菅野所長のエッセイ:息苦しい毎日


震災から10年。特集番組を観るたび、自分に降りかかった不幸など何ということもないと思うけど、実は、このところの状態はあまりよくない。

喉頭摘出を説明するのは難しいのだが、要は喉元に穴を開けて、そこと肺とを貫通させて呼吸の道とする。鼻と口の穴は気道と切り離され、胃とつながるだけの食道となる。でも、これは自然の摂理ではないからか、術後、この気道には多くの痰が発生し、それが呼吸を阻止するので、みな吸痰器というものにお世話になる。喉元の穴にチューブを突っ込んで痰を吸引するのだ。退院以来僕も毎日何回もやっているが、ひじょうに面倒くさい。

そしてただ面倒なだけならいいのだが、このところ痰が粘着性を帯び、塊にもなり、気道をどんどん閉塞させるようになってしまった。とても苦しく大変である。家でおとなしくしている分にはまだいいけど、ちょっと出かけるだけで必ず呼吸困難に陥る。今日もこれは消炎系の薬をもらおうと駅近くのクリニックに行ったが、往復20分ほど、後半半分以上はゼーゼーだった。明日は予約ではないが大学病院に行って窮状を訴えないといけないと思っているが、電車に乗りバスに乗るあそこにいくだけで不安だ。でも、これを何とかしないと、何もできないもんな。

シャワーを浴びるときも、冗談でなくもう命がけである。入院しているときも、シャワーの時は看護師が見張りにつくくらいで、肺に水が入りやすい喉頭摘出者にはとても危険なのである。もうとうぶんシャワーはやめとこうと思っていので、明日は水を使わないシャンプーというのを買ってこようと思っている。しかし、痰の粘着化を止めるのは自分の努力ではどうにも難しい。これで気道が塞がり、窒息するのではないかという不安があって、夜もほとんど寝てない。これって、抗生物質以外に解決の手段はないよねえ。ドクター、何とかしてくれ。

この問題が解消したら、いろいろと他のことを書こう。