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菅野所長のエッセイ:残酷な月日

ゴールデンウィークももう終わりだが、僕の場合は8日間も連続で休みにしてしまった。そうはいかなかった世間の方には申し訳ない。報告というわけでもないが、色々あったりなかったりだな。

前回コラムの次の日曜には予定通りTCC登山部の初活動。天気は悪かったが高尾山に行った。家族連れが不参加で結局8人くらいだったかな。高尾山は、東京では小学生3年生くらいで必ず遠足に行くおなじみの山である。標高599メートル。いままで何回か行ったが、簡単に登れる低山の代表である。

で、なめてたわけだが、やっぱり山は山だ。ものすごくきつい。もし一人だったら絶対に途中で引き返していたな。根性ないもんで。しかし、他の人と一緒だと引き返すわけにはいかないので、何とか登ったけどね。
考えてみれば、僕が山登りによく行っていたのは20代から30代前半くらいまでだ。周りに好きな人がいたもんで、それに付き合ってやっていた。そもそも、ああいうストイックなことは合わないので、「いつも来るんじゃなかった」と登りの途中では思ってたね。でも、引き返すわけにはいかず、なんとか登り切ると。頂上に行けばそれなりに気分はいいので、また来てもいいかなと思い、それを繰り返す。東京、近郊で日帰りで行けるところはだいたい登ったね。その中でも高尾山は断トツに楽チンな山なのである。ああそれなのに、このていたらく。月日とは残酷なものである。

3週間前のことだが、模様替えのために仕事部屋の片づけをしていたら、20年前のTCCの開所パーティの写真集が出てきた。それを見ると、当然所長の自分が挨拶していたりする。そこに映るのは、まだ髪の毛がふさふさでもっと痩せてたころの自分である。おお、これならば、ちょっと素敵なおじさまという感じでいけるんではないかと思った。周りもまあまあ同意しているし。
しかし、それがどうだ、今はただのハゲでデブでしかない。もはや誰からも相手にされない醜男だ。月日とは残酷なものである。

ま、しかし、月日は残酷だが、それだけにやりたいことやっててよかったとも思うのである。後悔はないもんね。

高尾山の2日後の火曜日。満を持して伊藤若沖展に行く。朝行って、その後に仕事場で十分に間に合うという目論見だったのだが・・・。9時半の開場時間に行けばいいだろうと思ってたのが甘かった。すでにかなりの行列。前売り買ってないのでチケットを買うだけで30分弱、そこから入館できるまで1時間はかかるという。チケットを買ってそれであきらめ、仕事場へ向かう。明日はもっと早く行こうと決心。

翌日、会場の45分前に到着。すでに1000人はいるかな。それでも今日は大丈夫と確信できる。館側も30分会場を早めてくれたのも嬉しい。しかし、中は混んでいる。徳に人気の「動植-」はじっくり見るのが困難。まあしかし、それでも何とか満足はできた。早く来たのがよかった。

今回、実物を前にして手前勝手にだが気づいたことがある。若沖の作品のいいやつはほとんどアメリカ人のジョー・プライスが買ってしまっているわけだが、それは少し思い違いだったということだ。作品の最高峰は間違いなく「動植さい絵」の30幅。まず、これに比べればプライス・コレクションはかなり落ちるし、プライスコレクションそのものがアメリカ人趣味だなということ。ヨーロッパの人間なら買わないのではないか。やっぱりアメリカ人はラッセンで喜んでりゃいいと。

というのも、もしヨーロッパの画家たちが伊藤若沖を知っていたならば、絵画の歴史はかなり変わっていたのではないかと思うのである。たとえば印象派たちは浮世絵の影響を受けたところがあるわけだが、これが若沖であったとすれば、ゴッホもモネもルノワールも多大な影響を受け、ああいった風にはならなかったかもしれない。若沖はそれくらいの画家であると僕は思う。比較するならダビンチかな。

というわけで、若沖を観たことで人生の思い残しがまたひとつ減ったぞ。ハゲでもデブもまあいいか。

で、そこからはゴールデンウィークに突入。ゴルフを3回やり、あとはぐうたらと過ごした。結果、しかし今日はけっこう疲れている。また明日ゆっくり休もう。月曜は「ちはやふる 下の句」でも見に行こうかと。

競馬、明日のGⅠはNHKマイルカップ。これは混戦だが、④メジャーエンブレム⑤ロードクエストが人気。③アーバンキッド⑧イモータル⑩ダンツプリウス⑭ブレイブスマッシュあたりが人気がないのは不当な印象である。この6頭をいろいろ絡めた3連複でいこう。あとは⑥ティソーナ⑱レインボーラインまで。

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