先日、長年親しんできた楽器演奏を再開する機会に恵まれました。
人生のほとんどを共に過ごしてきたものの、ここ半年は諸々の事情で演奏する時間が取れず、この年末にご縁あり解禁の運びとなりました。
久しぶりに演奏してみると、身体も心も緩んで、自由になる幸せを味わいました。
「これが自分らしさというものなのか」とも思ったのですが、どちらかというと“自分でなくなる瞬間の心地よさ”です。
日常生活でエゴと社会的役割にまみれた自分が、どうでもよくなる瞬間。
ただふわりと空気の中に漂うような、無垢で透明な瞬間。
これまで長らく演奏してきましたが、こういう感覚になったのは初めてで、新鮮な驚きがありました。
逆に言うと、日常生活を送る中でたとえ平穏なようでも、知らず知らずのうちに役割意識や規範意識と様々な欲望とが交錯し、せめぎ合い、増幅していたのか・・・そしてその汚れにまみれた自分に嫌悪し、その自己嫌悪が苛立ちとなり家族に八つ当たりして、それをまた自分の役割意識や規範意識が罰して、でもやっぱり強欲な自分は様々な欲望をゼロにすることはできず、交錯し、せめぎ合い・・・という無限ループに・・・ああああ(恐)
というわけで、1年の最後に自分を浄化できた、幸せな体験でした。
自分自身の、そして家族の精神的健康の為にも、来年はもっと演奏しようと思った年末でした。
皆様、よいお年をお迎えください。