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菅野所長のエッセイ:ノブレスオブリッジ

 今週の僕は今日でおしまい。明日から神戸に行くのだが、例年に比べて涼しいのが救いだなあ。あっちも東京と変わりないみたいだし。だいたいやることはやったと思うのだが、理想を言えば原稿をひとつ書いておきたかったかな。
 
 それとやはり安保法案だね。特別委で可決したわけだが、このまますんなり通ってしまうのだろうか。

 それにしても民主党が、公聴会にSEALDsのメンバーを呼ぶとか言ってるのはほんとにバカげてる話だと思った。彼らはまったく理論的に語れないものな。事の真意は多少わかっていて、今どきにしてはその行動力は評価するが、そんな場所で語れる器ではないから恥をかくだけだ。そんなものに頼ろうとするところが、この党もまた何も変わっていないことを示している。

 しかし、首相を始めとした自民党の一部は、どうしても一戦交えたいという欲望に突き動かされているかな。首相としては、爺さんと同じように、ポピュリズムにに屈しなかった政治家として名を残したいのかもしれない。けど、爺さんは「昭和の妖怪」と呼ばれてたわけで、そういう名の残し方だった。孫の場合はそこまでのインパクトはないから「平成の座敷童」がいいところか。

 そんな政情に対して、たぶん戦争まではしたくないが、軍需景気には大いに期待する経済界が後押しするということなのだろう。結局、何が正しいというより、この法案によって誰が得をし、利益を得るのかという問題に尽きる。一番はもちろんアメリカだ。

 だって戦争抑止が目的なら今までの通りが確実と言える。何しろ、憲法のおかげで、70年もの間、戦争も戦闘もしなかった歴史上にも稀な国なのだからな。

 でも、武力行使派についても、考え方としてはまったく理がないわけでもない。もちろん違憲ではあるが。でも、どうしてもやりたかったら、首相も、法案賛成者も、義勇軍でもつくって、アメリカの傭兵として「世界の平和」のために戦地に飛び出せばいいじゃない。それなら僕は強く反対しない。実際日本人の傭兵もいることだし。でも、彼らにはそういう気はまったくないだろう。そうした気概が全然ないのも見え見えだから嫌なんだよなあ。

 いわゆる”ノブレスオブリッジ”。
JRAにそういう名の競走馬もいたが、軍備拡張、戦争をしようと思うならば、自らも兵となるだけの姿勢や覚悟も問われるのではないかと思うがね。少なくとも、英米ではそこは問われる。そして安全なところにいるだけのリーダーは批判を浴びる。やっぱり卑怯者とみなされるわけよ。
 だから、いくら「国民を守る」なんて熱弁しても、口先だけだとバレてしまう。理論的にはお話にならない反対派の学生や主婦だけど、そういうところは易々と見抜いちゃうということなのだ。

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