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 新潟では日本陸上選手権をやっている。4日連続、五輪前の重要なイベントなのだが、もっと早く知っていれば観に行ったのになあと思う。が、本番で活躍できそうなのはやり投げの北口くらいだ。300障害の三浦は出ないし。注目のドルーリー朱瑛理は1500Mでからくも決勝進出。でも決勝では最下位候補だろう。世界に出るまでにはあと3年くらいは必要なのか。

 しかし、僕は陸上が大好きなのである。たとえ世界では活躍できなくとも、日本のトップの選手たちは観ておきたい。何しろ、一流の陸上選手のフォームや所作というのは本当に美しいんだよね。次の機会は逃さないようにしよう。

 ネブラスカ大で大活躍のバスケ富永啓正だが、NBAドラフトで指名されなかった。意外だ。それほどアメリカのレベルは高いのかと、ちょっと絶望的な気分になる。しかし、富永よ、いつか見返してやれ。さし当たりはオリンピックか。もしも八村塁がメンバーに入れば、スピードスター河村はいるし、日本は案外面白い存在である。

 女子ゴルフでは笹生優花と山下美夢有の二人が五輪代表。この数週間の活躍であっという間に順位が逆転した。23歳と22歳。日本の女子ゴルフの新陳代謝はものすごいなあ。山下なんかは身長150センチだが、世界を驚かすゴルフをやってくれるんじゃないかと期待している。それにしても、渋野の復活がもう少し早ければ今頃は代表になっていたかもしれない。返す返すも、残念でならないね。

 新陳代謝と言えば、アメリカの女子サッカー代表からあのモーガンが落ちた。37歳、まだやれなくもないとは思うが、まあいつかはこういう日も来るということか。そういうことだから、日本も熊谷を落としたほうがいいと思うんだけどね。まあ日本の人事には、温情、私情が絡むもんだ。それもまた日本の良いところではあるか。

 ただし、それが「しがらみ」と呼ばれてしまうと、判断基準は曖昧になっていく。たとえば、アメリカ陸上競技では五輪代表は一発勝負で決まるが、日本では何回も何回も行われる。

 そうそう全米や世界で話題のドラマ「将軍」をちゃんと観た。当初期待していたよりも良くはなかったが、欧米人にとっては異文化臭がムンムンとして、すごい興味深いものなのだろうなと推察する。日本人が観ると、日本のドラマとはやっぱり違う、何かちょっとヘンな感じではある。何というか、重心がどこにかかっているのか、ブレている感じもするし、何よりも日本人はああいうもんじゃないという違和感が全編に漂っているというかね。外国人が握った鮨みたいな感じというか。タランティーノが理解している日本というか。

 個人的に興味深かったのは、カトリック(イエズス会)とプロテスタント(三浦按針)のいがみ合いかな。設定として1600年くらいだから当然のことなんだが。

 両派は、後にだいぶ歩み寄ることにはなるのだけど、たとえばアメリカの大統領選などを見ていると、いまだにこの対立はうっすらと続いているものと理解できる。トランプを支持する層はやはりカトリック教会派ということだろうね。同じキリスト教だから教義が違うわけではないが、大まかに言うと信仰に対する姿勢が違うよね。僕がすごく大きいと思うのは、カトリックは、聖書の教えについて神父から聞かせてもらいなさいというものだが、プロテスタントは自分で読んで理解しなさいというところだ。この辺が改革派の改革派たる由縁だな。

 小中学をつくるよりも先に、神学校であるハーバードをつくったプロテスタントがアメリカを開拓していくプロセスなんかはすごく面白いわけだが、その一方で、後塵を拝しつつ、地道に勢力を広げていったカトリック。その「反知性」とも呼ばれるありかたが、ドナルド・トランプという奇怪な人物を政治家にする大きなバックボーンとなっているのだろう。

 日本では首相選よりもひょっとしたら都知事選のほうが面白いのかもしれない。まあ選挙だからね。本命が小池、対抗に蓮舫、穴馬が石丸。

 でも、これって敗者なき戦いなんじゃないのか? 小池百合子はまず負けなさそうだし、蓮舫は勝てばラッキー、負けても、鞍替え予定の衆議院選が秋にはある。石丸は、競馬で言えば、地方から中央にデビューできる。みんな利があるわけ。敗者がいないのだから戦いとは言えない。結局つまらないと。

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