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菅野所長のエッセイ:優勝祈願

いやあ、恐れ入りました。

なでしこジャパン、何と決勝まで勝ち進んだ。
まさかドイツに勝てるとは思わなかったもんな。
ドイツに勝てれば、当然スウェーデンにも勝つよね。

ドイツ戦の勝因は、FW永里をハーフタイムで交代させたことだろう。今回のチームは永里を絶対的なFWのエースとして構成されていたが、予選から明らかにこれが機能していなかった。つまりは力不足。永里の代わりに入った選手が3得点だから、それはかなり明らかではないのか。先週はそういう采配についてダメ出ししたが、よく思いきったものだ。一転、名監督になっちゃった。永里がまだ若いからできたかな。スウェーデン戦は川澄が大当たりだし。当然、決勝もそれでいくのではと思うが。でも、スウェーデン戦のベストプレイヤーに選ばれたのは、川澄の2点につながるパスを出した宮間。ときどき雑なプレイをするのが難点だが、あいかわらずキックの正確性は世界一と言ってよい。何でも女ベッカムと呼ばれているらしい。気になるのはバックスだな。右サイドの近賀には替えはいないのか。

しかしねえ、昔から女子のほうがいいサッカーをしていると僕は言ってきたが、決勝ラウンドからのプレイはほんとに素晴らしい。小さい身体で世界に互すには、ああいうサッカーしかないよね。必ず数的優位に立ってのデフェンス、高い位置でボールを奪う。でもあれをずっとやるのはほんとに大変なんだ。相手の倍くらい走るつもりでやっていないと。ほんとに尊敬しちゃうなあ。誰も怠けないし。

それにしても、あのイングランド戦はいったい何だったんだ?と。NZ戦もそうか。決勝からはほんとに見違えた。澤も、やはりパスミスが目立つが、それでも視野の広さは随一である。それからFW陣はなかなか層が厚い。それに比べてバックス陣は層が薄いのか、交代要員がいないようだ。いつもひやひやするのはバックス陣のボール回しで、プレッシャーをかけられると、すぐにバックパスをする。これは男子も同じか。どうも日本人のメンタリティとかかわっているようだな。スウェーデン戦でも澤の横パスがカットされたが、アメリカはこれをもっと意識的に狙ってくるのではないか。アメリカはドイツ並み。スウェーデンよりプレッシャーがきつい。苦戦は必至である。日本は気持ちの上で絶対に守りに入ってはいけない。つねに1点を追いかける気持ちでやれるかどうかだな。メンタル的には。

まったく体調があまりよくないっていうのに、睡眠不足もはなはだしい。しかし、その甲斐はあったな、おつりが来るほど。その健闘ぶりにはまったくもって感動するしかない。たとえ負けても、ああいうサッカーをしてくれれば僕は満足です。
でも、ドイツに勝ったというのは、ほぼ世界一に勝ったということなので、一度も勝ってないアメリカ戦も勝機は十分にある。と思っているのは、僕だけじゃなくて、世界中がそう思っている。世界中が女子サッカーの概念を変えた日本チームに魅せられてしまっている。アメリカ人以外はみな日本の味方だろう。でもって、これは互角の勝負と。
まさかこんな日が来るなんてねえ。世情は明るくないが、いまはこれが唯一の光だ。

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