ご予約専用フリーダイヤル
0120-556-240

信頼か信用か

 オミクロン株による感染はますます増えているけど、これに対してステイホームなど意味がないとか発言したオミ会長である。オリンピックは普通ならやらないと言った頃とは真逆な内容。とても感染症の専門家とは思えないが、今回は完全にさじを投げたという体か。やっぱり何のためにいるのかわからない人だ。信用ならんね。

 もっとも、今回の大波は意味がわからないところも多い。ワクチンの接種こそが最大の対策だとわれわれは信じて疑わなかったけども、はたしてどうなのか? 世界のデータを見ると訳がわからない。

 たとえば、ポルトガルでは国民の約90%がワクチン摂取済みだが、10万人あたりの感染者数は、500人超え。日本は約80%で35人。日本と同じ摂取率のフランスだが、日本の20倍の約700人。南米では、アルゼンチンが約80%の摂取率で270人。かつて感染爆発世界一のブラジルは、75%の摂取率で60人だ。国によってあまりにバラバラ。比較的南半球は感染者数が少ないのだが、アフリカ諸国などそもそもきちんとしたデータが出ているのか疑わしいしね。とにかく、ワクチンが絶対でないことは確かなようだが。

「信頼はしても、信用はするな」(後述)ということか。

 ロックダウンすれば感染が抑えられるかというとそうでもないし、感染の仕方についても未だ不明だ。しかし、いくら増えたと言っても、世界的に見てあいかわらず日本は少ない。そこにヒントがあるはずだよね。ワクチン以外の有効な対処策を日本は持っているということになるのだけどね。

 オミクロン株になって、その半分は家庭内感染との見解があったが、あれはどうなったのか。家庭内ということは、マスクを外して誰かと交わる機会が多い、換気があまりよくない,とくに冬は、ということかなあ。結局、ワクチンのない頃に戻るんじゃないのか。対処の基本というものにね。

 ちなみに、僕の場合だが、手術して呼吸の仕組みが変わってしまったので、普通の人のような、飛沫や空気感染の危険がない。あるとすれば、経口で、食べ物にウィルスが付着している場合くらいだ。機能的にマスクは完全にダテだが、ティッシュの鼻栓を隠しているのでとてもありがたい。

 北京五輪もほんとにやるのか。やりそうだけど。前回はモーグルが楽しみと書いたが、忘れちゃいけないのはスピードスケートの小平奈緒さんだな。ずっと以前から、僕の中では総理大臣にしたい人NO1だ。何なら大統領でもいいね。古今東西、知る限り、この人以上の人物はいないと思ってるんで。信頼も信用もしているね。

 小平さんのような立派な人には到底なれない僕だが、前回書いたように少しでも功徳を積むことは考える。そうしていたところ、先週もいい馬券が当たってしまった。まあ別にそうした見返りを欲しているわけではないし、いつかはこの運も途絶えるのだろうが、それでも小さな善行は続けていこう。とくにこの一年、人の役に全く立てなかった人間だから、少しでもお返ししないとね。今度出かけるので、美味しいお菓子を山ほど送ろう。これは信用してくれ。

 漫画家の水島新司さんが亡くなった。水島さんの「あぶさん」が始まった頃、僕は子どもの頃から南海ファンなのですごく嬉しかったものだ。小学生のとき、僕のユニフォームの背番号は21(エース杉浦)、それだけでは物足りず、ユニフォームの左腰には19(キャッチャー野村)をつけるというおバカぶりだった。

 南海ホークスが消滅したときに、実質上僕の野球熱も終わったようなものだった。その後、難波のホテルで眼下に荒廃した大阪球場を見たときには、完全に終わったね。以降は、イチローと大谷をBSで観るくらいだな。日本の野球にはほぼ関心がない。

 水島さんの代表作といえば「ドカベン」だが、これについてはけっこうな影響を受けた。とくに主人公山田太郎のライバル土門の言葉。

「捕手は、投手を信頼はしても、信用してはならない」

 深い。少年マンガとは思えない。

 これ、約50年前のこと。実は、信頼と信用の違いに言及するなんてことは,まるでなかった時代だ。当時の国語辞典を見ても、ほぼ同義なのである。僕にとって、けっこう衝撃だったのだ。

 5年くらい前に金子書房「児童心理」から原稿の依頼が来て、テーマは子どもから信頼される教師(親)になるには、みたいなことだった。僕はすぐさまにこの台詞を引用しようと思い立ち、信頼と信用についての原稿(「信頼とは何か」)を書いた。自分で言うのも何だが、なかなかの力作。だからかどうか、この原稿は、毎年、何度も大学の試験問題になってるんだよね。そんな原稿書けたのも、水島さんの野球に対する造詣のおかげである。

 それから、「ドカベン」の登場人物、岩鬼。こいつは漫画史上いちばんインパクトあるキャラクターではないのか。あとは「野球狂の詩」から、飲んべえのピッチャーの話「酒仙投手」というのが僕には印象深い。その後、阪急に今井というピッチャーがいたのだが、あがり症なので酒を飲ませてマウンドに上がらせたという、マンガそのものみたいな実話もある。

 そんなこんなで、偉大な漫画家に深く合掌。

 さて、もう少しすると、手術からちょうど一年だ。当時の状況からしたら,今は夢のようだな。気管孔もかなり安定した。空気が乾燥しているからか、痰を吐くときに、ときどき血が混じるんだけどもね。来週は、あの頃の体験について、まだ話していないこと含めて話してみようか。

最初に戻る