菅野所長のエッセイ:先見の明と暗

 この間の日曜は仕事だったし、その後にずっと飲み続けてしまった。翌日はもう疲れ切ってひたすらこもっていた。そんなスタートを切った今週だが、どうも胃が痛い。それでもついつい飲んでしまうのだからほんとにダメ人間の極みと思わざるを得ない。

 けれども世の中はもっとダメダメな状況が続いている。放射能汚染水が毎日300トンも海に流出しているというのは、とっくに予測できていたことにしても衝撃的ではある。今に始まったことじゃなかろうし、300トンというのも少なく見積もっている可能性もあるし、日本近海は死の海になってしまうのではないかと心配だ。海は世界につながってもいるしね。事故以来と考えれば、すでに何十万トンもの汚染水が太平洋に流出しているのではないだろうか。下手すると世界から袋だたきに遭うんじゃないの。

 東電任せにしていたのがいけなかったと、急遽税金を投入。凍土作戦をやるとか。陸部の放射能除染にしても5兆の経費がかかるというし、代償はあまりに大きい。全部税金、国民につけが回るだけ。原発のコストパフォーマンスは最悪だった。チェリノブイリ、スリーマイル、そして福島とあったわけだが、国土の狭い日本ではその深刻さはけた違いだ。そもそも日本の地勢で原発を作ることには無理があったということだろう。そこに戻らなきゃ。

 選挙で圧勝して、何もなかったこととして原発再稼働を進める政府だが、ひたすらやばい路線である。今も故郷に戻れない人たち、汚染水のことなど考えれば、何も終わっちゃいなくて、むしろ始まりだなと僕は思う。原発がなくても電力は足りるのはもう明らかななんだし、思い切って電力会社はすべて国営化してしまったほうが、結局はコストがかからないのではないか。しかし、目先のことばかりを追いかけるのが人間の悲しさというものか。結局そういうのは、知恵が足りないということなのだが。

 昔、日本の体操競技の復活の裏に10年越しの育成計画があったことをここで書いた。そのときは富田とか米田とかが出てきてオリンピックで活躍。その流れが内村航平という飛び抜けた存在を生んだわけである。今またその内村を超えるような16歳の白井君が出現、すでに世界一のひねり技を習得しているんだからすごい。

 それもこれも体操協会の先見ある「政治」によるものである。そういう人たちに内閣を替わってもらいたいものだ。禁酒法時代のマフィアのような出で立ちで、相も変わらず世の失笑をかっている麻生太郎であるが、失笑では済まされない発言をしても更迭はなし。何しろそういう政権だからなあ。すべてに時代錯誤、先も見えない。国を強くしようと思うなら、軍事力アップじゃなくて、教育なのだが、そっちのほうでも、道徳の時間をつくることが目玉なんだもの。それでは、北朝鮮や中国と同じじゃん。
 この短絡さは何なんだろう。とても政治家の考えとは思えない。完全に「修身」の発想であるからして、これは軍人のものだな。というところで気づいた。ついつい見かけにだまされるけど、背広を着ている軍人だと思えばすべてに合点がいく。やっぱり見かけにはだまされやすいのだ。それにしても、軍人が政治を司るとなると、それはうまくいかないわな。

最初に戻る