震災から1カ月。
まずは、被災地の方々に心からのお見舞いと、亡くなられた方々にお悔やみ申し上げます。
震災以降、混乱と不穏な日々の中、なかなか自分の日常での気付きや心情を言葉にできず、またそのような時期でもないだろうと判断して、スタッフコラムもしばらくお休みさせていただいていました。
震災直後、個人的には「とにかく冷静にしなくちゃ」と、まるでロボットのように無感情的に過ごしていたように思います。
これは逆境直後に人の感情が一時的に取る“緊急モード”です。他にも、“攻撃的になる”“逃避・回避する”などのモードがあります。
これはあくまで緊急用なので、長く持続はしません。私も徐々に疲労感、苛立ち、からだの不調など、心身がサインを出し始めました。
自分自身のスーパービジョンで整理すると、恐さ、不安、怒り・・・たくさんの感情が出てきました。“つらかった”それを自分で受け止めてはじめて、少し、安心することができました。
最近の世の中の様子を見ていると、
・本震以上に強い揺れはないと頭ではわかっていても、余震に強い恐さを感じる
・(東京などでは)数値的には飛行機に乗る方が危険だと頭ではわかっていても、放射線が恐くて関西に脱出を図る
・全く問題がないと再三言われていても、不安で出荷停止区域でない地域の野菜を買い控える。
・物流がある程度整っているにもかかわらず、買占め衝動が起こる。
高度な知能を持っていても、人がいかに感情で動く生き物なのかということを痛感しています。だからこそ、おざなりにしないでいただきたいのです。
震災から1カ月。とはいえ、余震も続くし、放射線問題も続くし、実際にはまだ震災のさなかです。
被災地以外で、日常生活が少しずつ取り戻されている方で、「なんかいつもと違って疲れるな」「体調不良だな」「イライラするなぁ・・・」という方は、自分で、あるいは周りの方々と、この1カ月自分がどんな気持ちだったか振り返って、「つらかったし、まだ恐いね。でも少しずつ復興が進みつつある面もあるね」とゆっくり言い聞かせ、落ち着かせる作業をする時期がきているのではないかと思います。