菅野所長のエッセイ:思わぬ欠点

 ドラマ「半沢直樹」は桁外れに面白い。脚本はいいし、世相を反映しているし、主演堺雅人はもちろん、キャストがいい。下手をするとぶちこわしになるような設定のおかまの国税統括官も、歌舞伎役者片岡愛之助を持ってくることでむしろ大成功。これと小木曽次長役の緋田康人が抜群の小悪党ぶりで、赤井英和とか上戸彩とかの大根演技が、逆にその善人性を際だたせてる結果となっている。つくづくキャストの妙だな。壇密はどうかと思うけど。

 気になるのは、半沢の同期で、精神を病み、あげく出向の憂き目にあってしまった近藤君である。半沢が頭取になったあかつきには(なるかどうか知らないけど)、ぜひ本社に呼び戻してほしいものだ。
 とにかく、「家政婦のミタ」よりも「リーガルハイ」よりもはるかに面白いのは確かだ。やればできるじゃないか、テレビ局。

 サッカー、ウルグアイ戦。実質的に初めての代表となった柿谷。まあまあよくやったのではないかな。マンUでレギュラーにはなれなさそうな香川が、張り切りすぎというか焦りすぎではなかろうか。フリーの柿谷にちょこっとパスすれば、確実にゴールというシーンが2回あったぞ。
 まあ、しかし、強豪ウルグアイには敵わない。ちょっとした隙をついては、スアレス、フォルランの二人で点を取っちゃう。しかも、今回はセリエの得点王カバーニが来ていない。もしいたら、あと2点は献上してたな。

 それにしても、吉田の鈍足ぶりは深刻だ。今更なのだが。もう少し足が速くて、足下がうまいCBが出てこないものか。ザックとしては攻撃的なサッカーをしたいわけだが、そのためにはどうあってもDFラインを上げなければならない。しかし、そうするといとも簡単にCBが出し抜かれてしまう。

 あと、ウルグアイの2点目のフリーキック、GK川島がまた古い手にひっかかかったもんだなあ。さすがに、本人反省してたが。

 ホームだったが、日本選手のほうがコンディションはよくなかったね。長友は出られなかったし。本田も動きが鈍かった。内田はさらにひどかった。まあ、海外組は数日前に試合をしてたからね。とにかく、これからも柿谷を使ってほしい。世界レベルのDFに付かれると、豊田ではちょっと仕事ができないようだし。伸びしろも考えたら、もう代表のFMは柿谷でしょ。今回は無得点だったが、次は「倍返し」してくれ。

 サッカーといえば、「ジャイアントキリング」の最新刊。これは、かつて天才と謳われたプレーヤー達海猛が、足の故障で引退し、その後Jリーグ監督となってイーストトーキョーユナイテッド(ETU)を率いる話である。ETUの浮沈を握るのは、サテライトから上がってきたばかりの椿大介という選手なのだが、この気弱な椿の成長過程というのもこの漫画の見所となっている。

 この28巻では、思いがけずもUー22オリンピック代表に選ばれた椿が、予選のウズベキスタン戦の後半でいよいよピッチに立つのである。僕は、これを電車の中で読んでいたのだが、もうじーんと来てしまって、その先が読めず、本を閉じてしまった。あの椿がこんな大試合に出てくるなんて。気持ちが平静になって続きを見届けたけど。
 次の日、電車でまた再読したのだが、やっぱりそのシーンになると、本を閉じてしまった。何なんだこれは? その後も、このシーンでは必ずじーんと来てしまうのだ。ま、10回くらい読んだら普通に読めるようになったがね。
 たぶん、お話とはいえ、椿という選手の小さい頃からのエピソードを知り、そのキャラもわかり、知らず知らず多分に感情移入していたということなのだろうが。

 このことがあって、自分のちょっとした欠点を思った。サッカーでも野球でも、僕には特別な贔屓チームというものがない。だから、たとえば一人の選手が下部チームからはい上がってきたりする姿をずっと追いかけるということもない。もしそういうファンであるならば、ある選手が一軍に上がってきたときの感動というのはひとしおなんだろうなと思うのである。広く浅くの弱点だな。ま、しかたない。南海ホークスが消滅したときに、そういうものは無くなったのだ。

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