先週、週末に名古屋に行っていたのでこのコラムをお休みしました。今回は、それを中心にこの2週分を書きたいと思います。
目的は名古屋で開かれているアジア大会の陸上競技である。会場となるパロマ瑞穂スタジアムは、新国立の半分ほどの大きさなのでたぶん世界陸上よりも見やすい。陸上はモーニングセッションとナイトセッションに分かれていて、僕たちが行くのはもちろんナイトセッション。だから昼間は時間がある。
1日目は、朝の新幹線に乗って名古屋に着いたら、駅近のうなぎ屋で昼飯。その後、電車でトヨタ博物館に行って、市内に戻ってホテルにチェックイン。途中のコンビニで食料などを調達しつつ競技場に向かうという予定だ。
けれども、朝から波乱な幕開け。僕の家から駅までは徒歩で10分から12分なのだが、半分を過ぎたときに突如気づいた。チケットを忘れてきたのである。いつもの癖なので早めに出たので良かったのだが、それにしてもそんな肝心要に大事なものを忘れるかね?
けっこうすごいショック。というのも、実はその前日のことなのだが、僕は電車の座席にリュックを置いたまま忘れて降りてしまったのである。過去に、酒を飲んで酔っ払って忘れたことはあったけど素面では初めてのことだ。こりゃいよいよ始まってるのかなと思った矢先、これである。ほんとにマズいんじゃないか? 貴重品がまったくなかったので良かったけどね。
ちなみに、池袋線に忘れたリュックは、折り返して東京メトロ有楽町線の終点新木場まで運ばれ、そこで遺失物として届けられた。練馬高野台駅、池袋駅、そして飯田橋駅と、駅員の皆さんお世話になりました。
それでも30分前には東京駅に着き、予定通りに名古屋にも着いた。さっそく予約している「うな富士」に行く。大きな店だが、80%くらいは客で埋まっている。まだ11時半前だ。予約しておいて良かった。「うな富士」の売りは「アオ」と呼ばれる若干希少なうなぎを使っているところだが、僕は「アオ」を食べたことがなかったのでね。どんなものかと。
で、感想。しかし、アオうなぎの感想というよりも、「うな富士」は他店とは調理の仕方が違うのだ。さっぱり、淡泊。うなぎといえばどこでも甘塩っぱく、こってりというイメージだけど、「うな富士」は明らかに違う。こんな店は初めてだ。やっぱり僕は「備長」の味のほうが好きだけど、これはこれで質が高くて美味いと思う。忘れられない味ではある。うなぎに自信があるからこそ、あっさり淡泊な味付けなのだろう。またの機会があれば、今度はひつまぶしではなく、うな重かうな丼を食べたい。そういえば最近は東京店もあるようだ。
で、最初の目標を達成したので、次はトヨタ博物館だ。名古屋から地下鉄で藤が丘まで行き、ここからリニアモーターカー(通称リニモ)で博物館のある駅に向かう。藤が丘駅には愛知医科大があるので、昔、何かの打ち合わせでM氏を訪ねて来たことがある。
え、リニア?と思うでしょ。昔、名古屋万博があったときに輸送手段として造ったものが今も残っているのである。日本で乗れるのはここだけ。でも、スピードは出ない。
これに乗りながら窓の景色を観て思い出した。昔、この辺でゴルフをやり、車で名古屋駅に戻ったときに建設途中のリニアを見ていたのだ。「これは何ですか? モノレール?」と地元の人に聞くと、「万博会場までの電車、リニアらしい」と返ってきた、との薄らとした記憶がある。リニモは基本無人運転。駅間はみな2分で統一してある。
トヨタ博物館は駅から歩いて5分くらい。電車からも駅からも明視できるのでとても近く感じる。入場料は大人1200円だが、障害者は300円で、介助者は無料。つまり、友人と2人合わせて300円である。とてもありがたい。
今までいちばんありがたかったのは姫路城だ。ここは大人2500円のところが無料。しかも介助者も1名まで無料。この6月に別の友人と行ったのだが、まさか完全無料とはね。姫路市は偉い。中の案内の人たちもとても親切だったし。世界遺産にふさわしいと、ソフト面からも思ったね。
このトヨタ博物館もすばらしい。何がすごいって、世界の車はもちろん、トヨタ車以外、日本車の歴史を語る上で外せない他社の車もほぼもれなく展示してあるのだ。「トヨタ博物館」なんだから、自社の車だけを展示したっておかしくないのだが、やはり太っ腹なんだね。ライバル会社、ライバル車へのリスペクトもすごいのである。
僕はそんなに車好きでもないのだが、懐かしい車の数々に心が躍った。日産のBeー1とか。カローラのライバル、サニーやコロナとか。車好きのオールドにはたまんないだろうな。僕のように車好きでなくとも、昔を知っている人なら懐かしく思うだろう。僕が最初に買った車「シティ」も置いてあったよ。
