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菅野所長のエッセイ:人生50年前

先日、ノーベル賞受賞学者4人が共同で声明というか提言をしたが、だいたい理にかなっていることばかりだ。山中教授がずっと前からも言ってたことけどね。
その中で、神戸のほうの企業がPCR検査を素早く大量に行うことができる移動車両をすでに開発しているという話があった。一台1億かかる。だから、1000億の予算を使い、全国に1000台の車両を稼働させれば、1日250万人の検査ができるというのだ。1ヶ月半で国民全員だな。他に金を使うよりもはるかに効果が期待できるね。とにかく、陽性者を見つけてこれを隔離するというのがいちばんの道なのだから。軽症、無症状の人用にはホテルを用意。ホテルも大喜び。って、僕が前に計算したのと同じだな。五輪予算とか軍事予算で十分まかなえるんじゃないの。

こういう対策をまったく打てない政府だが、たぶんブレーンの質が悪すぎて考えもつかないというのが真実ではないのかな。厚労省及びその筋の「専門家」のことだが。

実は、昔からのインフルエンザについて、その感染経路がどう考えられているのかを調べてみた。すると、飛沫感染であることを前提に、マスク、手洗い、うがい、密を避けるなどの予防法が全面にある。コロナの初期の時とまったく同じだ。

驚くべき事に、「食事」、「家庭内」といった記述はそこにまったくないのである。ウィルスはドアノブや手すりなどに多く付着し、それに触った手をうっかり口に付けてしまう、という経路であるというのが「専門家」の談なのである。もちろんそれも間違ってはいないのだが。
僕が驚くのは、コロナについては、最近になってではあるが、会食、家庭内感染がおもなものとされているが、何十年と研究や調査期間、考察期間があったにもかかわらず、インフルではまったくそこに「専門家」の考えが及ばなかった点である。
この場合の「専門家」とはほぼ感染症専門の医師、医療技官ということになるが、僕が思うに、ここに社会学的な見地を持った研究者が入っていれば、間違いなく正しい経路に行き着いていただろう。なぜなら、この僕でさえ、去年の春には気がついていたんだからね。でもああいう視点は医者にはないんだろうね。医者って、僕はよく言うけど、理系の人だからね、社会的、コミュニケーション的な見地がないわけよ。
厚労省の考え方がいつも間違うのはここにもあると見た。

先日、音友に頼んで「フィルモア・ラスト・デイズ」というライブDVDを手に入れた。これは、50年前にアメリカ西海岸の有名なライブハウス「フィルモア」が終わるのを記念して、ウェストコースのバンドが多数参加したイベントの映画である。

僕はこれを観に行ったのだが、口コミによると池袋の前進座とある。前進座とは映画館ではない。収益は上がりそうにないので、どこも上映してくれなかったからそうなったんだろうか。よく覚えていないが、当時18か19でプー太郎だった僕は、大学の彼女と一緒に行った(はずだ)。この10年か20年、これのDVDを探したがまるで見つからない。それがどうもつい最近DVD化されたようだ。映画にまでなったのに何で?と思うが、音楽系はいろんな権利が絡むのでそういう理由なんかなと思ってた。

でも50年ぶりの映像を観て想像も膨らむ。ひとつには、この映画はライブの合間にオーナーのビル・グラハムという男が再三出てきて、何ごとか話すのである。うっとうしいたらありゃしない。確か当時も、あれはグラハム個人の宣伝映画なんじゃないかと揶揄もされていた。
その話の中で話題になるのは、当時人気が沸騰し始めたサンタナのことである。サンタナはトリじゃないと出ないとか、いろんなことを注文してくるのだが、そのたびにグラハムはなんて生意気な奴らだと怒りまくり、じゃあ、デッドはどうなる、クイックシルバーだっているぞとか怒鳴る。しかし、サンタナが出ないことには画竜点睛を欠くことも確かだ。その苦悩も見える。

で、想像だが、DVD化がここまで延期された理由その1.映画ではサンタナはかなり悪者扱いされているので、サンタナがDVD化を嫌った。

次に、映画では登場していたが、DVDには出てないのがボズ・スキャグスである。あのとき、ボズのことを知らない僕は、何とも田舎っぺなあんちゃんが出てきたなあと思った。歌もださかったし。たぶんみんなそう思ったんじゃないか。
その後ボズは、AORの貴公子のごとく、おしゃれなサウンドで世界中を席巻するのである。そのボズが昔のダサイ自分を観られたくないということで差し止めていたんじゃないか。まあ、そう思うと実に楽しい。

50年、半世紀前のことだ。あの頃の自分は、これから自分がどうなっていくのかなんてまるでわからなかったな。ただ、ときどき日雇いに行って、夜には酒をあおりの日々。大学にも行かないと思ってたし。まあ、人生というのはどうなるかわからない。こんな年になっても、ちょっとそれは続きそうだ。

 

あとはマンガ「こころの日曜日」(法研)が店頭に並ぶかな、そろそろ。なかなか面白い。

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