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悲しい歴史

 日大の背任、不正騒動を通してわかったことは、あの忌まわしいタックル事件がまるでなかったかのようになっていたことだ。しかし、今回ははっきりとした証拠があるようで、本丸の理事長逮捕までいくのかもしれない。

 今回は、附属病院の修繕費にまつわるものだが、そこに通院しているのが僕である。この一年何回通ったことか、いくらお金を払ったことか。

 病院は毎日大盛況。昨日は血液検査とMRIの検査の結果と次回の予約だけのために行ったのだが、2時間50分も待たされた。バブル時代の休日、苗場スキー場のゴンドラリフトの待ち時間くらいだ。年を取っていると、いろんな比較ができてちょっと楽しい。

 さて結果は、MRIでは判然とせず、である。医師が言うには、しかし、PETのほうが有効である場合が多いので、生検を受けるのがいいと。それならMRIなんかやらなくていいんじゃないの? と主治医にはツッコめないので、ここで遠吠えよう。待たされすぎてぐったりしてたしね。

で、1泊2日の検査入院、その前のいろいろな検査日が決まった。来月だね。MRIでもはっきりしないし、PSAの値もグレーゾーン。医師の見解は(ガンであったとしても)大したものではないということだ。まあそうなんだろう。とにかく生検をやればはっきりするのだが、この病院でもあのときと同じように痛いのだろうか、それだけが心配だ。

 日大という組織については、みんなが呆れているだろうが、ああなってしまったのにはこういう事情がある。

 昔、学生運動が盛んだった頃、それを抑えるために機動隊を学内に呼ぶことが検討されたが、やはり学問の府にそのようなことをしてもいいのだろうかということで、どの大学でも躊躇されていた。最終的には安田講堂を陥落させたのが機動隊であったように、アカデミーとしての自負も打ち破られてしまうのではあるが、安田より前のこと、日大では、大学側が、体育会系の学生を使ってこれを鎮圧するという挙に出た。機動隊がだめならと、それに相応するような暴圧的な集団を内部調達したのである。

 ここで中心的に招集されたのは、当然格闘系である。なかでも田中現理事長が仕切る相撲部はその筆頭であった。このやり方をいくつかの大学がまねしたと思うが、ほとんどの大学ではこのようなことはなかった。日大において、鎮圧に貢献した彼らは、その功労が認められ、多くが大学に雇われるようにもなった。そして、反社的な組織力と雰囲気を武器に、邪魔者を追い払いつつ、田中理事長は権力を握っていったのである。

 悲しい歴史である。そもそも日大紛争というのは、当時の総長によって何十億もの使途不明金が出たりして、それを正すべく学生たちが立ち上がったものだったのだ。もう50年以上も前のことだが。

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