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菅野所長のエッセイ:体質という問題について

 女性の活躍を謳った政権なのに、その肝心の女性大臣があっという間の辞職。結局政治という世界では、男も女もかわりないということか。そもそも小渕優子なんかは2世議員だしね。観劇代やらこんにゃく代やらネギ代と、いかにもな田舎政治家丸出しの会計報告だが、テレビのコメントの中には「悪意はあまり感じられない」というのがあるので驚いた。しかし、作成者について、名前だけを誰かに借りてたというのは、そもそも悪いことをしている自覚がある証拠だろう。

 いずれにしても、地元の後援会や有権者にいろいろな金品などを寄与するのは地方での昔からのやり方であるが、今もそれが堂々と行われているところが何ともである。これが風土や体質というもので、その中から育つ作物(政治家)はろくでもない不良品ばかりなのも当たり前と言える。

 在特会と橋下知事の対談なんてのも、見るにも聞くにも堪えないものだったが、在特会というのがどんな集団なのかは、トップがあれなんだからとリアルにわかるし、一方は維新の会のトップで、こんなのに従っている人間というのもどういうレベルなのかは察しがつくだろう。そういう意味では、これはよかったと言えるのか。

 風土や体質というものは確かにあって、それはその中にいる人間にはなかなか自覚できないものである。日曜日にNHKのスポーツニュースの中で、まさに日本サッカーの風土や体質ということに触れ得た(と僕が思う)企画があった。
 何より、番組内で提出された浦和レッズ対セレッソ大阪戦のエピソードは、日本サッカーの体質を考える意味で衝撃とさえ言えた。
  場面は、浦和の選手からボールを奪ったセレッソ、柿谷がドリブルで右サイドを進むシーンである。このときディフェンスの槙野が、柿谷にボールを出せと指示した。柿谷の後方では、ボールを奪われたレッズの選手がまだうずくまっていたのである。柿谷はすぐにボールを外に出した。
 これが驚くのは、インプレーだったことである。つまり多少強い当たりだったが、審判はセレッソのボール奪取をファウルとは認めず、当然笛も吹いていない。だから槙野がボールを再び奪って、それでボールを外に出すのはまだわかる。番組の各コメンターは、基本的に審判が笛を吹かない限り、プレーは続行されるべきという、プレーレベル向上のためには審判がどうすべきとか、まあ当たり前の話に終始したが、それはあまり本質的なものではない。そんなことよりももっと根深いものを僕は感じたのだった。

 世界と比較すると、ファウルを受けたとき、Jリーグの選手たちは必要以上に痛がっているように見える。それはフィジカルの違いなのかとも思うが、実はメンタルなものが大きいのではないだろうか。

 そうする目的はふたつある。、ひとつは、チャンスを生かせなかったのは俺のせいじゃなくてファウルのせいだという、自分および味方への言い訳としてのアピールである。

 後者にかんして思い浮かぶのは、僕のもっとも嫌いなプロゴルファー尾崎将司。彼はグリーン上でパットを外すとすぐに周りを見た。それはどう見ても、俺はちゃんと打ったのに入らなかったんだというアピールである。俺は悪くない、グリーンがヘンなんだよ、すごく難しいんだからという自分と周囲への言い訳の身振りだった。

 もうひとつは、向こうのチームはこんなにラフなプレーをしてくるんだという審判へのアピールである。これは次にはイエローカードを出させたいという考えがあるように思う。つまり、イエロー、レッドというかたちで向こうの戦力をダウンさせようという考えだ。ぼくはバスケットやっていたからよくわかるが、状況によっては監督や選手もそういうことを考えて、5ファウルを誘おうと意図することもある。だいたいその目論見は成功しないのだが。つまり、勝つことを目的としつつも、ゴールを決めて勝つのとはまた違うアプローチがあり、どうも日本ではこっちのほうにエネルギーを使う割合が多いのではないかと思った次第である。
 一見は、倒れた選手を思いやってのフェアな身振りに見え、観客も拍手を送るのだが、日本におけるその習慣の底流には、こういった感覚、すなわち消極的な勝利への向かい方が染みついていることあるんだろうなと思うわけである。
 日本代表を指揮するようになって、アギーレ監督が「自分が見てきた欧州や南米の選手たちは、生死をかけているかのようにプレイしていたが、日本は・・・」という言葉には彼の監督としての能力とは無関係にリアリティがあると思うが、こうした体質と深くかかわっているんだろうな。

 そこから振り返るに思うのは三浦知良の偉大さだ。カズがブラジルから帰国し、日本でプレーするようになって驚いたのは、どんなに汚いファウルを受けようが、何ごともなかったように立ち上がっていたことである。日本サッカーは、彼のまたぎフェイントやダンスを学ぶのではなくて、何よりもそのスピリッツを学ぶべきだったのだ。それに比べ、鹿島に来た晩年のジーコなどは、それは見事な技術だったが、一方で実にみっともない振る舞いをしていたものだ。

 とサッカーのことになるとついついである。
 日曜は菊花賞。たぶん車のラジオでしか聴けないと思うが、好きなレースだから楽しみである。本命は当然⑮ワンアンドオンリー。相手は菊花賞向きのスタミナのある馬を選ぼう。血統面からは、④サウンドオブアース⑩ゴ-ルドアクター⑥ショウナンラグーンとなる。④ー⑮の3連単マルチが本線だな。他は、②トーホウジャッカル⑫タガノグランパ⑭トゥザワールド⑯サトノアラジン⑰ヴォルシェーブまで。

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