冠がかかる馬が出たときにはぜひ行ってみたいと思うのである。

 そういう歓声は東京でもあった。ドラフトで、日本ハムが菅野を強行指名しクジを当てたときである。日ハム偉い。他の球団は何をやっているのだ。数々のドラフト破りをしてきた巨人がまたもや策してきた謀略を許してはいけない。ドラフトの意味がなくなるでしょ。コアなファン1000人が集まった会場の拍手と歓声が何よりもそれを物語っていたな。あれは全球団が菅野を指名すればよかっただけの話なのに。

 で、明日は秋の天皇賞。通称、秋天である。GⅠ馬が7頭だって。超豪華メンバーで予想も難しい。絶対本命と思ってたアーネストリーが大外⑯番。これが原因だ。これは当たらんな。まあ買うとすればだが、⑦ダークシャドウと⑱アーネストリーとの3連単マルチか。相手は、④エイシンフラッシュ⑤ブエナビスタ⑧ペルーサ⑪ローズキングダム⑬ミッキードリーム。もうひとつはブエナビスタ1着固定の3連単か。
 

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