菅野所長のエッセイ:のどかな出来事

 今週はちょっと疲れの回復にとまどったなあ。日曜に広島に出かけ、月曜に仕事をして戻ってきたのだが、普通でも広島っていうのは交通的にちょっと厄介なのである。それが今回は世羅町という普通の人は知らない場所で、広島県の真ん中、山の中である。

 でも、僕はよく知っていた。なぜならここには高校駅伝の名門世羅高校があるからだ。昔から京都でやる高校駅伝には頻繁に出てくる。どこにあるのかは知らなかったが、人口にしたら1万数千という山間の小さな町なのだからなかなか凄いことだなと思う。

 月曜の朝、福山駅内の観光課に聞くと、電車もバスも不便で使えない、車で行くしかないですねえと言う。タクシーで行くと時間はどれくらいかかるのか?と聞くと「1時間半?くらいですかねえ」。 ええ!? 事前の調べよりもかかるなあ、それじゃ料金も大変かもしれないと、タクシー乗り場でせこく小型車が先頭になるまで待つ。運転手さんに聞くと「1時間くらいじゃないですか」 という。
 実際は、高速の山陽道尾道あたりから島根の松江までを結ぶ予定の無料の自動車道が現在世羅まで開通しているので、1時間はかからないで済んだ。料金にしたら12000円くらい。運転手さんいわく、こんなに遠くまで運ぶのは年に2、3回ですねえと。なるほどけっこうな上客であったのだな。

 結局、早く着きすぎたので、会場の横にある小さなレストランでコーヒーを飲んで待つことにした。そこへ主催の人が現れたので不思議に思ったら、タクシーが入ってきたのでこれはと思い、運転手に聞いたら先生が到着したんだとわかったという。なるほどね。
「それで、ひとつお願いがあるんですが」
「なんでしょう」
「あの先ほどのタクシーの運転手さんなんですけど、帰りに空港に行くんでしたらまた利用していただけないかと」
「まあ、それはいいですけど、帰る時間は今からだいたい4時間後になりますよね」
「ええ、ですから、運転手さんも先生の講演を聴きたいと言うんです。いいでしょうか?」
「はははは、それはかまいませんけど、奇特な人もいるもんですね」
と、こんなことは前代未聞。都会ではありえないエピソードだなあ。

 こんなにのどかなことで始まると、だいたいのことはうまく回る。主催の方々の尽力という他はないが、平日の昼間だというのに会場は満杯。さすがにお年寄りが多い。でも、こうなるとそのお年寄りに焦点を当てることができてかえって話しやすいものだ。 けっこうウケてた感じだし。いや、ひょっとして自分が年取ったからか? なんだか綾小路公麻呂みたいになってきているのか。
講演終了後に、15分ほど地元ケーブルテレビの取材を受けて帰路に。帰りは運転手さんと講演の話などしながら4~50分で広島空港に到着。出発までビールを飲みすぎないようにして、搭乗したのだった。

 で、ひじょうに仕事としては上出来という結果で夜の10時くらいに家に帰ったのだが、でも、まだ月曜日なんだよね。本来は僕の休日。前日は日曜だったが、広島に行かなければいけないと緊張しているから、朝からくつろげなかった。泊まった福山では、日曜なものだから気の利いた飲み屋さんはあまり開いてなかったし。
 結局休みというものがまったくなかったわけで、今週は金曜が祝日でほんとに助かったなあ。火曜日なんかかなり疲れてたもの。

 さて、僕の場合、出張に行くとまず第一におみやげを購入するのだが、お目当てのはっさく大福はなかなかみつからない。ある店で見つけたけど、5個くらいしかなかった。自分が食べる分として2個だけ買ったが、食べてみると以前よりも美味しい。たぶん中のはっさくの量が増えているぞ。
 TCCの新しいスタッフの人はこの大福の感動を知らないので、ぜひ教えてあげようと木曜に広島のアンテナショップに寄ったのだが、全部売り切れていた。以前なら、午前中に行けばまだあったのになあ。知る人ぞ知る相変わらずの人気商品のようだ。

 というわけで、出張も終わり、いよいよ忙しい3月も来週まで。来週末はゴルフに行っちゃうので、このコラムはお休みさせてもらう予定である。思い起こすと、ゴルフは11月の下旬か12月の初旬にやってからまったくである。クラブさえ握っていない。ああ、2月に一度やるはずだったが、降雪で取りやめになったし。やっぱり、先々に楽しみなことがないとね。

最初に戻る