菅野所長のエッセイ:素人の経営学

 先日自民党が出したマニュフェストの中身は、社会保障費を現行の約3分の一にして、公共事業費を約4倍にするというものだった。「人からコンクリートへ」、従来の方針、体質がいっこうに変わらないのは、やはり民主党の失政が影響しているのだろうが、そもそも経済第一主義ということにそもそもの疑問を感じてしまう。

 景気をよくすること、それが生活を守るために最も必要なことだと言われると、それはそうかなとついつい思ってしまうが、ほんとうにそうなのかどうか。景気が悪くなるとわれわれの生活も悪くなるのは確かだが、それでは景気をよくするために何をすればいいのか誰も分かっちゃいないのである。

 昔から経済は「神の見えざる手」がはたらくと言われたりして、どうなるのかを予測するのはひじょうに困難だ。ただし、経済ではいろいろな数字、データが出るので、それを計量することは容易だ。経済学者はそれを引き合いに出していろいろ言う。そういうことを言われるとみなそうかなと思ってしまう。けれども、それはみなすでに起こったことに対するマーケティングであるから、今後どうなるかにつながるとは限らない。政治家はいつも経済優先をお題目にしているので、経済学者の言うことに従わざるを得ない。が、どれを取っても不確かなことであるから、とりあえず自分たち(とくに族議員)に都合のいい理屈を採用するだけだ。

 たぶんみながみな経済への幻想を過剰に抱きすぎているのではないだろうか。言ってしまえば、それは金や数字なのだが。何だかなあ。働いて得た100円と道で拾った100円が等価になってしまっているような風潮もそういうところから来ているのか。某大学が資金運用で大損をし、投資会社の責任を訴えているけれども、そもそもそういうやり方で金を稼ごうとした心根が問題だよね。大学のもつ資源で金を稼ぐなら、いくら稼いでもいいんだけど。
 
 自民党のマニュフェスト、某大学、ソニーやルネサスの衝撃的なリストラのニュースを見て思うのは、たぶんみんな大事なことを忘れてしまっていて、今なおそれに気づかないということである。自分が毎月毎月TCCの財政状況を見ているからだが、僕にしても、いつもお金の心配をしながら仕事をしている。初めからも今でも変わらないのは、重要なのは人だということ。会社は、経済原則が動かしているのではない。数字が動かしているわけでもない。もし投資するのならばそれは人に対してするべきことだ。いつも長期的な展望のもとにやっていかないとね。経営学、財政学とかでは人件費は損失のように考え、経営者は皆これを抑えることに躍起になるが、実は最も重要な投資なんだよね。

 国家的に見れば、それは教育。国がやるべき最大の投資は教育である。かつてこんな小さな島国が世界の大国になれたのは、類を見ない教育水準の高さにあったのだと思う。決して突出した才能は出ないかもしれないが、皆がある程度の水準を持っていたからだろう。今からでも遅くはないから、教育再生を願う。もう少し品のある人間を増やさないとね。

 さて、ダービーで大損をした僕だが、どこかの大学と違って、中央競馬を訴えることはしないし、騎手への文句も言わない。むしろ、勝ったディープブリランテ、鞍上の岩田騎手が号泣する様を見て、馬券は取れなかったけど、これはこれでよかったとしみじみ思うのだった。岩田騎手は、何週か前に騎乗停止になってしまい、それから毎日自らディープブリランテの朝稽古に臨んでいた。通常、厩舎には調教助手がいるのでこういうことは異例も異例なのである。
 
 日曜は僕の大好きな安田記念。安田記念が来ると、ああ6月なんだなと思う。
出走馬を見ると、滅多にない難解なレースとなった。何が勝ってもおかしくない。経験上、こういうレースはまず取れない。手を広げてもしかたないし。

ヴィクトリアマイルではダメだったが、あのレースは厳しい競馬を強いられた感じがしたので、再度⑩アパパネを推したい。他には香港馬⑭グロリアスデイズ、④ストロングリターン。大好きな⑬シルポートだが、府中の長い直線を逃げ切れるかどうか。まずはこの4頭の馬単と3連単のボックスは買ってみようかな。

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