銀座周辺では、もうひと月前くらいから銀杏の実が歩道に落ちている。鍛冶橋通りに昭和通り、確か5丁目のほうにも銀杏並木があるしね。
歩道にポツリと落ちている黄色い実を見ると秋を感じることができるわけだが、しかし、清掃が行き届いているせいか、さほどには落ちていない。たぶんあの悪臭もそんなにしないのではないか。何しろ、今の僕は嗅覚がないのでわからない。今ではあの悪臭さえ懐かしいのだが。
それはともかく、イチョウの木というのは、日本では馴染みだが、全世界的に見れば絶滅危惧種なんですと。2億年前から地球に存在し、極寒、極熱でなければ生育する木であるから、かつては世界中にあったのだそうだ。6000年前頃、イチョウは世界から姿を消していき、日本でも100万年前には当初のイチョウは絶滅したのだそうだ。現在日本に生育するのは当初のイチョウ類とは違う種であるようだ。
日本人にとってイチョウは子どもの頃から当たり前の樹木なのだが、世界的には「生きた化石」と呼ばれるくらい珍しいものなのだ。であるから、戦国時代に日本を訪れたポルトガルの宣教師ルイス・フロイスは、ヨーロッパではとっくに絶滅しているイチョウがあるのを見て驚愕したということである。その150年後、植物学者でもあったシーボルトが日本に来た理由もイチョウの存在が大きかったのかもしれないな。17世紀、イチョウの種子は長崎からヨーロッパに渡り、オランダやイギリスなどで植栽が進んだようで、現在ではヨーロッパでもイチョウの木はある。
でも銀杏を食べるのはどうも日本人くらいのものらしく、訪日外国人が驚く様子がユーチューブで散見される。そもそもイチョウの木がほとんどないからしかたないが、確かに銀杏は独特の食べ物だよね。ぼくは大好きだが。煎って塩でまぶしたのが一番好きだ。茶碗蒸しで銀杏を発見するときの小さな喜びも捨てがたいな。でも世界的に、歴史的に言っても、これほど貴重な食べ物だとは知らなかった。
それからゴボウを食べるのも世界で日本だけだと聞いたが、これは本当なのだろうか。でも、多分本当だろうな。ゴボウも美味しいよね。ゴボ天、魚の煮付け、チップスなんかもいい。まあ、食べるものにかんしては、ほんとに日本人に生まれて良かったとしみじみ思う。
そして、喉頭を全摘して、嗅覚は失ったけど、味覚のほうはそんなに損傷していなくてほんとによかった。芸人でワッキーというのがいて、彼も咽頭ガン手術をしたのだが、手術後は何を食べても美味くないとコメントしている。それは悲しいよなあ。
でも、僕の喉だが、このところ痰の排出量が多い感じで困っている。先日はチューブを丁寧に掃除しているにもかかわらず、会話中にほとんど声が出なくなったんだよね。シャント手術してからもう2年くらい経つが、あんなふうになったのは2回目だ。たぶん、その日の体調にも関係しているのかなあと思うのだが、よくはわからない。大事に至ることでもないからいいけど、人と話すことが決まっている前日は心配でよく眠れない。今日も朝のうちに税務署に行かなければならない用事があったのだが、窓口でちゃんと話せるかどうか心配で不眠となった。でも何とかなったけどね。
週末にはなでしこジャパンの韓国戦がある。今度こそ谷川萌々子が先発するかもしれない。長谷川とのダブルボランチを観たいのは僕だけじゃないだろう。
何しろ、一年目のスウェーデンの一部リーグで、現在チームは22勝無敗、本人は得点王。まだ19歳である。しかし、試合を観ていると、中高校生の中で一人実力違いの大学生が交じり、周りに見本を示しつつ教えながらプレイしているかのようなのである。イングランドやスペインリーグに入れば、さすがにここまでの差はないだろうが、現状でも世界のベストイレブンに選ばれてもおかしくはない。
あとは、チェルシーの浜野とマンCの藤野の両ウィングを観たいね。この二人は同期。アンダー世代の代表では、浜野は主力、藤野は控えだったが、ここへ来てほとんど追いついたね。で、長谷川、谷川、浜野、藤野、そしてGKの山下。押しも押されぬ世界レベルの選手たちが同じピッチにいることを願っているのだが、監督が佐々木だから心配だ。ちなみになでしこの次の監督だが、川崎フロンターレを辞めて浪人しているらしい鬼木監督を激推ししたいね。