さてトヨタも終わり、栄のホテルに行ってチェックイン。少し休憩して、地下鉄で競技場に向かう。20分くらいかなあ。駅からスタジアムは15分くらいか。心配された雨もないのでよかった。途中のコンビニで飲み物、食べ物を調達。しかし、入り口のチェックが厳しい。アジア大会だからか、海外アーチストのドーム公演並みである。ペットボトルは1本までということで、1本は徴収されてしまった。まあでもしかたないよね。
購入したのはB席で、自由席だった。10000円の自由席なんてあるのか。でも、方向は悪いけど、スタンドの最前列席を確保。ほとんどの競技は遠いが、棒高跳びは目の前で見られる。昔、ブブカの6メートルジャンプを見て以来、僕は棒高跳びがわりと好きなんだよね。
そういえば、マイケル・ジャクソン東京ドーム初公演のとき、アリーナは取れなかったが、ステージを横から観る1階スタンドの最前列だった。あれはアリーナの後ろよりもはるかに良かった。ドーム公演の最悪の席はアリーナの最後部である。チケット代は高いのにいちばん観にくい。
それはともかく、チケットには「競技開始 5:40」と印刷されていて、僕たちは約1時間前に来ている。しかし、場内にいる係員の様子を観ていると、何というか、チンタラしているというか、もうすぐ国際試合が始まりますよという雰囲気ではない。開始が遅れているのか? そういう情報はホームページあたりでは知らせているのか? 友人がいろいろ調べていくうちに、開始は19時5分だということが判明した。えー! どうなってるの? まだ1時間半くらいあるじゃないか。
近日、この名古屋大会はひじょうに杜撰だという参加国からのクレームが上がっているとは知っていた。チケットにはっきりと印刷してある情報が嘘だなんて思わないよね。クレームというのも、C国やらK国やらがイチャモンをつけているもしれないと思っていたが、それは僕の邪推だったようだ。なんでも、運営にかんしてはフランスの企業に委任しているということで、そこがいい加減なんだろう。しかし、そういうところに委任しているのがそもそも良くないよね。 とは思ったが、たぶん僕の推測だが、東京五輪のときに一部広告会社との問題が明らかになったことで、この大会運営も日本の会社には委任できなくなってしまったのではないかと思ったね。
しかし、日本人がやっていないから杜撰なところも多々出てくるのだろう。実はそれはあちこちで感じたことである。たとえば、この日の入り口チェックはひじょうに厳しかったのだが、翌日、その厳しさを覚悟して入場したのだが、今度は実にユルユル。おかげで、新規のペットボトルを1本、飲みかけのボトルを2本も持ち込んでしまった。
さて、棒高跳びは女子だったので迫力不足は否めないかなと思っていたのだが、勝負の行方が混沌として実に面白かった。圧倒的な優勝候補の中国と、最近好調の日本選手の争い。記録的にはベストで20センチの差があるのだから、中国選手のほうは私が負けるはずがないという様子。実際、ジャンプを観てもほんとうに圧倒的に強いなというのが分かる。しかし、日本の諸田美咲選手が絶好調。自己ベストは4メートル51センチなのに、55の日本記録を飛んでしまった。
一方、4メートル73の記録を持つ中国だが、ひじょうに動揺した様子。途中からは何やら競技委員に文句を言い始めていた。しかも、文句を言う素振りで、日本選手の走路をふさいで妨害もしていたな。
そんな、明らかにメンタルが崩れた様子で、4メートル50を失敗しているのに、高さを4メートル60に設定してきた。確かにこれをクリアすれば優勝だろう。しかし、平常心なら軽く飛べるかもしれないが、これでは無理じゃないかと思った。単純な競技ならともかく道具を使う棒高ではね。すると案の定失敗を重ね、優勝は諸田選手となった。
さてこの中国選手、腹の虫が治まらないのか、その後も居座り続け、競技委員に文句を言い続けていた。すべての競技が終わり、スタジアムの席に残る人がもう5%以下くらいになって、最後の表彰式が終わってもまだ引き上げない。やっぱりC国(やK国)はメンタルが違うね。とも思うが、かの国では、金と銀では実入りが全然違うんだろうね。K国では兵役免除の特典があり、北朝鮮では多額の報奨金がある。日本とは違うんだよね。スポーツマンシップを求めてもあまり意味がない。友人と二人で呆れつつ、言い合ったね。スタジアムが真っ暗になっても帰らないんじゃないか? 明日の朝までいるんじゃないか?
でもこの日のハイライトはこの女子棒高跳びだったね。ほんとに面白かった。あとは表彰式でつくづく思うことがあったのだが、それは「その②」で。
この日は12時頃にホテルに帰り、近くで軽く飲んだりして就寝。2日目以降は「その②」で。これは明日アップしよう。今夜はニューオオタニで法研の80周年パーティがある。これは欠席できないからな。
