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世界よ驚け

 全国的に雨で大変だね。ネパールのようなとんでもない災害こそないけど、各地で記録を更新しているほどの雨量だ。

 屋久島は「1週間に10日雨が降る」と言われているほどの島だ。若い頃、縄文杉を見るために、ついでに宮之浦岳を踏破しようと試みたのだが、何度登っても強い雨に妨害され、そのたびに下山せざるを得なかった。しかし、下に降りるたびにピーカンなのである。いい島だけど、ヘンな島なのである。

 このときは2日挑戦したけど、結局あきらめた。縄文杉は見られなかったが、トビウオの刺身、焼き、半生なサバ節、夕日の見える温泉が記憶に残る。そんな屋久島であるが、このたびは3日間で600ミリを超えるという観測史上最大の雨量だったとのことである。

 そんなもともとの「雨の島」なのに、土砂災害の最大級の警報が出たというのだから相当のことなんだろう。千葉もかわらず雨続きだけど、八千代などの内陸部だけでなく、勝浦とかの外房も土砂災害の危険区域だとか。2週前には市原のほうのゴルフのコンペに出かけた。当時の雨情報をゴルフ場に聞いてみると、この辺は高台だから大丈夫とのことだったが、海に近いほうのゴルフ場は軒並み閉鎖になったようだ。

 たまにはスカッとした青空を見たいものである。そんな雨模様の中で政府が出してきた史上最大規模の予算案には災害対策がどれほど組み込まれているのだろうか。

 目立つのは総務省と防衛省予算案だけど、例によって何らかへの投資事業と軍事費だよね。でも、またぞろクールジャパンのような失敗が懸念されるものよりも、確実な災害対策に力を入れたほうがいいんじゃないかと思うんだよね。今年の水害を見ればたぶん来年も同じような事態になるだろうと思わないのかな。

 そして、何回も言っているけど、放っておけば必ず災害を呼び込むことになる水道管対策である。これは急務ではないか。全国の、特に都市部の老朽化を何とかしておけば、未然に事故を防ぎ、先々の経費を節約することになる。派手な政策ではないし、支持層にも受けないんだろうけど、もしも名君になりたいのならこういうことに力を入れてほしいものだ。昔の中国では、為政者のいちばんの課題は治水であって、これを成した者が名君と呼ばれたのである。今の日本にも十分当てはまるよね。この場合の治水とは、昔は河川、現代では水道管なのである。

それから、内閣の広報室予算っていうのが前年度から10倍に膨れ上がって72億ですと。これは有り体に言えば、内閣の宣伝費である。熊本のときのように、BGMつきの被災地紀行みたいな映像が来年は今の10倍発信されるんだろうか。企業の宣伝費なら当然の投資であるからいい。でも、政府の予算は国民の税金なんだからさあ。そんなに金があるんならもっと違う使い道があるんじゃないかと思うが、どうも尊敬するトランプ型の政権運営に近づいているようにも見える。彼女は名君よりも暴君、暗君の道を好み、そっちを選ぶのか。あるいは、やっぱり、自民党の体質はみな福岡県議会と同じようなものなのか。

 さて、ヨーロッパのサッカーが始まり(日本もヨーロッパに時期を合わせた)、日本選手が活躍している。とくにすごいのが、イタリアからプレミアのアストン・ヴィラに移籍した鈴木彩艶。日本代表になった頃からもうワールドクラスのGKだったけれど、それを早くも世界に知らしめている。一部では「手袋を着けたピルロ」とも言われているように、とにかくパスがうまい。

 オランダNo.1チームのPSVに移籍した佐野航大も、すでにレギュラーを獲得し活躍している。なんでプレミアに行かないのかと思っていたが、ここで確実にレギュラーとなり、チャンピオンズリーグに出るという選択肢も悪くはない。トップチームに行ってもあまり試合に出られないのなら意味がないしね。格下のリーグであってもチャンピオンズリーグに出られるとあれば、そのほうがいいのかもしれない。

 そういう意味ではスペインリーグの久保建英は難しいところだ。ここ数年、いくらでもトップチームに移籍するチャンスはあったけど、そうなった場合スタメンの保証はない。W杯前に必要だったのはレギュラーとして試合勘を失わないことだったからな。最近、若干輝きを失った感のある久保だけど、このままレアル・ソシエダクラスで終わってしまうのかもしれない。

 女子のほうもすごいよ。26年度のバロンドール候補に3人が名を連ねた。長谷川、谷川、松窪だ。このコラムでもいつも名が上がる3人だ。チェルシーに移籍した松窪はまだ試合に出てこないのだが、昨日は谷川が44メートルというとんでもないシュートを決めた。ドイツリーグということもあり、スピード不足は否めないけど、その破壊力はすさまじい。

 いろいろあるけど、やはり鈴木彩艶だな。彼の存在はチームの戦略そのものを大きく変えてしまうだろう。あるいは、もっと大きく、サッカーにおけるGKの存在意義について言及がなされるかもしれない。

 谷川とともに、ザイオンに世界よ驚け。そんな選手が日本から生まれたことが驚きでもあるのだが。

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