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菅野所長のエッセイ:アリにはアリの人生が

 猛暑だったり、大荒れだったり、こういう気候の中、皆さんには本当に申し訳なく思っている。僕は明日から北海道に行くもんで。本当に申し訳ないので、帰ったら都庁前で20分の正座をしたいと思うところもないではないが、こうして皆さまに頭を下げるにとどめよう。と思っていたら、台風が日本をまんべんなく通過するようで、札幌も天候は悪そうである。土下座するようなことではなくなった。

 どっかの学校で、遅刻した生徒に正座をさせたのが問題になったわけだが、。約150人中100人近くが遅刻するなんてのも、電車の遅延などの理由がないとすれば教育史上珍しいかもしれない。教師が怒るのもわかるね。でも、体罰は体罰だし、学校名が出てしまって、不名誉なことこの上なかった。ま、どんどんこうやって団体行動ができない人間が増えていく。何でも集団に埋没すればいいものではないが、日本人は自らの強みを失っていっているのも明らかだ。

 その点ではギリシャについては、自分の読みがいかにも甘かったと言えざるを得ない。あんな状態になっても緊縮したくないというほうが強いのだから、ギリシャ人はあくまでギリシャの精神を貫いたということか。結果、EUが折れてきているわけだから、正解なのかも。

 昔、ギリシャに行った人の話を聞いたが、みんなやっぱり怠け者らしい。とは言っても、それは働き者の文化から見ての話だし、とにかく彼女が言うには、とくにギリシャの男は、あの彫刻がそのまま動いているように逞しく、かっこいいのだそうだ。だから、いくら怠け者だろうが許したいと、彼らはそこにいるだけでかっこいいんだからと。極東のちんちくりんな男しか見ていない女性からすれば、いわゆる眼福ということらしかった。

 しかし、どのような結果になろうが、大阪の住民投票はすがすがしく、ギリシャの国民投票もしかりだ。キリギリスはキリギリスの人生をまっとうするのが正しい。しかし、ギリシャでは「反緊縮」の支持を受けた首相がそれを裏切り、EU案を呑もうとする。ギリシャ人に比べればアリ派の僕は当然その方がいいと思っていたわけだが、今回は国民の負託を受けたわけでしょ。リーダーとして絶対にやってはいけないことだ。

 一方日本では、支持も受けてない首相が国民の意思を無視。まったく狂気の沙汰である。おばかな首相が大好きだったおじいちゃんのリベンジか、はたまたおじいちゃんを超えたいということなのか、いずれにしても私情の臭いも立ちこめる欲望によってこの国は大変なことになってきている。たぶんその取り巻き以外は「?」と思っている他の自民党議員も、ここで逆らうと選挙公認が取れなかったり、報復人事が待っているから何も言わない。唯一、地方創生なんてところに追いやられていた石破が国民理解は進んでいないと、当たり前をことを言ったに過ぎない。何と情けない連中なのだ。
 これを「戦争法案」と名づけるのは多少感情的ではあるのだが、国民の意思を無視して平然としている体質はまさに軍国主義そのものであり、それは戦争と分かちがたく結びついていることは否定できない。祖父の岸信介は大戦突入時の内閣の一員であったし、そのDNAを受け継ぐ軍国少年が安倍なのだろう。だって、最近のあの顔にちょび髭をつけるとすごく似てくるよ、ヒットラーに。

 いやあ、しかし、国のためでなく、アメリカのために戦地に駆り出される自衛隊も気の毒である。首相は発足以来千何百人の隊員が「殉職」していると例によって馬鹿なことを言ったが、それは戦闘訓練の事故が大半、そしてけっこうな自殺も含まれてるはず。「殉職」なんてとんでもない。
 今自衛隊は人手不足で、警察と一体になってキャンペーン中だが、今後も除隊が増えるだろうし、集まらないでしょ。そうなると、徴兵制なんてのも決してありえないことではなくなるわけよ。

 ま、それはこのままではの話で、来年は参議院選挙、衆議院だって解散もあり得る。われわれ国民もこうした政権を生んでしまった責任を感じて、最終的にはそこで何とかしないとね。

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