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菅野所長のエッセイ:ツキはいつまで続く

 先週は、久しく記憶にないくらい憂うつな気分だったのだが、今週はそこまでではなかったので良かった。

メインレース、GⅠだけなら、けっこうな勝率の競馬も、宝塚記念はスタート直後ですべてが終わった。肝心のゴールドシップががゲート内で大きく立ち上がり、大出遅れ。僕のツキもあっさりと終わったな。

 まあちょっと驚いたのはなでしこが決勝に進んだことかな。アメリカ、ドイツ、フランスが全部向こうのブロックにいったので、こっち側は全部日本よりも下位のランクだったからね。組み合わせの妙とはいえ、まずはそれがものすごい幸運だった。他の有力チームは「こんな不公平があるのか!」と文句も言いたいだろう。

 しかも、イングランド戦も内容的には押され放しだったが、最後の最後に相手のオウンゴールという結末。何から何までツイている。こんなこともあるのだな。そのイングランド戦は、相手がロングボールのキックアンドラッシュ戦法。イングランドらしいわけだが、こんな前時代の戦法を防げない日本も同じように大きく蹴り出すことしかできなくなってしまい、まるで何十年か前の茨城あたりの高校でやってるサッカーみたいだった。

 つまり全般的には凡戦もいいところ。建国記念日なのでたくさんいた観衆はさぞかし退屈だったろう。ま、イングランドはそういうチームなのだからしかたないが、これにパスサッカーで対抗するはずの日本が同じように大きく蹴り出すだけのサッカーで、しかもそれがほぼ相手のボールになってしまうのだからどうしようもない。

 そこに、準々決勝とほぼ同じ時間に投入された岩淵がこのつまらないゲームを救い、ひいては日本に勝利を呼び込んだ。2回鋭く仕掛けたよね。あのときは観客が湧いた。しかも、もう延長かというときになって、「ニッポン」コールがわき起こったのは、ひとえに岩淵のプレイを観た観客の歓びと期待だったのではないかと思う。「これがサッカーだよね」と、「こういうのが観たくて来たんだよね」と。会場の雰囲気が一気に変わったこともあの結末の背景にあるよね。

 しかし、イングランドはフィジカルが強く、とくにDF陣の足は最後まで止まらない。でもその屈強さ、武骨さがオウンゴールという結末を招くのだから皮肉である。最後の川澄の大儀見へのクロスは、いつもながらになかなか質のいいもので、90分も過ぎたあの時間帯になれば、普通は通るはずのパスだった。でも、イングランドのDFのスライディングは、このボールにきちんと追いついちゃったのである。だから自陣へのシュートになってしまった。彼女は何も悪くない。むしろ、優れていたからこそああなったのだ。ほんとに不運としか言いようがないな。

 ま、しかし、どちらが勝ったにせよ、アメリカへの挑戦者としては物足りないもいいところだな。もちろんサッカーは、あの試合のように何が起こるかわからないが、フィジカルはイングランドと同じ、スピードは勝り、テクニックでははるか上のアメリカである。故障明けとはいえ、現在の女子サッカーでは最高の選手でおまけに美人のモーガンがいるし、あのワムバックも控えてる。ドイツ戦も2-0だったし。

 始めから、大野じゃなくて岩淵、坂口じゃなく澤といった起用をしないと勝負にならないのではないか。まだ22歳の岩淵は、フル出場して疲労したとしても、大野より速いし上手い。大野だと、相手DFも安心してラインを上げられるが、岩淵がいるとなるとそうはいかない。そもそも準々決、準決と、大野を交代させたから点を取れたわけで、FWとして歴然と差があるのは明白だ。澤は中盤でチャンスの芽をつみ取るし、ボールキープができて、ミスも少ない。頼みの大儀見はチェルシーにいた頃のようなキレがないんでなあ。

 しかし、全体的に見てわかったのは、日本だけじゃなくて、世界のチームも4年前よりも特に強くなっていなかったことだ。ドイツは弱体度として日本よりも落ちた感じ。ま、アメリカはもともと強いから別だが。

 たぶんこれは女子サッカー、あるいはスポーツの特性なのだろう。男よりも耐久力があるというか、年齢が上がっても大丈夫というか、ピークがゆるやかに長い。

 ああ、でも4年前のアメリカ戦も、とても敵わないはずなのにPK戦まで持ち込んだんだよな。そんなことが2度あるのか? サッカーはわからんところが多い。有吉みたいに短期間で大化けすることもあるし。
 
 わからないと言えば、ギリシャの首相はどんな勝算があって国民投票に望むのか、それが不思議だ。ひょっとして中国に国を売り渡すつもりなのかとかろくでもないことを考えちゃうね。でも、中国資本がギリシャを狙っているのは確かで、ギリシャの有名な港町にある工場の3分の2くらいは中国資本に買い占められてしまい、中国人経営者の下でギリシャ人が働くという構図になっている。

 アジアインフラ銀行も、中国だけで拒否権を有することになったし、南沙諸島は埋め立て完了、次は基地づくりという。止める手立てなし。ギリシャも、EUが救わなければ、中国のものになっちゃうんじゃないの? 
 このままでは世界はみんな中国のものになる?
と、金と力に任せて何でもやろうとするのを見るのは不快なことだが、かつては日本も金の力で同じようなことをやってたのだ。パリではブランド店に日本人が大量に群がり、ハワイの高級ホテルとか、ロックフェラービルとか、その国の誇りでもあるようなものを奪っていったのだった。
 でもそんなことはすっぽりと忘れて、いまは中国人のマナーを批判したりしてるわけだ。銀座には最近中国人目当てのホテルがどんどんできてるのだが、昨日は、そのホテルの入り口のところで、コンビニの前に座り込むヤンキーのように、座り込んでるのがいるんだよなあ。

 まあ、アメリカ戦ではいい試合を期待しよう。やっぱりサッカーは面白くないと。負けたっていいから、世界に誇れるような日本人としての何かを見せてほしいものである。4年前はそれを見せたと言えるね。

それはともかく、3日からの僕にはツール・ド・フランスが待っているので。

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