今週は涼しさを求めて蓼科方面にゴルフに行ったのだが、その涼しさは予想を超えていた。『別天地』と呼ぶにふさわしいね。これまでは北海道に行くしかないかと思っていたが、これならその必要もない。新宿からあずさに乗って2時間ほどだ。飛行機で行く北海道と時間は変わりないけど、費用が全然違うし。長野県のちょっと手前の小淵沢ですでに標高1000メートルくらいある。
蓼科のあたりは、昔、40年以上も前のことだが、友人の別荘があるので毎夏遊びに行っていたものだ。そのときもほんとに涼しいところだなと思ったけれども、今回ほどの感激はなかった。たぶん当時はそこまでの酷暑ではなかったんだろう。
で、当時、ゴルフは一年に一回、この蓼科でしかやらなかった。僕はそんなにやりたいとは思っていなかったのだが、一般的な会社員である友人たちには必須科目だったのである。で、それに付き合うために一年に一回やってたと。
そのゴルフ場に行くと、経営者が代わっていることもあって、昔の面影はまったくない。フロントで「以前にご利用になったことはありますか?」と聞かれたので、「40年以上前に何回か来ている」と言うと、大げさにのけぞっていたな。
ま、近年の暑さのことを考えると、夏の間だけこの辺で過ごせるなら過ごしたいと思う。八ヶ岳のほうまで行かなくても、茅野や諏訪のあたりで十分である。ただし、問題は食事だな。美味いものがない。うなぎとそばが有名だが、僕はそんなにそばが好きじゃないし、毎日うなぎなんか食べてもいられない。今回上諏訪に泊まって飲食店を探したのだが、なかなか良さそうな店がない。
ひとつ、「和食」「会席料理」と謳っているので、これなら大丈夫かなと予約しておいたのだが行ってみて驚いた。カウンター席とテーブル席と座敷に分かれ、カウンター席はまるでスナックみたいな感じである。で、われわれがテーブル席で飲み始めてまもなく、入店した男がカウンターに座り、何やら注文をしている。そしてビールを飲みながらカラオケを独りで歌い始めるのである。
「会席料理」でカラオケ?。これだから田舎の店は、と差別的な気分になる。が、この客は悪くない。常連の彼は、この店をカラオケスナックと認識しているわけで、いつもの通りにしているだけのことだろう。これは「会席料理」を謳っている店が悪いよね。一見の客を呼び込むためでしょ。僕らはまだ2杯くらいしか飲んでないのだが、早々に会計をして店を出ることにした。店側も罪悪感があるのか、5500円を5000円でいいですと言った。
まあしかし、それぞれの土地、それぞれの文化である。日本でもいろんな土地柄がある。そういうのもまた旅の一興ではあろう。でもこうした食事の問題が解消しないと、この辺に住んだり、長逗留したりすることには躊躇してしまう。もう少しリサーチが必要だな。
さて、長谷川唯の所属するマンチェスター・シティには今季あらたに3人の日本人選手が入団した。清水梨紗、藤野あおば、そしてGKの山下杏也加。みな代表のレギュラーだ。イギリスでの長谷川の大活躍により、日本人選手のレベルがある程度保証されてきたのである。
先日はレスターシティとの親善試合があり、レスターの宝田、籾木を合わせて、故障中の清水を除き、計5人の日本人が試合に出場した。すごいね。世界最高峰のリーグでこんなことになるなんて。
で、僕の注目はGKの山下。そもそもシティのGKキアラ・キーティングは、先シーズン、リーグのベストGKに選ばれているのである。そこに入団するなんてどういうこと?
とはいえ、僕が思うに、山下は、日本女子サッカー史上最強のキーパーである。外国のどのチームに行ってもレギュラーになれると思っている。そしてキアラはいいキーパーだが、まだ20歳と若く、ところどころでイージーなミスもある。山下の問題はヨーロッパでありがちな差別的なものがあるかどうかだな。
と思っていたら、この試合後半から投入されるや好セーブの連発。いずれも、点を入れられてもキーパーの責任ではまったくないという状況だった。そして、同点でのPK戦ではシュートを2つ止めて、味方の勝利に貢献。おそらく監督、選手、ファンからの支持をあっという間に得たことだろう。「あの日本人、やるじゃないか」と。ま、山下の実力からすれば当然なのだが。
なでしこが世界一を目指すなら、この山下と長谷川が健在でいる間だよなと僕は思っているのだがね。どっちも28歳かな。次のW杯では30過ぎだからなあ。GKの山下はいいが、長谷川がなあ。ま、その代わりに谷川が控えているわけだが。
で、藤野も試合に出たのだが、ひじょうに動きが良く、たくさんボールが回ってきて、チャンスをたくさん演出していた。これも半分はレギュラーだな。ポジションによっては定着してもおかしくない。藤野にはFKという武器があるからね。あれはすでにマンCでも一番だろう。こっちはまだ20歳だし。
ということで、きちんと選手の実力を見極めている監督がいるマンCなら、差別的なことも心配ないと見た。この監督であれば、長谷川以外もみなレギュラーでスタメンであり得る。
早くドイツでの谷川の活躍を見たいものだ。
が、なでしこの監督はまだ決まっていないようだ。それにもかかわらず、次の国立での試合のチケットが発売されているらしい。選手たちがこんなに頑張っているのに、協会はあいかわらず何ををしてるんだか。