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菅野所長のエッセイ:管理職はイヤだ

韓国の政治というのは独特だなとみなが思うようになっているだろうが、韓流歴史ドラマにはまっている僕としては、李氏朝鮮時代の政治、ただの派閥争いと寸分違わないという印象だ。現代でも同じことを繰り返しているわけだ。
とは言え、それは韓国だけに当てはまることなのいだろうかと思った。世界に国という単位が生まれたときから、そこに公の政が始まったわけだが、ひょっとしたら人間の歴史の中で最も変わらないのが政治なのかもと思った。それは結局、権力争い。おおかたは武力から選挙に変わったけど。

なかでも韓国は、政権交代によって元大統領が犯罪者になってしまうのがここのところの通例だ。だから必死。文大統領は、自分が投獄されないために、次の5年、”革新”政権を継続させなければならない。だから、あそこまで無理筋を通そうとする。これが悠々自適の生活が待っているなら違うんだろうね。それは”タマネギ”とて同じ、ここで負けたら大変だから、何が何でも今の立場を守ろうとする。
こうしたこと、日本人からしたらみっともないと思えることについて、韓国国民は案外寛容に見える。長い歴史の中で、政治とはそういうものだという認識が深く刻み込まれているのかなあ。そういう意味では、香港は違うな。ついに条例改正案が撤回されることになったが、まだまだそれを勝利とは思っていない。しかし、目指すゴールは遠いぞ。

中国にしてみたら、香港では一敗地にまみれたけれども、アメリカとの経済戦争では一歩も引かないし、着々と世界の盟主への道を歩んでいる感が強い。アメリカのベンチャー企業を始め、多くの国の企業が中国資本の傘下だ。そのIT先端技術は抜けている。
アメリカや日本などが驕り高ぶり、生産力がなくなっていった間にものすごいエネルギーで追いつき追い抜いた。もうこれはとても勝てないな。日本もアメリカの属国をやめて、中国と仲良くしたほうがいいと思うぞ。「滴滴」も日本に来たし。

日本の生産性が異常に低下したのは、失われた20年に示される悪政も大いにあるが、それに絡んで働く人間の意識が変容したこともあるのではないか。
先日の国際的な調査によれば、「管理職になりたい」と考える社員の比率は21%。断トツの最下位。ただし、沖縄県人だけが答えているわけではないから、この数字の意味はそう単純ではないだろう。いわゆる出世志向がなくなったのは確かで、仕事ばかりでなく、他のことも楽しめる人生を送りたいとバランス感覚を大事にする人が増えたことも確かだが、自分が納得できるような仕事をすることが大事だと考える人も多いのではないだろうか。
たとえば、カウンセリングにくる年配者で、早期退職を考えたり、再雇用について考えたりする人の中には、次に仕事をするのなら、「社会や人の役に立っていると実感できる」ことをしたい述べる人が多い。いいことだなと思う。昔のワーカホリックな時代に比べれば、仕事への意識としては雲泥の差だ。 でも、そうなると経済戦争には勝てない。今の中国のように、昔の日本のように、貪欲なまでに利益や成功にこだわる人間のほうが強いのだ。それが悲しい。

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