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菅野所長のエッセイ:知れば楽しいことばかり

 先週は週末に神戸に行った。学会がありまして。

 で、予定通り東さんと待ち合わせて飲みに行ったのはいいのだが、この前は彼が東京に来ていて急に呼び出され、出版社の人も交えて飲んだのが最後。あれは2年前くらいだったか?よく覚えてない。

 とにかく今回は彼の地元、2人で意地汚く3件回ってもうべろべろだったと思うが、そこからまた他に合流したようだった。次の日に起きると、昨夜どうしたのかよく覚えてない。「昨日合流して飲んだっけ?」と訊くと、11時半頃にどこかのワインバーのようなところに来て飲んだという。そういえば、三宮の駅に吉川さんが迎えに来てくれたことだけは思い出したが、そこから先はまるで覚えていない。そこにいた皆が「けっこうしゃきっとしていた」と言うが、実態はそうではなかった。

 まあ、そこに行くまで5時間は飲んでたからなあ。東京を離れると浮かれてしまって、ついつい飲み過ぎる。しかも、なかなか会うことがない人といると楽しくてしかたない。東さんは最近は京都の先斗町によく行くそうで、その楽しさを嬉々として話すのだが、僕にはよくわからない遊びだった。
 こちらはこちらで、同じように最近知ったばかりのロードレースの楽しさを力説するが、彼はそれにはピンと来ない。ま、しかし、気には留めるだろう、お互いに。いつかチャンスがあればということだ。ま、次は8月の熊本だな。

 そのツール・ド・フランスも終盤に入っている。総合優勝はニーバリでほぼ決まりだが、それはおいて各ステージはあいかわらず面白い。とくに15ステージはスプリントステージだが、ロードレースの極みのようなレースだった。
 序盤からずっと逃げまくった選手が2人、タイム差からしてこれはメイン集団にぎりぎり追いつかれるなと思っていたところに突如豪雨が降り出し、後続のスピードが急に上がらなくなった。この地点でゴールまで約40キロ。しかし、残り20キロくらいだったかにまたたく間に雨が上がり、メイン集団が再び猛追を始める。
 そうこうしているうちに、すいすいと逃げる先頭は残り4~500メートルのラストスパート地点にさしかかる。ここで、ニュージーランド人のジャック・アバウアーのアタックが成功してこれの独走。そして、ゴールまで100メートルくらいのところまで来た。集団が後ろから迫ってくる。いったいどうなるのか? テレビでは逃げ切ってしまうようにも見えたが、残りわずか50メートルのところでついにジャック・バウアーが捕まり、結局は10位。タイム差はなしである。

 J・バウアーは、このレースで約220キロも先頭を走っていた。それが最後の50メートルで負けるのである。1万分の2のところ。競馬でもこういう展開はよくある。でも、いろんなことを計算しながら走るロードレースではなかなかお目にかかれないのではないか。と思っていたら、8月末のプエルタ・ア・エスパーニャ(スペインで行うビッグレース。ツール・ド・スペインと思えばいい)の予習をしていると、ゴール前25メートルで後続に抜かれ、6位か7位になったというのがあった。
 うーむ、たまにあるのだな。さぞかし悔しいことだろうが、僕はこういう負け方は好きだ。結果はどうあれ、自分もこうありたいね。最後の最後まで先頭にいたところ、それが自分のゴールと思えばいいのだ。

 第17ステージは、ピレネー山脈、最後に4つの坂が待ち受ける難コース。山岳賞を狙う二人のクライマー、ホアキン・ロドリゲス(チーム・カチューシャ)とラファル・マイカ(チーム・ティンクオブサクソ)が火花を散らす争いを繰り広げたが、途中ホアキンが一杯になり、勝ったのはチームの好アシストを得たマイカ。でも、こいつは相当性格が悪そう。途中、カメラに向かい、余裕をこいてウィンクした。それも2度。これがたいへんに気色悪い。

 さて、このレースで、これまでTVにはちょっことしか映ってこなかった唯一の日本人選手である新城幸也(チーム・ユーロップカー)が、登りで積極的に集団を引っ張った。ラスト25キロでお役ご免となり、結局は60位フィニッシュだったが、新城のおかげでチームのエースはベストテンに入った。
 いつか、ゆるめの山岳ステージで新城が逃げる姿を観たいものだ。けれども、ロードレースというのは選手個々に役割が決まっているので、そうはできないんだろうな。

 と、ツールにばかり夢中になっている現状である。ほとんどの人はロードレースのこと知らないからつまんないだろうなあ。でも、僕も似たり寄ったりの初心者。それでも、ちょっとわかれば面白い。何でもそうだ。知らないからつまらないだけであってね。実は世の中には面白いこと、楽しめることがたくさんある。ロードレースの場合、まず「弱虫ペダル」を読むことね。

僕も、そのうち東さんの遊びにつきあってみよう。

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