今週の初めは不眠で体調が思わしくなかったのだが、今日は元気である。天気も良いしね。まるで北海道にいるような爽やかさだ。近年の天候不順で、日本の気候風土がごっそり変わってしまうのではないかと懸念していたところだが、今日の天気を見ると「五月晴れ」というのもまだ死語ではないのだなとホッとする。でも、酷暑の夏と寒い冬に挟まれ、春と秋、気持ちのいい季節はとても短くなった。貴重な時期だから大事に過ごさないとな。
注目の米中会談だが、前回のトランプ・周会談のときとは様子が違って、中国が一歩も引かない構えである。「中米」会談と替えたほうがいいかも。アメリカに対してこうも強腰であるからして、日本など眼中になかろう。とは言え、この会談の前にはパンダをアメリカに贈ることを決めていたり、まさに右手で相手の頬を打ち,左手で握手を求める、中国式の交渉術ではある。海峡の渡し賃を元にしていたことで完全にイラン寄りだと思っていたが、決してそうでもないさそうだ。結局、自国の利益しか考えてないわけだから、イランもあまり中国を当てにしていてはいけないんじゃないか。「鉄の同盟」と称されるパキスタンだって、中国にはかなり不信感を抱いているようだし。
それにしても、この会談で成果を得られないとなると、トランプの中間選挙での苦戦は免れないね。
先週は、高市首相がベトナム、オーストラリアと訪問外交。オーストラリアでは両国首相で経済共同宣言を行っている。この地がシドニーでもメルボルンでもなく、キャンベラだった。なぜならキャンベラは奈良の姉妹都市だからである。当然、オーストラリア側がこれを設定したのであろうが、もともと友好国であるとは言え、こうしたほのぼのとした気遣いは外交にも好影響を与えるものだろうね。
そんな気遣いなど全くないイランとアメリカであるが、清水ミチコが超傑作な替え歌をやっている動画をたまたま観てしまった。幸運だったな。タイトルも「ホルムズ海峡浮遊景色」。ここでは説明するのは難しいので、ぜひ観てください。思わず笑う。時宜にもはまり、空恐ろしいほどの傑作ではないかと思う。
時を同じくして、そんな大変な状況のホルムズ海峡を日本のタンカーが一隻通り抜けた。イランの許可を得てのことである。いやあ、何でこんな特別なことができるんだろうと思ったが、そういえば、昔これに関連した事件があったような気がするのである。で、調べると、やっぱりそうだった。いわゆる日章丸事件。僕が生まれた年なんでもちろん生の記憶にはないけど、昭和の時代、「日章丸」というタンカーの名前はずっと語り継がれてきたものであり、映画やドラマにもなっていた。
当時は、石油目当てのイギリスがイランに対して経済封鎖、英海軍が海峡を監視していたのだが、勇敢にも、日本の出光興産のタンカー「日章丸」がその厳戒を通り抜けて石油の買い付けに成功したのだった。イランの人々はこの事件のことを忘れず、それが今回の特典となったと思われる。当時はいまのアメリカのようにイギリスが専横をきわめていたのだった。
何でもイランではこの事件が教科書にも載っていたということなので、串本沖のトルコ船沈没事件にも似ているよね。トルコの人たちはみなこの出来事を知っている。かつてイラクに閉じ込められてしまった日本人をトルコ政府はチャーター機を用意して脱出させてくれた。何十年経ってはいても、トルコもイランも日本には感謝しているわけよ。日本もこれを大事に思わないといけないんじゃないの。
こういうのは社会心理学では「返報性の原理」としてよく紹介されるものである。昔「影響力の武器」という本があって、共訳者の一人が僕の後輩だったので贈られてきたのだが、贈与の原理との比較なども含めて、わりと丁寧にこの原理について書かれていたように記憶している。いま調べたら、日本語訳出版は35年前のことだ。確か、トルコと日本の関係だったか、メキシコとエチオピアとの関係だったか、とにかくこうした国際的なことにも言及しているものだった。この本はいまでも新版されているので、かなりのロングセラーなんだね。昔、このブログでメキシコとエチオピアとの関係について触れたことがあるので、もしかしたらこの本の「影響」かもしれない。
戦争好きなアメリカは嫌だし、自己中心も甚だしい中国も嫌だ。どちらにもつかず、イランのために何ができるかを考える。そういう国であって欲しいものだが。
