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ものごとは単純に考えよう

 ほんとに実感がないけど、あと少しで年明けなんだなあ。

 悪性のガンだとわかったのもちょうど1年前くらいだった。すぐに1ヶ月後の手術を決めたところは我ながら気丈なところもあったけど、さすがにブルーだったね。それに比べてたら、今の気分はずっと軽い。

 しかし、先日傷ついた気管孔の調子はその後もあまりよくない。血が混じった痰がいつもより大量に発生し、それが呼吸を妨げる。どうも全面的に気管孔が塞がることはないような気がしてきたが、もはや前のチューブはまったく入らないような小さな気道になってしまった。これくらいで済んでくれればいいのだがな。

 ちょっと前にモーニングショーの玉川氏が、「金持ちの道楽だから云々」と発言して、ネット上でプチ炎上したけど。この人はよくそうなる。政権の不備を批判することが多いから、安倍晋三シンパから狙われることがおおいようだ。だから「坊主憎けりゃ」の類いでこんな普通の発言さえもいろいろ言われるんだね。前沢氏の宇宙旅行については「金持ちの道楽」という言葉にこれほどぴったりなものもないと思ったけどね。金配りもそうだけど。

 ただし、道楽が悪いのかというとそうではない。僕は番組を見てないけど、けっこう皮肉っぽく言ったのだろう。だからカチンと来る人がいたと。で、玉川氏を批判し、前沢氏を擁護する声が高まった。「子どもの頃からの夢を叶えた人を悪く言うのはどうかと思う」とかの優等生的な反論もある。

 でもさあ、僕が思ったのは、これは、今の時代の最大公約数的な欲望を示しているんだろうなということだな。たぶん「すごいお金持ちになったら何をしたい?」のアンケートを採ったら、「宇宙に行きたい」というのが多いんじゃないか。他にもたくさんあるのだろうが、たぶんこれは多数派で、若い人にとっては成功者、勝ち組の証なのだろう。これに対して、それにはあまり関心がないという人もいるわけで、たぶん玉川氏もそうだったのだろう。

 だから彼が不快だったのは「金持ちの道楽」だからではなくて「宇宙にはあまり関心がない」からではないのだろうか。あるいはこのふたつが混じってしまったのではないか。

 なんでそう思うのかというと、僕がそうだからだ。宇宙にはあまり関心ないもんねえ。南極のほうが「宇宙より遠い場所」だとアニメにも教わったし。

 僕は「金持ちの道楽」も「道楽」そのものもいいと思う。宇宙には食いつかないだけでね。でも、いきなり何十億もかけて血統馬を買いあさり、JRAの有力馬主になったサーバーエージェントの藤田社長にかんしては、僕はとても興味を寄せてしまう。同じ「金持ちの道楽」であってもその中身で反応は違ってくる。馬主になるのはマジョリティではないだろうから、これに対して皮肉っぽい言い方をしてもあまり批判はされないだろうね。

 あらためて考えてみると、もしお金があったら馬主になりたいなとは思う。昔、タマミというすごいかわいい馬がいて、僕はよく競馬場に見に行ったものだが,当時夢想したのは、タマミが引退したら自分が引き取って一緒に暮らすというものだった。もしそれができたらどれほど幸せだろうと。馬鹿だねえ、ほんとに。

 何にせよ、自分の興味あること,好きなことを実現することにあまりとやかく言うべきではないね。しかも、本業以外のことが楽しいわけよ。僕の場合、むかし、競馬の本を出したときのことだが、本業の本を出したときよりもはるかに誇らしく嬉しかった。あれは一体何なんだろう?

 とにかく、けっこう単純な問題なのに、それを理念の争いにしてしまう愚が多いよね。世の中は。

「子どもは叱るのがいいか、褒めるのがいいか」みたいなテーマについてあるところで書いたけど、厳しく育てられてよかったと思っている人は子どもを厳しく育てるだろうし、その逆もあると。厳しいのはダメという人は、叱るのが苦手で下手。厳しくしなけりゃダメという人は褒めるのが下手で苦手なだけだと。そんなところなのに、理念としてしまうのが不毛だよねと、身も蓋もないこと書いたかな。でも、理念を一生懸命に語る「専門家」の中にあって面白い存在だったみたいよ。

 さて競馬だ。有馬記念。本命は⑩エフフォーリア。これに勝てるとすれば、実力で⑦クロノジェネシス、展開恵まれて⑯タイトルホルダーということになるだろう。3着候補に⑨ステラヴェローチェ⑤ディープボンド⑪アリストテレスまでか。

 

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