残暑見舞い申し上げます。
暦の上では立秋を過ぎると夏も後半戦。こうした挨拶が使われる。
春分の日や秋分の日など、季節を 24 に分けた二十四節気は私たちの生活に根が張り有名だが、季節を 72 に分けた七十二候(しちじゅうにこう)というものもある。
それによると、立秋は、「寒蝉鳴(かんせんなく)」と呼ばれ、蜩(ひぐらし)が鳴く時季ということらしい。
確かに梅雨が明けてすぐは聞かれない蜩の声。
風情のある季節の呼び方ではないか。
蜩の鳴き声は日本の原風景を思い起こさせ、郷愁の思いに駆られる。
やかましいほど声が大きくても、さほど嫌な気持ちにはならないのは不思議だ。
この時季に見られる虫、と言えば、こんな記事を見つけた。
「蚊」がいなくなっている……猛暑が原因か、「今年は蚊に刺されない」との実感も」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1408/19/news047.html
そう言われてみれば、夜に公園を通った時には刺されたが、長野の山奥に何泊かした時も、いかにも蚊がいそうな池の近くに行った時も刺されなかった。
数字がうろ覚えな知識だが、蚊は気温が20度前半の時に活発に活動し、30以上の気温になると日陰で昼寝をするそうだ。
その習性を利用して、室内にあえて日陰を作り、蚊取り線香で一網打尽にするというやり方もあるらしいが、今年はそんな出番もないのかもしれない。
運がいいのか、今のところあの忌々しい羽音で眠りを妨げられることもない。
このまま静かにしていてほしいと思うのは、蜩を贔屓しすぎか。