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彼氏彼女のゴール

 初の女性総理誕生かという局面だが、ほぼそうなるだろうな。しかし、この政権はそれ以外にウリがあるのかどうか。中身は麻生政権だし。昔ながらの自民党政権。王政復古といったところだろうか。

 総裁選勝利での会見では、もう嬉しさが隠しきれない様子だった。これからが大変だと言いつつ、口だけの感じ。あれはゴールにたどり着いた歓びにしか見えない。彼女にとって、総理になることこそがゴールだったのだろう。だからそのためには何だってしますわよと。悪魔(註)に魂を売ろうが総理の座を手に入れますわよと。たぶん小泉は、麻生の子分を大量に閣僚に入れるという取引には応じなかったのではないか。矜持とはちょっと違うかな。高市と違って、彼には次があるからね。ゴールはまだ先だと。

 欲しいものは手に入れた、この先にゴールはない、そうなると人はいろいろと考えも変わるのだろう。靖国参拝を見送ったのもそういうことだ。ちょっと前までは、何がどうあっても私は靖国に参拝するというのが高市の姿勢だったはずだがなあ。こうなった今は、もはや戦没者協会などの支持も必要ありませんわよと。その方面から批判されようが全然かまいませんわよと。

 結局、もともと思想信条の意識は薄く、立身出世が本懐だったということね。

 僕は、別にそれが悪いとは思わない。政治家というのはそういうものだからだ。彼は皆権力に憧れる人たちだからね。だから最高権力者になることが彼らのゴールなのである。

 ただわれわれは知っておかなければならないのではないか。ちょっと前に小泉陣営のやらせの中に「ビジネスエセ保守に負けるな」という文面があったよね。あれが決して妄言ではないことを、まさに高市早苗が証明して見せたのではないか。近年右寄り保守の台頭が目立つわけだが、それらが皆信用できないのは、利得利権のための思想的な装いに過ぎないと僕は思っているからだ。結局は選挙基盤である固定票が欲しいと。アメリカのライフル協会と共和党との関係、それと同じような構図が靖国問題と自民党他にはあるわけよ。

 結局、右だろうが左だろうが、政治の世界にあっては、そういったものは手段のひとつに過ぎないということだ。

 ちなみに、JRAの騎手を養成する騎手学校の卒業式では、一切涙が見られないという。それは卒業生皆がここがゴールではないこと、ここからが始まりだということをよく分かっているからである。高市早苗はこちらに”参拝”に行くといいかもね。

 しかし、女性が総理になるというのはめでたいことである。これを機に、もっと女性の地位が上がるといいよね。

 海外サッカーではそれがすごいことになっている。

 あの年で長期契約を結んだ長谷川唯を筆頭に、藤野、山下を擁するマンチェスター・シティ。先日のアーセナル戦は、3-2の勝利、すさまじくも面白い試合だった。この世界最高峰の試合で日本人3人が躍動。3人とも素晴らしい活躍だった。あるいはマンチェスター・ユナイテッドの宮沢ひなた、いつのまにか名門チームの司令塔となっており、彼女の影響でユナイテッドのサッカーが明らかに向上しているのである。これは長谷川唯がシティを強くしたときと同じ経過だな。

 ドイツでは、絶対王者バイエルンの20歳谷川萌々子が早くも司令塔として君臨しており、先日はリーグ初得点を挙げた。萌々子ちゃんはすでにバイエルンではいちばん上手い。つまりドイツでもいちばん上手い。アメリカでは、FW松窪真心が絶好調である。この子はよほど体幹が強いのだろうな。瞬発力があり、足元も上手い。谷川は契約上まだ無理だろうが、松窪はさっさとイギリスに行って欲しいものだ。スーパーリーグの中堅クラスなら即エースである。

 この分なら、次のW杯は楽しみだなあ。男子よりも可能性があるよね。問題はDF陣だけだ。今夏トッテナム移籍した古賀塔子がいるけど、それ以外はかなり落ちるからなあ。しかし、6~7人が紛れもない世界トップクラスというのはすごいことだよね。あとは監督がしっかりしてくれれば。

 次のW杯で彼女たちの素晴らしいゴールが見たいものだ。

(註)文脈上、ここでの「悪魔」とは麻生太郎その人に他ならない。高市と麻生、どちらも相手を利用して理を得たというわけだが、しかし、副総裁の椅子に身を埋めながら、何か不測の自体があれば、俺がまた総理になってやろうかという野心もありと僕は見る。

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