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人災の背景

 今週の東京はやや涼しいけど、関西以西ではあいかわらず災害級の暑さが続いている。と思っていたら、ほんとの災害がまたもや熊本を襲った。今年、大地震から10年経っての追悼式典が行われたばかりなのに、また震度7の地震である。お気の毒にも亡くなられた方々、そのご家族、関係者に深くお悔やみを申し上げたい。

 とくに上司の指示で建物の中に戻って爆発に巻き込まれたと見られる若い女性の場合は完全なる人災だ。そもそも、このような大惨事の直後にわずかばかりの売上金に執着してしまうというのが、何というか、まあそういう人もいるのだろうけど、呆れてしまう。自分で取りに行ってそれで爆死するのなら「ああ、ただのバカだな」「守銭奴だな」で済むところもあるのだがね。

 どこの世界でも、いつの時代でも、そういう人はいるもので、その卑しい精神がいつかは今回のような悲劇を生んだり、自分自身を破滅させることになる。たとえば福岡の自民党県議とかね。まあ、職業別の犯罪率を公表したら、断然トップの「政治家」のことだから今さら驚きはしないけど、相当腐った組織であることが判明したよね。まあしかし、これも氷山の一角というもので、国会を筆頭に、日本全国の県議会、市議会も大差はないのだろう。金額は違ってくるけどね。

 熊本を視察に行った高市首相についても、ヘリコプターから手を合わせるとかはどうでもいいことだが、その動画がBGMつきというのが、何というか、映画「地獄の黙示録」の飛行シーンを思い起こさせるな。あれのBGMはワーグナーだった。とにかく、これでまた、この政権が動画に金と精力をかけることがよく分かったね。つまりイメージ作りだ。国民栄誉賞なんてのも人気取り政策で、高木美帆にかんしては立派だとは思うけど、もうひとつ「国民」はピンときていないんじゃないの? だってあの内村航平も獲ってないんだから。この5年以内なら確定なのは高梨沙羅かな。それくらい文句なしに「世界一!」じゃないとね。まあ、政権の人気取りが必要なんだからしかたないか。

 FIFAの腐りようも半端じゃなかったね。商業権の一部を民間に売り渡そうとしたその相手先がトランプの親族だったわけで、あの蜜月ぶりもよく理解できる。そんな露骨な利権でつながっていたとは。たんに大会への基金だけじゃなかったわけね。まあしかし、ヨーロッパ(UEFA)を怒らせてしまったから、もう勝ち目はない。ヨーロッパがW杯をボイコットしたり、脱退したら、FIFAは存続しようがないし、当然、アフリカやアジアもそれに続く。FIFAに残るのはアルゼンチンくらいじゃないか。アルゼンチンはなぜか次回の予選が免除になるという特典を手に入れたわけだが、本戦中の不可解なアルゼンチン優遇状態も含めて、今回そうとう金をつぎ込んだようだね。

 結局辞任要求されたインファンティーノはトランプに助けを求めたが、トランプはいち早く勝敗を察して知らんぷり、インファンティーノは早々に白旗を上げて、とりあえず今回のドタバタは事なきを得た。

 こういうのって健全なことだと思うんだよね。たとえば日本のプロ野球だって、それをとりまとめる機構が腐っているとすれば、各球団が脱退して新リーグを立ち上げるとかできるだろう。つまり、運営している側は、選手たちがいなくなれば、そもそも商売自体ができなくなるということをよく分かっていなければならない。だから選手たちを大切に思い、扱わなければならないのである。

 熊本のような悲しい事故が起きてしまう背景とは、そういうことではないのか。

 さて、このコラムが1週空いたのは、僕の体調が悪かったせいである。たぶん脱水症というもので、高齢になるとけっこう危険らしい。身体のだるさと頭痛で、調べてみると脱水症ではないかと思い当たった。僕はいつも泌尿器科の医者から「もっと水分を摂れ」と注意されていたのである。秋でも冬でも、季節に関係なく。自分では普通に摂っていると思っているのだが、向こうは検尿の数値を毎回見ている言っているのだ。もちろんこういう暑さだから水分を摂るのだが、基本家でおとなしくしているので、そんなにはがぶがぶ飲めない。ゴルフでもやっていれば飲むけどね。

 で、先日病院でどうも体調が良くないと言ったら、「たぶんそれは脱水症だね」と言われた。自己診断と同じ。でもそういうことは内科の領分ではないかと思ったのだが、泌尿器科の患者は年寄りが多いので似た症例をたくさん診ているということだ。ああ、それは確かだろうね。

 そのとき「だからいつも言ってたでしょ。もっと水を飲めって」と説教されるかなと思ったのだが、それは言われなかった。あれー、毎回言われているのに意外だ。ああそうか、この医師は僕よりも年寄りだからね。採血をやりたがるけど、目がシバシバして針を刺せないし。たぶん、誰にどういうことを言ってるのか忘れてるんだろうなと、何となく愉快な気分になったのである。

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