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人の器

 このⅠ週間はいろんなことがありました。私事も公事も。

やっぱりトランプ銃撃事件だよなあ。

 その後に出たガッツポーズの写真がすごい。後ろには一点の雲もない青空と星条旗がなびいているのだが、あれは合成ではないのか? あまりにもすごい写真なんでね、そう思っちゃう。今年のピューリッツアは確定との声があるが、記録と言うよりも宣材写真としてのすごさだろう、あれは。

 僕が連想するのは、第二次世界大戦、硫黄島を侵攻、占領したとき、アメリカ軍が丘の上に星条旗を立てる写真がある。あれも自然のことではなくて、宣材として、構図から何から計算し尽くして撮った写真なのだった。

 まあしかし、あの胆力といっていいのか、銃撃のすぐ後にガッツーポーズを見せる根性はなかなかだ。もともとのトランプ好きにはたまらないだろう。ますます好きになるだろうね。

 まあしかし、僕もあれはすごかったと思うが、かといってトランプへの評価が上がるわけじゃない。あのガッツポーズによって、議会への襲撃を促すトランプ、あそこに黒人がいるぞ、すぐに追い出せと鬼の形相で叫ぶトランプの姿がかき消されるわけではない。

 そして、多くの人は自分にはあんな真似はできないと思うだろうが、ああいう状況にならないとそれはわからない。とくに、人から見られることを生業としている人は、すぐにこれはチャンスだと気づくものだ。だからあれがバイデンであっても、小さなガッツポーズくらいはするかもしれない。しかもSPから犯人は死んだという一報は入っているだろうからね。

 だからトランプの取った行動そのものよりも、あの写真の影響力のほうがすごいかもと僕は思うのだ。いずれにしても、大統領選は大きくトランプに傾いた。今後の共和党大会はお祭り騒ぎだろう。そしてそのお祭り騒ぎこそが大統領選の本質というものではある。それはかつての開拓時代からの説法集会から綿々と続いているものなのである。

 日本の政治や選挙というのはアメリカとは比べようがない。やはりスケールが小さいというかね。話題になっているのは都知事選で2位となった石丸伸二氏か。その後の多くのインタビューでコミュ障ぶりをいかんなく発揮してしまい、人気は急降下の様子だ。うーん、この辺が人口2万の地方都市からメジャーにデビューする場合の難しさ。宇宙から大気圏に突っ込む際の高熱にやられてる最中かな。でも、橋下とかホリエモンなんかが必死で擁護するのが面白い。似たもの同士なんだろうね。

 僕は安芸高田市での彼を評価していたけど、でもあの戦闘性は人の上に立つ立場には向いてないと思っていた。それはここのコラムでも書いたはずである。だから、議員になって、お上に噛みつくのが一番向いているんじゃないかと思う。蓮舫よりはだいぶ鋭い牙を持っているからね。噛みつき芸としては当然上手だろう。

 結局、「石丸問題」というのは。「器」ということに行き着くんじゃないか。論理とか理念とは異質な次元のことだ。人の上に立つというのは、人の欠点や悪行を攻撃して正すだけダメよね。でも、たぶん彼はそういうことには気づかないと思うね。自分の正しさだけにとらわれているから。僕は自分が本質的にはそういうタイプの人間であるからわりとよく分かる。

 で、結局、リーダーには向いてない。ただそれだけのこと、適正の問題であって、別に彼が悪いわけではない。 そういう意味では切れ味やスケールは違うけど、蓮舫と同じかな。でも、都民は蓮舫のことはよく分かっているから、NOを突きつけた。正解。一方、石丸のことはよく分かってないから、期待を込めて票を入れた。仕方ない。

 私事、金沢のことは来週だな。

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