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新旧はいかに

 高市内閣が発足。維新との連立となったが、海賊と同じで、お互いの利益のためだけに結びつく。それが悪いわけでもない。連立解消の公明もそうである。「議員とカネの問題」なんてのは表向きのきれい事であって、それがほんとなら、そもそも自民と連立なんてしないし、安倍政権との蜜月時代もなかろう。要は学会中枢からの指示で動いているだけの話だ。

 維新の場合も、党首が「議員数削減」なんてイキがってはいるが、どうせうやむやになるだろう。さほどいいテーマでもないしね。そもそも維新は自民の補完政党のようなものであったから、自立できないと分かってようやく元サヤに収まったという印象である。この政党は自民にすがり、やがては吸収されるしか道はないのではないか。吸収されるならまだいいか。自民が人気を盛り返したら捨てられるだけかも。閣僚に維新が一人もいないというのが笑えるし。さすが大阪ローカル。国政を担う人材は皆無か。

 まあしかし、維新のおかげで高い支持率を得たのだから首相は感謝すべきだろう。満願かなったよね。

 高市早苗にかんして、いつも僕の口ぶりはネガティブだよね。というのも、若い人や世間の認知は違うようだが、僕にとって高市早苗のイメージはあくまでタレント議員なのである。若い頃は蓮舫と一緒にキャスターの真似事みたいなことをしてTVに出てきて、それで顔と名を売って政界に進出したんだよね。で、自民党は3番目の政党かな。

 でも若い頃は、何というか溌剌としたものがあって良かったよね。蓮舫なんかより頭いいし。好感持ってた。

 しかし、年を取るに連れてどんどん人相が悪くなっていったな。誰でも年齢とともに容貌は落ちていくものだが、それでもいい年の取り方ってあるじゃない? 高市早苗はそれと真逆な感じなのである。何というか、欲にまみれていく感じというかね。たとえば、麻生太郎なんていうのはずっとマフィア顔、悪人顔で変わらないわけでね。蓮舫にしても、昔はのんきな顔立ちだった。年とともに怒りっぽく神経質な面があらわれているが、それでもおおもとは変わってない。高市早苗のような変わり方っていうのはあんまりないんじゃないかと僕は思う。

 実は僕は、高市早苗を密かに反面教師としていた。年を取っても、こんなふうになっちゃいかんなと。何十年もまざまざと見てきたからなあ。

 とにかくこの政権に期待できることがあるのだろうか。古い船を動かすには新しい船乗りが必要だと思うのだが、(麻生派、安倍派という)古い船乗りを乗せてしまっては、いずれ座礁、沈没が待っているだけだろうに。

 さて、関東も含め、北日本の山々から熊があふれ出ている。中には数十メートルも後ろから襲ってきた映像もあった。あれは熊が人間を「獲物」として認識している証拠ではないのか。山でひょっこり遭遇したというのは、昔話の世界になりつつあるのかもしれない。こうなると熊鈴なんかもかえって危険だよね。あれは熊が人を怖れるという前提で成立するツールなんだから。認識を新たにしなければいけない。

 海も山も日本の自然は大変なことになってきているな。北海道ではサケが獲れず、ブリが大漁ということだ。北海道ではブリが人気がないので、漁師さんはちょっと困り顔なのだが、関西に持っていけば高値で取引ができるとわかって、ブリ漁にも力が入っているらしい。ブリの美味しい食べ方も道民の間で広まっていくだろうしね。たぶん、北前船の時代も。獲れたブリは関西に運ばれてたのではないか。

 それから、今ではシイラも北海道で獲れるらしい。シイラはブリよりもはるかに温水域にいる魚である。ハワイはシイラ釣りの本場だが、「マヒマヒ」と呼ばれて人気がある。刺身でもまずまず美味しいが、やはりフライとか、火を通したほうが一般的かな。この調理法も北海道民は困るだろうな。

 逆に関西ではサケが人気がない。お正月の縁起物として、北日本では新巻鮭があるが、関西ではそれがブリとなる。どちらも縁起がいいことが共通だ。サケは稚魚が海に出てまた生まれ故郷に帰るという、「立身出世」のイメージ、そして「災いをサケる」という意味がある。ブリは言わずもがな、出世魚の代表だからだ。要は、しかし、関西ではサケが、北海道ではブリがあまり獲れないことからこうなっているわけだが。

 北海道の次にサケと言えば新潟である。村上市の塩引き鮭は昔から有名だ。

 で、村上の人々とサケの関係というのが実に興味深い。村上では獲れたサケを塩引きにして倉庫に吊るし、何ヶ月も寝かせる。塩引きにする際、腹を割いて全身に塩をまぶすわけだが、腹を切る際に二つに分けて切るということだ。村上の塩引き鮭の腹は確かに二つに分かれている。なぜ分けるかというと、一文字に切るのは、切腹のようでサケに申し訳ないからということらしい。すなわち、サケは罪人であるわけもなく、毎年毎年自分たちに恵みをくれる宝魚なのである。そんなサケへの感謝の気持ちをその切り方で表しているのだ。

 うーむ、そうだったのか。すごいよねえ。外国人にはそうそう理解できないところだよねえ。日本人であっても、最近の若い人にもそうかもね。醤油ペロペロのバカッター高校生あたりにはこういうことを教育してあげたらどうかなと思う。昔、アメリカの高校で悪さをした生徒にある学校が科した罰は、映画「プライベートライアン」を鑑賞させることだった。それと同じように、村上のサケのドキュメンタリー動画をいろんな人に観せるのもいいかも。

 つまり、日本のすごいところは、何十もノーベル賞を取ったり、最新のテクノロジーや世界有数の都市などを誇りつつも、いまだにこのようなアニミズム的な文化が息づいており、そうした文化もまた大事にされているところであろう。その幅がすごいよね。たぶん日本が世界一であるとすれば、新しさと古さが世界で最も共存しているところではないだろうか。

 ちなみに、昔の塩引き鮭はものすごくしょっぱかった。これは昔の人じゃないとわからない。シシトウもすごく辛かったな。今のように食べやすくなったのも、古いものが新しく進化したからということになろう。

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